第14節 仕掛け
「あれ?」
通路を抜けた先で、ドミニクが声を発した。
「条件は、私では満たされなかったようだな」
二人は冷静に辺りを見渡す。そこはさっきと同じようなただの広い空き地だった。
「おかしいな・・・・・・一応、属性も合わせたのに・・・・・・」
クイーンは風の精霊だ。そこでドミニクも風の精霊であるオブシディアンを召喚した。属性を条件指定されているかもしれない思ったからだ。しかし、更に細かい条件指定があるようだ。
「ブルーイーグルとは契約していないのか?」
「残念ながら」
「ふむ・・・・・・では、鳥の姿がデフォルトの精霊で試してはどうか」
「鳥か・・・・・・」
ドミニクが黙り込む。
「それも契約していないのか?」
オブシディアンが呆れたような表情をする。
「いや、一人いるけど、ちょっと大きすぎるんだ。デフォルトじゃ入り口を通れないよ。それに、そもそも今は魔法陣がない」
「他にはいないのか?」
「そいつだけだね」
「お前も大概役に立たん奴だな」
オブシディアンはフゥと鼻息を出した。
「--!? 仕方ないだろう! そいつが他の鳥系の精霊と契約するなっていうから、僕はそいつとしか契約できてないんだ!」
好きで契約していないわけではないのに役立たず扱いはひどい。それにお前の役に立つためにやってるんじゃないと、ドミニクは思った。
「では、これ以上の検証は時間の無駄だな。帰るぞ。早く対価を寄越せ」
「あ、ちょっと待って!」
ドミニクが空き地と通路の境目にしゃがみ込む。
「条件成就認識装置・・・・・・ここにもあったんだ」
彼は入り口にあったのと同じ様な丸い球を拾い上げた。
「おそらくそれが解除条件の方の認識装置だな。私の勘だが、おそらく鳥系の精霊が入り口を通過することで停止条件が成就し、この空き地から通路の境目を通過しようとすることで解除条件の方が成就する形になっていたのではないだろうか」
「そうだね・・・・・・その可能性は高いと思うよ」
しかしオブシディアンの言うようにこれ以上は検証できない。ドミニクは自分を歯痒く感じた。
「あ、戻ってきたな・・・・・・ダメだったか」
ダンテの視線にドミニクは首を横に振って答える。
「だが、もう一つ条件成就認識装置があった」
オブシディアンが中の様子をダンテたちに説明する。その間、ドミニクはずっと黙って思考を巡らせていた。
「もしかすると・・・・・・」
一通りオブシディアンが説明をし終えた後で、ドミニクがぽつりと呟いた。
「ん? どうした?」
ダンテを筆頭に全員がドミニクに注目する。
「調査は・・・・・・『あたり』だったのかもしれません」
「え?」
「ディアンは『鳥系』の精霊が入ったらと仮定しましたが、もしかしたら『青い鳥』の精霊が入ったら--なのかもしれません」
「それって・・・・・・!」
ロメオが声を上げる。
「えぇ・・・・・・この大掛かりな魔法律の仕掛けは、『青い鳥』の精霊を捕獲するために作られたのかもしれません」




