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シスター、ドラマにハマる。

あれからというものの俺の首は胴体から切断されることもめっきり減った。

シスターはあれからツイッター廃人と化している。

カードゲームは辞めたらしい。

まぁ無難な選択だ。

だが俺が言うのもなんだが健康的人間が1日中家に引きこもって

スマホいじりたおしてるのもあまりに不健全すぎてみてて

こっちが苦しくなってくる。


というもののこちらからなんの声をかけていいものかもわからず

とりあえずちゃんと服は着替えるようになったし

強いて言えば流石に床に寝かせておくわけにもいかず

ここ最近はずっとこちとらソファで寝ているんだが

最初のうちは体が痛くてしょうもなかったのがなれてしまったのが悲しい。


そこらへんは神の力とやらでぱぱっと部屋と飯ぐらいなんとかなればな。と

思うことは多々あるのだが、まぁ当人が貧乏暮らししてるのを見てて

いう気にもなれなかった。


まぁこっちも自分が生活しているのが手一杯なので仕方がない。

そう思いつつも、今日はいつもとちょっと違う気分であり

学生時代に見ていたドラマの名シーンなどをYoutubeで眺めていた。


そんなときであった。




「今日は珍しくアニメ、ではなく……実写?」

「これはドラマだな。平たく言うと演劇だ」

「なるほど、演劇ですか……てっきり貴方は人間に興味がないのかと思ってましたわ」

「おいおい、いくらアニメばっか見てるって言っても人間に興味がないは言いすぎだろ」

「しかし貴方の生活を見ているにほとんど外にもいかず

 人との交流もなく、私にすらほとんど話しかけないじゃないですか」


それはそうだ、こちとら心身ともにボロボロの身だ。

本当ならば人と顔を合わせるのもしんどいのが正直なところだ。


そんな気持ちが表面化したのかわからないが若い頃に見たドラマの動画に

目が惹きつけられたのだ。


「ちょっとー聞いてますか?」

「ああ、聞いてるよ」

「私にもなにかおすすめのドラマ? ってやつ教えてくれませんか?」


何だドラマに興味を持ったのか?

神の使い様でも人間の戯言を固めて作ったようなドラマでも興味を引くものなのかねぇ。

と思いつつもなにか良いものが……。


ちなみに今見ているのは踊る大捜査線だ。

1000%こいつに見せてはいけない類のドラマだと思う。

こいつが青島化したら日本は血の海になる。

お台場は血の海に沈むことになるだろう……。


何気なく検索しつつ探していると一つの作品で彼女は俺のスマホに指を当てて止めた。


「この作品はなんですか? 全員白い服を着て歩いているのは随分特徴的ですね」

「ああ……白い巨塔か。 これは医者だ。 医者見たこと無いのか?」

「お医者様は見たことがあります。 しかしこのように大勢が整列して歩くものなのですか?」


うーん……白い巨塔かぁ。

釈迦に説法というか、月にすっぽんというか。

神の使いに見せるにしては俗物的すぎるし

彼女の知識水準でみるにはハイレベルすぎて見ても意味がわからない気がする。


正直やまとなでしこあたりでも見せておいたほうが

喜劇として楽しく見れるのではないだろうか。


「この作品はどこで見れますか?」

「うーんこのドラマ結構内容難しいぞ? 見ててた幾つになるかもしれないし

 もっと単純なものを……」

「いえ、これがいいです、見る方法はありませんか?」


まぁ当人が見たいと言うなら好きなものを見ればいい。

あとは軽く見る方法を調べてみると、どうやらFODに加入すれば見れるようだ。

多分フジテレビ系列のドラマ専用チャンネルと言ったところか?


「一応このサイトに登録すればいいっぽい。月額1000円程度だな」

「結構しますね……まぁ一月の間だけ支払ってみますわ」


こいつなんか日本語通じねー所多々あるんだが、金銭感覚だけはマッチしてるの

絶妙になんとも言えん気分になるわ、喜んでいいんだか悪いんだか。


まぁそれからというものの彼女はまるで夢中になるかのように

白い巨塔を見まくっていた。

あまりに1日中みてるものだから耳にアメイジング・グレイスがこびりついてしまった。


とはいえまぁ自分も嫌いな作品ではないから嫌な気分はしなかったが。


一日になんども白い巨塔について話すこともでるようになった。


「この作品はなんというか……私の立場としてはけしからんと言いたい所が多いのですが」

「まぁそうだろうな……」

「この財前五郎の義理のお父様……、彼からはとても強い無償の愛を感じますわ」

「無償ってのも変な話だけどな、実弾とか言って金ばらまきまくってるからな」

「でもこの作品の中で最も主人公を手放しで応援し続けてる人物ですわ」


確かになぁ。

というか人間のある意味闇の部分を描いた作品について

神の使いから感想をもらうというある意味得難い体験をしているな俺。

まぁ俺が書いた作品ではないのだが。




そしてそろそろ財前五郎のセリフを諳んじられるレベルに到達した時点で1ヶ月が経過した。

すると突然彼女は前触れもなく歌い始めた。


「Amazing grace . how sweet the sound ~」




まるでそれは天使の歌声……。





()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。


「やめーや! 近所迷惑で怒られる~!」

「えぇーなんでですかぁ、私これが歌いたくてずっと見てたんですよぉ」

「このボロアパートでそんなでかい声出すな、普通に騒音だ」

「私の1000円がぁ、じゃあ1000円返してください!」

「そんな金があれば苦労はない……」


なお、その後数週間、近所の河原に地獄のような讃美歌を歌う女の幽霊がでるという噂が経ったのは

また別の話。



白い巨塔また見たくなってなんか書いてしまった。

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