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第二十話

ふんふんふーん


鼻歌をもらしながら、ドレスに着替える。

コルセットに関しては、おわかりだろうか、トラウマによってノエルには任せていない。


「お嬢様、手伝いますよ。」


と言いながら、横に控えているが、楽しそうな顔でコルセットを締め付けた事を忘れていないからな!


「あ、あと本日アダルバート様がクローディア家にご帰還なさったとか。」


「えっ!」


それって、結構な重要事項じゃなかろうか。

ついで感覚で話す事ではない。


しかし、まずい。

名前を聞いて思い出したが、ロザリーの兄、アダルバートも攻略対象だ。

ロザリーを溺愛している事から察するだろうが、ロザリーが殺害されたところから病む為、序盤はロザリーにくっ付いてるか、海外にいる。隠し攻略対象となっているのだ。

選択死があり、難易度が高い。

主人公がロザリーを殺したという疑いを鼻から持ってるので、やりづらさで言ったら、上位に位置するのではないか。



でも、よく考えたらアダルバートは私が殺されなければ病まないので、私にとってはやりやすい。




「じゃあ、明日くらいにくるのかしら、お兄様は。」


「手紙なら既に届いておりますが。」


と涼しい顔でアダルバートからの手紙を出すノエルに愕然とした。アダルバートの話を続けていなかったら渡されなかったかもしれない。


渡された手紙は白く、所々に銀で装飾されていた。流れるような字で「クローディア家、ロザリー様」と書かれている。

裏にはまごう事なきクローディア家の家紋が入っている。



どんなことが書いてあるかと恐る恐る覗き込む。


「我が愛しきロザリーへ。

元気でいるか?風邪などひいていないようにしなさい。

兄は今日クローディア家に帰るよ。遂にロザリーも準成人を迎えるのかと寂しいような嬉しいような気持ちになっている。

……さて、そんなお前に朗報だ。お前は本当の意味での友達を作るべきだ。

気の会いそうな者を紹介するよ。きっと仲良くなれる。

そちらに行っているというから、その内挨拶されるだろう。いいかい、相手にも気を使うんだよ。

私は明日に宮中へ行くから、今度こそ間に入ってあげられないからね。


ロザリーに会える明日を楽しみにしているよ。


君の兄、アダルバート・クローディア」





やっぱりあの子達ってあれか、権力に惹かれての友達ってことか。


貴族社会って大変なんだな、と思い知る。アリエスも誰かに殺害された。

アダルバートは付き合いが広いからアリエスとも知り合いだっただろうか、だとしたら、ショックすぎないか。


「ノエル。準成人式っていつになるのかしら?」


「2日後ですよ、お嬢様。」


未だに、正体がつかめない焦りが出てくる。

物語的にここで悪役令嬢はいなくならないから、きっと大丈夫だろうけど、噂は残る。ロザリーがティモシーとの痴情のもつれでアリエスを殺したと。


というか、私たちまだ8歳か9歳だよ?

そんな大人な対応できるかって。


私が本当の8歳の頃なんて、初恋をしたくらいの歳だ。痴情のもつれって……。



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