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第十一話

屋敷につくと、家中の召使いがドタバタと慌ただしくしていた。


着いたばかりは、私の帰還に準備が忙しいのだろうと思っていたが、私が落ち着いても、屋敷のあちこちからドタバタと足音が響くので違うようだ。


これではゆっくりと休めないので、ドアを召使いが気付くくらいに大きな音を立てて開ける。


すると、運悪く近くを通りかかった召使いが、


「お嬢様! 大変です! 地下室へ続く扉が破壊されていたようで……。警備の者が中を確認したところ、壁は何者かに引っ掛かれ、置いておいた物は全て無くなっていたようです!」


と早口で叫んでから、また慌ただしく去って行った。


その言葉を聞いて、また、思い出すことがあった。グリゴリーだ。クローディア家の地下室に居たのはグリゴリー。


白髪に紫交じりの黒い目をした少年だ。

ロザリーに酷く執着していた。ロザリーが

「昔、地下室で飼ってたグリゴリーっていう男の子が逃げちゃったの。可愛がっていたのに。」

と言っていた。


グリゴリーを今から探しても見つからないだろう。グリゴリーはこれから数年間、旅をするのだから。そして、力をつけてロザリーの元へ帰ってくる。

そんな類のめんどくさい執着だ。


地下室へ行ってみると、確かにこれは酷い状況だ。

壁は爪で引っ掻いたのか、傷だらけで、血がへばりついている。爪が剥がれても引っ掻いていたのだろう。


よく見ると、床も何かを引きずったのか、傷がついている。


メモが1枚落ちていたので、拾ってみると、そこには

「まってて。 もどってくるよ。」

と覚えたての字で紙いっぱいに書かれていた。




どうやら、すごいヤンデレフラグを立ててしまったようだ。


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