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Antinomy  作者: アノ・ヒデ
3/4

第3話 Master and Apprentice

皆様いつもありがとうございます。


皆様はどうやってこの物語に辿り着いているのでしょうか??

読んでいただいてるのはすごく嬉しいのですが、なぜか気になります...


もしよかったらどうやって見つけてるか教えてください!。



話は変わりますが、私ヒデはナヘマが最推しでございます。

いずれこの物語がもっともっと有名になったら色々な好みが出てくるのだろうとにやけている毎日でございます。


ここ最近ちょっとだけ暑さも和らぎましたね。

熱中症にはまだ気をつけて食欲の秋を楽しみたいと思います。


松茸を食べたいのですが、貧乏なので椎茸を食べます。


アレオパゴス会議から数日後。


アレクは心に残っていた事があった。


「……僕は、弱かった」


周りの国の代表は凄まじいオーラを放ち、神々しかった。

それにも関わらず、自分は...。

母を救えず、ただ嘆くだけの存在。


アレクは自分にこの数日間問いかけ続けていた。


「自分がやるべきことは何か。」


「自分が得るべき物は何か。」


「自分が足りないことは何か。」


そして気づいたのである。


「最強という名の称号。即ち力だ。」と。


母を守る事も国を守ることも、「自分の理想郷を作る事も。」出来ない。


「強くならなければならない。」


「何がなんでももう負けない。そして誰よりも強くなってやる。」


そう誓った彼は、ミカエルを訪ねた。


「お願いします、ミカエル様。僕を……強くしてください」


「もう誰にも...もう誰にも負けたくないんです!!」


ミカエルは目を伏せ、しばし答えを探すように沈黙する。

 そして、哀しげに微笑んだ。


「アレク様……残念ですが、今の私では力が足りません。鍛えるのならきっと他に適任がいるでしょう。私では.....私ではあなたをを導く事は出来ない....」


アレクの胸に突き刺さる拒絶。


そしてどこか儚げで、喪失感に苛まれたミカエルがいた。


「お力になれず申し訳無い...」


「...い、いえ!。こちらこそ急に...その....すみません。」


それでも、彼は諦めることができなかった。

自室に戻り、独りで鍛錬の準備を始める。


一通りの鍛錬が終わると、食事を摂り就寝の準備をした。


そしてその夜明かりを消そうと視線を動かしたその時、アレクの前に突如現れたのは――レイだった。


「…」


アレク「うわああ!!ビビ、びっくりしたあ!」


 彼女は迷いなく告げる。


「明日から三日間、出かけるから。準備して」


「え……?」「で、出かける??」


 レイが名を呼ぶ。


「……ナナ」


突如アレクに部屋に光の門が浮かび上がる。


「どちらへ?」と、冷たい声が問う。


「カウィーのところへ」


「かしこまりました。知らせますか?」


「……うん」


 承認の声と共に門は開き、空間の向こうへと繋がった。


そしてアレクをじっと見つめ、声をかけた。


「....いきましょ。」


 レイはアレクの手を取り、迷うことなく踏み出す。


門を潜ったと思ったら視界が反転し、砂と鉄の匂いが押し寄せた。


そこは、荒涼としたアジヌ武装国家の大地。


目の前にはアジヌでは知らないものがいない戦士が待っていた。


「やぁ、レイ。今日はどうしたんだい?」


姿を現したのは褐色金髪の戦士――アル=カウィー。


 アジヌ最強戦力の男が、豪放に笑みを浮かべる。


「この子を、強くしてほしいの」


「……ええ!? アレクを!? お、俺が!?」


 面食らうカウィーに、レイは静かに頷いた。


「ミカエルに頼んでたみたいだけど、実力不足だって」


「なるほどなぁ……まぁ俺は構わんが、ザフラ様が許すかどうか――」


「……もう言ってある」


「げっ」


 渋々ながらも頷いたカウィーは明日からすぐに修行に移ると伝えてその場を去った。


そして翌日。


「なんでガキの子守りを俺がするかなぁ〜。ってか暑すぎだろ!!」


ぶつぶつ言いながらもアレクをアマル砂漠(世界最大の砂漠)の奥へ導いた。


そして同時にそこで呼ばれたのは創造者アル=バリ。


「いやー、悪いねバリー」


「全然いいっすよー! カウィーさんのためなら本望っす!」


「まぁ、俺のためじゃないんだけどね笑」


バリは快活に笑い、両手を掲げる。


「ハラーク!」


轟音と共に砂漠が変貌していく。

砦のような壁、訓練場の広場、数え切れぬ仕掛けが地面からせり上がった。


 さらに彼は続ける。


「――ワクフ!」


 時の流れが凍りつき、外界との境界が断たれる。

 ここは永遠に近い修練の場となった。


「はーい、できたっすよー!この中で使った時間の分だけこの術を使えなくなるんでよろしくっす!100年とかやったらマジでキレるんでおなしゃす!」


 バリが満面の笑みを浮かべた瞬間――


「おー、なかなかの出来だな!」


 どこからともなく現れたのは猫の姿のユディーだった。


「それだったらセフィロトも作れるんじゃなーい?」


「ひぃっ!」


 あまりの唐突さに、バリはその場で気絶。


「ユーディス様!急に出てきちゃ駄目だって!」


と、カウィーが慌てる。


「……あっ、ごめんごめん」


 どこか間の抜けたやり取りに、アレクは唖然とした。

 しかしその空気もすぐに引き締まる。


 カウィーはアレクを見据え、声を張り上げた。


「よし! ここで訓練をする! 三日間といったが、実際には五年分だ。時間停止(完全ではない)でな!」


「五年……!」


「最初の一年で邪念を捨てろ。三年で基本を叩き込む。最後の一年で応用だ。そして最後に、俺に一発入れられれば……お前の勝ちだ!」


アレクは拳を握り、震える息を吐いた。

母を救えなかった悔恨。

弱さを突きつけられた現実。

そのすべてを、ここで超えてみせる。


こうして、アレクの修練の日々が始まった。


レイ「....強くなって」


そう言い残すとレイはセフィロトへ守護者のメンテナンスと確認をする為に帰った。


砂漠を変貌させた壮大な訓練施設の内部は、外界とは隔絶された静謐な世界だった。

高天井のように広がる蒼穹には光源らしきものは見当たらない。

それでも柔らかな光が一面を照らし、まるで神の掌の上に在るかのような錯覚を与えた。


「よし、アレク。ここでお前を叩き直す。」


カウィーの声が低く響く。


その瞳は戦場の修羅そのもので、冗談ひとつ許さぬ厳しさを帯びていた。アレクは無意識に喉を鳴らす。


「……お願いします。」


言葉は震えていたが、瞳だけは真っ直ぐだった。

母を失い、無力を知り、なお立ち上がろうとする意志――その火をカウィーは確かに感じ取っていた。



第1段階 ― 邪念の除去


最初の一年、アレクは「戦う」ことを一切禁じられた。


一日中瞑想をさせられ続けた。


1週間がすぎた頃、カウィーが口を開いた。


外界にいる生物の大半が「気」のようなものを持っている。生命エネルギーとは全く別種のエネルギーだ。


しかしながら、それは人の先天的な才能と後天的な努力によって大きく変わり、一生発現しない者もいる。


私たちはそれを「アトモス」と読んでいる。


アトモスは通常色でその「練度」即ち強さが変わる。


大雑把に、

赤、橙、黄、白、青。


カウィー「青はこの世の中で一握りしかいない。私はその1人だ!がああっはっはー!」


「因みに私はこの長い人生でたった一度だけ紫色を纏うものを見た事がある!その時は死を覚悟したもんだ!あっはっはー」


アレクは今後が少し心配になった。


座禅、呼吸法、精神統一。何度も瞼を閉じ、自らの気を見つめる。



その光は火花を散らしながら赤くなっていた。

だが最初は揺らぎ、濁り、母を想起すれば容易く黒く染まった。


「……違う。戦いに憎しみを持ち込むな。お前の拳は、復讐ではない。ただ生きるためのものだ。」


カウィーの拳が何度も背を打つ。痛みはあったが、不思議と心は軽くなる。


そして半年が経った頃。


アレクの内面は雲一つない晴天のような心に変わっていた。


そして邪念を取り除く次の段階----


精神世界へと場面が変わった。


そこではアレクが生まれてからこの瞬間までに感じた感情の全てが一気に押し寄せるという過酷な試験だった。


初めは吐き、精神崩壊しかけ、頭を地面に打ち付けることもあった。


それでもアレクは修行をやめず、一年が経った。


一年の終わり、アレクのアトモスは澄み渡っていた。


その頃の彼のアトモスは橙色を放った。



第1段階 ― 基本動作の徹底


次の三年間は、容赦なき肉体訓練だった。


そしてその一年目


走り、跳び、打ち、避ける。カウィーは一切の手加減をせず、ただ叩き込む。


「遅いッ!それじゃあ戦場じゃ死んでる!」


拳が横を掠め、砂塵が舞う。

アレクは何度も倒れ、血を吐き、骨を折った。それでも時間停止の加護により、次の瞬間には立ち上がることができた。


繰り返す中で、体は徐々に戦闘のために最適化されていく。


目は速さを捉え、耳はわずかな風切りを拾い、筋肉は自然に応答するようになった。



第2段階 ― 応用と試練


2年目


カウィーは無言でアレクを訓練場中央に立たせると、拳を構えた。


「条件はひとつ。俺に――一撃入れてみせろ。」


アレクの心臓が跳ねた。


2年の修行の成果が試された。


両者の間に風が走り、砂が舞い上がる。

アレクは深く息を吸い込み、黄のアトモスを迸らせた。


「……行きます!」


全身の力を爆ぜさせ、カウィーに迫る。

だがその巨躯はまるで山脈。拳も蹴りも、軽くいなされてしまう。


――それでも諦めなかった。

何度打ち据えられ、吹き飛ばされても、アレクは立ち上がり、前へ進む。


やがて、カウィーの瞳にわずかな笑みが浮かんだ。


「そうだ……それでいいッ!」


アレクは全力を込めて跳躍し、拳を放った。


その拳をカウィーは手で受け止めた。


カウィーが初めて組んでいた腕を解いた瞬間、アレクはたまらなく嬉しく、そして今後の励みとして自信をつけた。



第3段階 ぶつかる師弟


修行も7割を過ぎた頃。


アレクのアトモスは洗練された黄緑色に変わっていた。


顔も体もすっかり大人びていたのだ。


アレク「この役4年で培ったものを全てぶつけます。」


カウィー「昨日もそれ言ってるぞ、アレク坊や」


アレクが少し口角を上げると、一瞬のうちにカウィーの目の前まで移動し、拳を振りかざしていた。


カウィーもいつからか赤色のアトモスを使い、アレクを育てていた。


大きく成長した姿に感動する反面、まだ足りないと感じたカウィーは刹那のタイミングで、アトモスを白色まで上げた。


そこから繰り出された深く、信じられない程重い一撃はアレクの腕を粉砕した。


「っがは!!」


粉砕された骨がアレクの内臓に刺さり吐血する。


カウィー「これが白色の人間が放つ一撃だ。アレク!お前はこれに相当する一撃を残りの1年で必ず出せ!」


アレクは加護によって治って行く体と共に言葉を放つ。


「がぁい!」


カウィー「いい返事だ!行くぞ!」


そして毎日毎日、来る日も来る日も死の淵を経験したアレクは最終日を迎えた。



カウィー「これで試練最終日だ。」


アレク「はい。」


そして両者は言葉を発さず静寂を感じていた。


するとゆっくりと滲むようにアトモスが灯る。


カウィーは雲ひとつない緑色。


アレクは限りなく青に近い緑「青翠」まで成長していた。


限界までアトモスを引き上げ、アレクが先に仕掛けた。


音を置いて行く程の速さでカウィーに迫る。


カウィーが笑いながら


「ほぉ!早くなったなぁー!!」


カウィーは緑で対応する事に楽しみを感じていると同時に冷や汗も出ていた。


カウィーの癖をアレクは見抜いていた。

右の蹴りの後、わずかに脇腹が空く、、、


そこに一撃入れようとする時右手の膝をガードに当てる!!


カウィーはわかっていたかのように、守りの体制をとるが、間に合わなかった。


すると凄まじい蹴りの一撃がカウィーの右首を捉えた。


「……よくやった。」


重い沈黙ののち、カウィーは拳を下ろした。

アレクの体は限界を超えて倒れ伏したが、その顔は静かな笑みに包まれていた。



「……はぁ、はぁっ……やっと……当たった……」

膝をつきながらアレクが苦笑する。


カウィーは大きな手で頬の血を拭い、肩を揺らして笑った。


「五年だ。たった一撃のために五年。効率が悪すぎるだろ、お前!」


「五年って言ったのカウィーさんじゃないですか!……絶対当てるって決めてたんです。」


アレクの言葉は震えていたが、瞳は燃えていた。


しばしの沈黙。

やがてカウィーはどっかと腰を下ろし、豪快に笑い出した。


「はははっ!馬鹿正直にも程がある!だが……そういう馬鹿が、戦場じゃ一番怖ぇんだ。」


「馬鹿って……カウィーさんに言われると褒め言葉に聞こえませんね。」


「いやいや!、褒めてんだよ。俺だって昔はそうだった。血反吐吐いて、立ち上がって……気付いたらまた戦ってた。」


「じゃあ、僕も少しは近づけましたか?」


カウィーは腕を組み、わざとらしく渋い顔をする。


「んー……まあ、俺の足元ぐらいにはなったかな。」


「足元、ですか……せめて背中ぐらいにしてほしかったです。」


アレクが拗ねるように言うと、カウィーは喉を鳴らして笑い、拳をアレクの胸に軽くコツンと当てた。


「これからだ。背中に追いつき、追い越せ。その時――俺は笑ってやる。」


アレクは胸の奥に熱いものを抱きながら、深く頷いた。


「……よくやったな、坊主。」


カウィーは空を見上げ、まるで五年という時間を噛み締めるように息を吐いた。


「よし!最後だ!カオスピアを構えろ。」


「え、カオスピアですか?」


「一発だ!アトモスを練り上げてカオスピアに込めて最大の一発を俺に打て。」


「わ、わかりました。」


アレクは腰を落としカオスピアを構え、アトモスを練り上げた。


「じわじわと熱気の様に......いま!!!」


洗練されたアトモスでカオスピアにエネルギーを込めた。


「やべぇな。こんなのまともに食らったら体が吹き飛んじまうぜ。」


手をクロスさせて受けの体制になったカウィーを目掛けてアレクが渾身の勢いでエネルギー砲を放った。


「やべっ死ぬ!!!」


カウィーはアトモスを一瞬で最大まで高めて受けた。


その威力は本気で受けたカウィーの片腕を飛ばしてしまうほどだった。


すると遠目から見ていたユディーが口を開いた。


「へぇー僕の半分ぐらいは威力でてるじゃん?。まだまだ未熟だけどー!5年では頑張った方だねー」


癪に障る言い方だが、これはユディー、すなわちユーディスが褒めたことになる。


アレクは放った直後からずっと自分が信じられずただ立ちすくんでいた。


「こ、こんな、い、威力で...」


「まぁまぁ!これで修行は終わりだ!休め。今日はもう、何も考えるな。」


アレクは意識を手放す寸前、うっすらと笑みを浮かべた。

――届いた。僕の全力が。

そう思ったまま深い眠りに落ちていった。


カウィーは立ち上がり、広大な訓練場を見渡す。


時間停止の結界に包まれたこの空間では、外界の時はほとんど進んでいない。

だが、結界を解いた瞬間――現実が迫る事を知る由もなかった。



場面は現実世界、クラティア。

各国境付近で異様な揺らぎ「ヴォイド」が発生していた。


大地を侵食する青黒い亀裂、空間を食い破るように生じた穴から、夥しい数のスメルトが湧き出す。


市民の避難を導く天使たち。

治療に奔走する者、結界を維持する者。

故に前線に立てるのは――ミカエルただ一人だった。


「……これ以上は、一歩も通させない!」

光の剣を振るい、押し寄せるスメルトを薙ぎ払う。


しかし、その波は止まらない。

さらに、裂け目の中からヴォイド災害のコアである存在――ネクロイが現れる。


先日の個体とはまた違った姿形をしていた。


正方形のブロック型の個体だった。


ミカエルが遠方から斬撃を容赦なく浴びせるがその攻撃はネクロイに傷を与えられなかった。


するとネクロイのミカエル側の面に無数の目と中央に口が出てきた。


口の中で信じられないほどのエネルギーを溜めている。


「...嘘だ....あの時のアレク様の一撃の比じゃない...!」


「ガブリエル達!!死ぬ気でエネルギー防御壁を構えろ!死ぬ気で守れええ!!!!」


ミカエルは渾身の声で他の天使へと伝えると自分も防御壁を構え受けようとした。


ネクロイのギョロギョロしていた無数の目が一斉にミカエルを見つめ、瞬きをした瞬間に口からエネルギーを射出した。


その一撃は大地を抉り、結界を歪ませ、かろうじてミカエルたちが保っていた均衡を一気に崩していった。


「ぐっ……!」


ミカエルの膝が沈む。

彼は歯を食いしばり、心の中で叫んだ。


(私は……まだ半分の力しか持たない……!だが、ここで退くわけには……!)


「やるしかない...。」




「――ホーリーモード。」


体を蝕むと知りながらも、ミカエルは発動を決意する。


「ミカエル姉様!!!やめて!!!!」


ガブリエルがボロボロの体で叫んでいた。

ラファエルも涙ぐみながら叫んでいた。


天使たちが止める声も聞かず、ミカエルは光を纏いかけたその瞬間。


空を裂いて、青翠閃光が降り注いだ。


ズドォォォン――!


地面に叩きつけられた衝撃が、スメルトをまとめて吹き飛ばす。

その中心に立っていたのは――


「……遅れてすみません。」


緑に限りなく青く染まったアトモスを纏うアレク。

その姿を見て、ミカエルは思わず一瞬、敵と錯覚した。


「っアレク……様!? ですか!?!?……」


「お久しぶりです。いや3日ぶり。でしょうか」


こんな状況でも微笑んでいたアレクにミカエルは希望を抱く。

そして見違えるほど大きくなったアレクと共に、ミカエルは覚悟を決め、再度ネクロイへと体を向ける。

読んで頂きありがとうございました。


次回は熱々ですね!


修行したアレク君はどれほど強くなったのでしょうか。

ミカエルはそれを見てどう思うか。


そして暗躍している人物も??


次回も宜しくお願い致します!


しいたけ!!

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