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[1]朝

決して純愛小説ではありません。

そのため、一部に不純な連想を招く描写があります。

気にするほどではないと思いますが、一応注意してください。

[1]


 起きようって言ったのにまだ寝てた。

 先に起きてもまだ寝てた。

 着替えてきても布団の中にいた。ひょっとして死んでるんじゃないかと思ってカーテンを思い切り開けたら、顔をじたばたさせて嫌がった。

「ぎゃー、溶けるー」

 可愛くもないのに臆面もなく言う。

 たぶん実は吸血鬼で、日頃は大丈夫なくらいに訓練してあるのだけれど直射は辛いんだろう。参ったな、こっちは晴れてないと元気が出ない人間なのに。

 朝の光は気持いい。髪の毛が乾いて浮き上がるのも、家の中ならそんなに悪くない。


 たっぷり光合成を済ませて振り返ったら、布団の上には薄い色の灰が散らばっていた。

 触れてみると微かに温かくて、吸い付くように肌となじんだ。

 雨が降ればよかったのに。大嫌いな雨が降って部屋が薄暗いままだったら、ずっとずっと一緒に眠っていられたのに。


「そんなこと想像したんだ」

「うん」

「それ朝御飯?」

「うん」

 起きてきた。

「そうだねー、雨が降ってたら起きられなかったかもね」

「髪の毛すごい事になってるよ」

「起きさせなかったかもね」

 そんな事言いながら、動かないで髪を梳かされている。

 この吸血鬼は、朝になると灰よりも大人しくなる。

今まで書いたことのないものを書きたくなりました。

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