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2話  「3年後の君へ」

2話 3年後の君へ


何で私はあの時君に似ていたあの夢の人を‥‥‥‥




朝起きた時私は泣いていた。


夢で泣くのは初めての経験だったから私自身凄く驚いた。


とても気になったが「気にしても仕方がない」と自分に言い聞かせた。


そしていつも通り朝食を食べ母さんと父さんに「行ってきます」と伝え学校に向かった。


ふと学校に向かう最中に夢の内容を思い出す。



「あの夢に出てきた人」


「昨日見た動画のアイドルの人に似てる。」


「でも夢の人はもう少し年齢が上の人に見えた。」


「うーん。似てるけどただの夢だしなぁ。」


「気になるなぁ!」



と考えながら学校に向かっていると後ろから走ってきた親友から背中を軽く叩かれた。



「よ!」


「かおる。」


「おはよう」



かおるはびっくりして叫んだ。



「うわぁぁあぁ!」



親友はかおるのオーバーなリアクションを見ていつも通りニヤニヤする。


そしてかおるも親友の背中を軽く叩いた。



「てぃ!」



親友は笑顔で受け止めてくれた。


親友と私のいつも通りの朝の日常


‥‥だと私はこの時思っていた。


しかし誰が見ても2人はいつも通りの日常に見えたに違いない。


だけど運命はとても残酷だった。


この時親友は‥‥


前日の夕方に父親をある病気で亡くしていた。


だけど親友は気にする私の性格を知っていたがゆえに私に気を遣い、いつも通りのままでいてくれた。


何故私に相談をしなかったのか分からなかった。


出来たら少しでも相談して欲しかった。


その事実を知ったのが葬式が終わった一か月後だった。


私はその話を親友の母親から聞いた時に自分に失望した。


保育園からの付き合いで学校ではいつもつるんでいた。


だけどあの日‥‥


親友の無理をしたあの日の笑顔


私は何も気づかなかった。


とても悲しかった。


しかし私はこれでは駄目だと思った。


それから人の表情や話し方をよく観察しその人の内面的な気持ちをわかる様に努力した。


それから親友の母親から聞いた親友と父親の件から、私は気にする性格から、周囲の表情や内面をよく観察する性格に少しずつ変わっていった。


そして親友と私はそのまま学校に通学しいつも通り授業を受ける。


昼休憩にふと親友と友達に断片的にだが昨日見た夢の内容を

伝えた。


すると2人から驚きの言葉が出て私は驚いた。



「それ、これから起こる事じゃね。」


「予知夢とかなんとかあるからなぁ」



親友は真剣にこう答えた。



「もしかしてあれじゃね。」


「ほら入れ替わりが何とかそんな話聞いた事ある。」


「夢で男同士や女同士、異性同士が入れ替わった。」


「そんな話聞いた事ある。」


「ウチはそんな夢見たことあるし、なんか昔にそんな話聞いた事あるような‥」


「でも夢は夢なんだし気にしすぎだよ。」



友人は笑いながら答えた。



「確かに夢は夢なんだし気にしすぎだよね」



私は無理に納得したが、結局2人の話を聞いて余計に気になり、後半の授業は断片的な夢の内容を忘れられず集中出来なかった。


結局ムズムズした感情を抑えられずその日は部活が休みだったのではやく帰宅した。


友人達と遊びに行く予定だったが、昨日インターネットで見たあのアイドルの動画と夢が気になったのでその日は遊ばなかった。


そしていつも通り宿題を終えてあのアイドルの動画を少し見ることにした。



「うーん。」


「似てるなぁ」


「でも年齢が少し違うんだよなぁ。」


「もしかして動画見たから脳が記憶して夢で見ただけかなぁ。」



しかし私はここで納得した。



「前日に意識したことが夢で見ることはよくあるし、やっぱり気にしすぎだった。」


「それにしても、動画の企画内容面白すぎる。」


「アイドルにも自分で企画内容考えている人もいるんだなぁ。」


「うわー。トーク力も天才だ。」


「コメント欄も見てみよ。」



コメント欄はとても良いものだった。



「貴方には元気を貰える。」


「天才だ。」


「動画の企画構成力。凄すぎる。」



私はコメント欄を見て「確かに」と思った。



「だけどやっぱり夢の内容は気にしすぎだった。」



私は考えすぎていたと動画を見て思った。


それから一か月間親友の母親から親友の父親の話を聞くまで

私はこのアイドルの動画は関連動画ぐらいをたまに見るぐらいであまり見なかった。


だけど私はこの時点では気づかなかった。


親友の心の胸の内を知らなかったのと同じ様にこのアイドルの心の胸の内側を‥‥‥‥


もし親友の母親から話を聞く前に親友の様子に気づく事が出来ていれば君も‥‥


そして考えすぎていたと納得した私は明日の授業の用意と部活の用意をして眠りについた。


この日は夢を見なかった。  


だけど目を覚まし意識がはっきりする前に私は大きな声でこう叫んだ。



「ごめんなさい。」


「あれは君だったんだ。」

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