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今日から学校と仕事、始まります。①莞

コンビニはぁ~とぅ

作者: 孤独

最近、行きつけのコンビニに可愛い子が入って来たようだ。


ティロティローーーン


「いらっしゃいませ~」


入ってくるお客を見てもないけれど、その声に元気をもらえる気がする。

選ぶ商品は真っ当なものになってくる。

まぁ、昼の弁当を買いに来ただけ。別にコンビニでなくても良かったもんだ。



「しょうが焼き弁当にすっか」


弁当は選んだ。そして、レジを並んでいる人数を数える。

3人だ。お昼時にしてはそこまで混雑はない。このまま順調に並ぶと俺は、あの可愛い子と向かえ合っても不自然じゃないレジに行けるだろう。並んでいる会社員、彼女の方に姿勢を向けやがる。


「ありやしたー」


そりゃ彼女と同じシフトにいるのが、おっさんだもんな。顔合わせるだけで忙しいなぁって、感じだ。

俺もあーいう歳まで食ったら、憧れちゃう目で彼女の方へ体を向けるかもな。今のそれは元気もらう理由だ。ともかく、並ぶとするか。


「タバコ、13番。弁当の温め。この荷物送って。このホットドックも1つだ」

「はーい。少々お待ちください」

「ちっ」


ここで可愛い子の相手をしている無愛想な男性客が、噛み付くかのような声で色々と言ってくる。

最近のコンビニはなんでもできるようになっていて、それでいて店員は増えないという有様。一度に色々なものを平気で頼んで、早くしろって顔で待っているのは後ろに並ぶ俺達にとっては不満顔。こんなことがあるから、コンビニバイトはハードに思える。外人さんも珍しくないし。

どこにでもいるんだよな。


「次の方どうぞー」

「!!」


って、俺!

あの子に元気もらおうとしてたのに、おっさんになってるじゃねぇか!お前があの客を相手にしろよ!この屑が!役立たずが!!おっさんと向かい合っても嬉しくない!苛立ち2倍!


「店長。発送のやり方はどうするんでしたっけ?というか、やる事多いんで」

「ん?ああ、ちょっと待って!すみません。少しお待ちください」


お前、店長だったんかい!って気持ちを出しながらも、彼女の困り具合を助ける形で俺も待ってあげる。後ろの客も待ってるんだよなぁ……。昼時に止めろよ。


「弁当温め。タバコ、13番。ホットドック1つ」

「ここに署名をお願いします。ご会計が」


これ1人でやるとしたら、相当な時間をとられるだろうな。それ分かってないんだろう。


「早くしろ!2人でやってんだろ!後ろの客も待ってるんだぞ!!」


お前がそんなことをしなきゃ良いだろ。黙ってくれよ。

客は胸ポケットから出しているリッチな財布を取り出し、足りるだろう現金を見せびらかせるまで、急げ急げと訴える。こんな短気な奴にして、自分勝手の過ぎる奴。成りたくはないと思う。それに、

ふとっ。



「昼間近にそんなに頼むんじゃねぇよ」


なんでそんな事を俺は目の前で言った?

舟虎太郎。

そりゃあよ。


「なんだガキが!!」


こんなクズにはなりたくねぇからの嫌悪。アンチヒーローを形どって


「お前のせいで俺達は並んでるんだよ。馬鹿」

「んだとコラァ!」


威圧的な態度で迫ってくる。チンピラ風体で、周りから避けられる印象。一昔前の人。警察を呼ぶ事態になりそうだった。胸倉を掴んでくる。


「お前なんつったこの野郎!」


罵倒の言葉や体を使った脅し。それが怖いと思われるって時代のことだ。確かに俺だって怖いぜ。

だがな。今はもっとそれより、怖いことがあるんだぞ。時代遅れが。

流行りは常に変わっていくのだ。


「馬鹿って言ったの」


それでも曲げない。俺に注意を惹きつけ!俺の顔面も、ボディもがら空きだ!

殴り合っても良いさ。


「あーー!」



チーーーンッ


「お客様、お待たせしました!お会計です!」



レンジ音が鳴る。テメェ後で来いと言うだろうか。周りのみんなは早く払って、釣り持って、出てけと空腹に飢える獣の目。店員さん達も似たような目だ。その声もちょっと焦っていた感じが入っていた。

そして、さすがにこいつにも用事はあるんだろう。口で言うだけあるはずだ。


「ふんっ!」

「ちっ」


商品を受け取って、釣りをポケットに入れる。物凄く雑な入れ方でとっとと出て行った。すると、


「申し訳ございませんでした。どうぞ」

「お」


あの可愛い子が接待してくれる。なんか良い気分。しかし、良いことをしたなんて思わない。伝えない。俺も他所から見れば迷惑行為だ。


「398円になります」


その時、思った。悪いと思ったからすっと出た。福沢諭吉が1枚。


「さっきの、俺達の迷惑代も含んでる。君が受け取ってくれ。釣りは要らない」

「は、はぁ?しかし……」

「要らないんだ」


こんなことしても良くはないだろう。でも、それが俺なりのできること。あいつのできることだ。



ティロティローーーン



「おーっ。こいつやっぱり、金持ってやがった!有り金は全部頂いて。財布本体は御子柴に売ってもらうか!免許証とかカードはどっかに捨ててやるか」



な?

今時の、学生の怖さが分かったろ?

いつの間にか、有り金が全部無くなる恐怖。



挿絵(By みてみん)

こんな感じの塗りでこれから行こうと思います。アニメ塗り8割で


ブラシ塗りは時間が掛かるのと、結局上手くないんで。


アニメ塗りはバランスが難しく、作画がとても重要なんですが。

下手な自分にはまず、描く枚数だけじゃなく、完成させる枚数が必要だと最近分かりました。


1枚の挿絵を完成させるまでに2時間は切りたいですね。


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