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[4]午後 / [5]午後:その2
[4]
胸に、大きい傷跡がある。
「小さい頃病気したんだ」
って、言っている。
「ねえ」
「ん?」
「ほんとはどうなの?」
「え、何が?」
「実は世界征服をたくらむ組織に改造手術を受けたとか」
「…………」
「で、何か身に危険が迫るとそこが開いてなんか出てくるとか」
「ぱかって?」
「そうそう」
「何が出てくるの?」
「…………手?」
「……食らえー、必殺・千手観音~~~~! って?」
「むしろシヴァ神」
「あれは手を動かしてる残像だっていう説があるよ」
「じゃあクラゲ」
「うにょうにょうにょ~」
「だめだエロい」
「俺それ萌えない」
「……うちらバカかな?」
「うん」
[5]
「そもそも、なんで俺が人間じゃない事になるの」
「だって」
「だって?」
「まともな人間に好かれるような性格じゃないと思ってるし」
「いやいやいやいや」
「自分が人間じゃないんじゃないかって思うこともあるし」
「人かどうか確認してあげようか」
「いやいい」