第8節 聞き取り調査
「あぁ・・・・・・ダンテまで出て行ってしまったな。何だ? この家では怒ったら外に出る決まりでもあるのか?」
ロックが半ば呆れ気味に溜め息を吐く。
「頭冷やしたら戻ってきますよ、二人とも」
ロメオが苦笑いする。
「・・・・・・ダンテ、怒ってたの?」
エステルが心配そうに尋ねる。
「ん? 怒ってたじゃないか?」
「私・・・・・・変なこと言っちゃったから・・・・・・」
エステルがしょんぼりと肩を落とす。
「ハァ? お前に対して怒ってたんじゃない。何を勘違いしてるんだ。本当にお前は子どもだな・・・・・・」
ロックが心底呆れた表情をする。
「え? じゃあ、誰に怒ってたの?」
「もう自分で考えろ。めんどくさい」
「え!? めんどくさいって! ひどいよ、ロック!」
エステルが頬を膨らませて抗議する。ロックは無視してロメオに話しかけた。
「ところで、全く話は変わるんだが、ターガスで『青い鳥』の精霊を集めてる奴の話、聞いたことないか?」
ロックは二人が戻ってくる間に、もう一つの案件『ブローカーの調査』について少しでも前進させておこうと思った。
「『青い鳥』の精霊って、クイーンみたいなやつのことですか?」
「そうだ」
「う~ん・・・・・・聞いたことないですけど・・・・・・」
「じゃあ、ここ半年で周辺で何か変わったことはないか? 魔力の流れがおかしいとか、変な奴が村に出入りし始めたとか?」
「え~?」
ロメオは眉間に皺を寄せながら、うんうん唸っている。そうしていると、考え事をしているときのダンテの顔にそっくりだった。
「俺、魔法律家じゃないんで、魔力の流れとかは分かんないですけど・・・・・・変な奴なら、たまに見ますかね」
「どんな奴だ?」
「変な奴っていうか、変な馬車なんですけど、月に一回くらい村の近くを通るんですよ。村に寄るわけでもないし、だからってこの辺りに他に集落なんてないし、どこ行ってるんだろうなって、みんな言ってたんですよ」
「ふん・・・・・・いつ頃からだ?」
「・・・・・・あれ? でも、もう一年位前からですね。ハハッ、関係ないかな?」
ロメオが照れくさそうに笑う。
「いや、調査する価値はありそうだ。場所を教えてくれないか」
「いいですよ、案内します。どうせ二人とも、まだ戻らないだろうし」
「お仕事は大丈夫なのですか?」
ドミニクが気を遣う。
「え、仕事? あぁ・・・・・・さっきのは姉さんから避難しただけですよ。今日は元々、休みのつもりだったんです。兄さんが帰って来るから・・・・・・ロベルトさんが、そうしろって言ってくれたんです」
ロメオはそう言うと、コートと長剣を取りにさっきの部屋へと入っていった。




