番外編:貞操との別れ…?
さて、ここで問題なのは終わろう《、、、、》としていた、だけであって終わってないところだ。
先程でイベントは全て終了したかと思いきや、まだ少しだけ続くのだ。
そう、男が言っていた風呂の話である。
「テストで疲れたろうから、風呂に入ってこい」
ここだけ聞けば、優しいセリフに思えるが、しかし。
ここで問題です、「テストで疲れた」のは誰でしょうか?そう、オレ……アーサーと。
―――シャプナーである。
シャプナーはオレのテストの相手を勤めた、確かに疲れているのだが!
だがっ!
何故、一緒に風呂に入らねばならんのだろうか! そこにオレは意義を申し立てたい。
考えても見て欲しい、お風呂でのイベントといえば、それこそ 「きゃー、えっち!」となるのがお約束なのではないか?
なにが嬉しくてホモと風呂に入らねばならんのか、はあ……何度目のため息だろうか。
「ははは、そんな顔をするなよ、僕が傷つくだろ?」
「傷ついとけ勝手に!まったく、さっきは本当に驚いたんだからな。ネタバレされたら殴りたくなってきたぞ」
「きゃー、えっち!傷物にされちゃうー!責任とってー!」
こいつ……ぶん殴ろうか。背筋を凍らせるようなおぞましい声だった。
このまま、なにも無く終わりますように。
切実な願いというのはいつも、裏切られるものだ。予定調和とばかりに、シャプナーはとんでもない提案をしてきた。
「そうだ、君の息子をみせてよ!僕も見せるからさ!」
ぐいっと、腰に巻いていたタオルを引っ張られる。まあ、かぶせているだけなのだが。
「おいっ!やめろっ!見えてるだろうがッ!」
「違うよ、僕が見たいのは君の本当の部分、付け根をみせてよ!」
「おいそれ、王様にも言われたんだが!?流行ってるのか!?」
「王様には見せて僕には見せないつもりなのかい?はっ……まさか!そういうプレイなのか!?それもまた…イイッ!」
バコンと桶で頭をひっぱたいてやった。
「痛てて、むーん強情だね。いいよ、僕から見せてあげようじゃないか!」
「おい、止せ、止めろ!!」
「えいっ!」
シャプナーは立ち上がり、腰のタオルを勢いよくとった。オレの必死の抵抗も虚しく。
シャプナーがタオルを脱いだ先には、エベレストがあった。
そびえ立つ誰者も寄せ付けてやまない、不思議な魅力がそこにはあった。
なぜ人類は山に登るのか?「そこに山があるから」と。
かぽ~ん。
「そこから先はご想像にお任せしたいと思う」
「なに勝手に喋ってんの!?」
もろちん、そんなことは起きないし、起こさせない。
「ふふん、どうだい?僕のムスコは?立派だろ?惚れちゃったかい?掘られたくなった?」
「惚れてないし!掘られたくもない!もう、こっちへ向けるな!近づけなくていいから」
「あ、ああ!大きくなっちゃいそう!」
「はあ!?ちょっと待て!オレもう出るから!」
「僕も出そう……」
キモすぎる……。こいつは変態だ。
「じゃあな!お休みっ!」
肩まで浸かっていた湯から勢いよく上がり、そのままオレは寝室へとむかったのだった。
読んでいただきありがとうございます。
番外編を書いてみました。
シャプナーはこの物語で重要人物として大活躍する予定です。