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パチパチと、炎のくすぶる音が聞こえる。目覚めたばかりのぼやけた視界は朱と黒に染められていた。
夕焼けと血痕。
なんとか立ち上がって周囲を見回すと、遠くに見える山々と、村のはずれにある大樹が確認できた。
それは記憶の中の風景と一致する。
…ここは俺の住んでいた村なのか?
景色は全て一緒だった。けれど、目の前の光景は記憶とあまりに変わっていた。
その時、目の前に何かが現れた。それは美少女と形容してもよかった、空からやって来たのでなければ。
「やっほ〜」
場違いな軽い口調とソプラノの声。
唐突な事態に思考が停止して、それの登場になんの反応もできずにいる俺に追い打ちをかけるがごとく、それは勝手にゲームの説明を始めた。