表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

オフィスにて その2


 加福さんは懲りない人だ。


 今日も華麗に12階に降りてきた加福さん。

「加福さん、何かご用ですか? 」

「ああ、平峯ひらみねさん。この前言ってた備品なんだけど」

「はい、ああ、あれなら今朝ようやく入りました」

「ホント? いやあー俺ってついてる男だね~」

「ふふっ、そうですね。じゃあ倉庫に取りに行って、後でお持ちします」

「ありがとう。じゃあいつも優しい平峯さんに、お礼を」


 そう言って那波ななみの手を取り引き寄せると、その腰を抱いて彼女のあごに手をかける。


 ビキビキッ! 

「ひえっ!」

 今度は12階に殺気がはしる。


「おい」

 見ると、アスラが顔をこわばらせて立っている。

 ちょうど用事があって、13階から降りてきたようだ。

「その手を離せ」


「ふふーん、やーだもーん」

 と、答えた瞬間。

 加福は異次元空間に放り出されていた。

「お前みたいなやつは、そこで反省してろ」


 だだっ広いスペースには大勢の男女がいる。

 しかも。なにー? この俺を差し置いて、美女たちは他の野郎にばっかすり寄ってるー。

 あーこんなとこやだー。元の世界に帰りたーい。



 しばらくぼおーっとしていた那波がハッと我に返る。

「あ、あらアスラくん。何かご用? 」

「はい…。総務の許可がいることで」

「ふふ、りょうかい。でも…、変ね。さっき誰か来たような? 気のせいかしら」

「気のせいですよ」

 アスラの幻惑で、加福が来たことをすかり忘れた12階の社員たち。



 ちょうど時刻は昼休みに入るところ。

 美しい女性たちがランチのお誘いにやってきて「加福さんがいなーい」と騒ぎ立てるまで、彼は両手に花の男どもを悔し涙で見る羽目になったのだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ