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加福さん オフィスにて その1

 ソラ・コーポレーションが誇る一番のイケメン、手塚てづか 一直いちなおが独身を放棄してしまった今、社の名物、「いい男ファンクラブ」の命運は、加福かふく末山まつやま、この男たちの手にかかっていた…。



〔加福さん〕


 彼はとにかく女性に優しい。

 だって女性大好きなんだもーん。

 女と名がつく人はすべてプリンセス!


 朝のエレベーターホールで。

「加福さーん」

「加福さん、おはようございます」

「加福さん」

「加福さあん、今日も素敵」


「う~ん、みんなも美しいね。お仕事がんばってね、僕のプリンセスたち」

 と、分け隔てなく微笑みを振りまいて、おまけに投げキッスなど。

「「きゃあー」」

 人当たりの良い加福の人気は今日も健在だ。




〔オフィスにて その1〕



 加福さんは懲りない人だ。


蔵木くらきさん、新しい商品の企画をお願いしたいんだけど」

「はい、良いですよ」

「ちょっと時間が押してて悪いんだけど」

 と言いながらきょうの横に立ち、その髪を優しくなでる。


 すると、

 ピキッ

 と、一瞬不穏な音がした。


 ここでたいていの女性は夢心地になるのだが、一直ひとすじの恭には効き目がない。

「うーん、わかりました。なんとかなりそうです」

 平気な顔をして答える恭に、本当に嬉しそうに笑って。

「ありがとう」

 恭の手を取って椅子から立ち上がらせると、フワッと抱きしめてしまう。


 とたんに13階に殺気が走り、あちこちで「ヒエッ」と声が上がる。

「恭から離れろ、加福」

 一直の低い声がする。


「ふふーん、やーだもーん」

 と、答えた瞬間。

(ペコチー! 50万ボルトを使え!)と、人気アニメ主人公の声がしたような気がした。


 バリバリバリ!

 加福は一直の攻撃で、HPを失った。

 倒れる寸前に、叫ぶ恭の声がする。

「加福さん大丈夫!? もう、一直さんてば、少しは手加減して!」







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