南アメリカ②
ここアルゼンチンでは、小麦、トウモロコシ、牛肉、ワイン、大豆をメインに開発が始まった。
ダムを建設して、水力発電で電気をまかない、溜まった水は用水路に引き込んだ。
この川はよく氾濫する川だった。
少しは氾濫防止になるだろうか・・・
用水路の行き先に、大きな人工湖も作っておけば貯水の役目にもなるだろう。
ブルドーザーが農地になる土地を、平地にする為に土を押出して整地にしていた。
ショベルカーは、用水路を掘り起こしていた。
「リンデ君、もっと深く掘ってくれ」
「わかりました。おやかた」
何台かのショベルカーが、同じように用水路を掘っている。
すでに整地された土地には、トラクターが走って耕している。
「ビアン、ひるめしよーー」
「いまゆくよーー」
「このにぎりめしは、うまいなー」
「そうよ、わたしのあいじょうがこもっているからよ」
ここアルゼンチンでは、機械化が進み現地の言葉では説明が難しく、上手く説明が出来なかった。
なので日本語を共通語と決めて、日頃から使っている。
勿論、現地言葉を使ってもOKだ。
放牧された但馬牛は、のんびりと草を食っていた。
後1年経てば、りっぱな霜降り牛になるだろう。
「コタロウ、ここの草がおいしよ」
「モーー、モーー」
「おいしいかい」
「ミーヤ、あんたのお気にいりは、げんきだねーー」
「うん、コトロウはかしこいんだよ」
アルゼンチンには、塩湖があった。
塩湖とは、塩水が溜まった湖だ。そこからリチウムが取れるのだ。
リチウムなら、リチウム電池が作れる。
今までは、普通の電池を使用していたが、リチウム電池なら小型化が出来る。
本来、海からも作れるが、錬金術でも手間がかかる工程だった。
だからしなかった。勿論、金も取り出すことが出来る。
そしてリチウムは、リチウム6およびリチウム7に中性子を照射することでトリチウムの生産が出来た。
このような単独でのトリチウム生産に役立つのみならず、重水素化リチウムの形で水素爆弾の固体核融合燃料にも使われた。
そんな物騒な物は作らないが・・・
ちなみに美濃国にウランがあった。すでに亜空間収納に収納されている。
又もサッカー大会が始まった。
何処で聞き出したのか、サッカーに夢中になってサッカーボールを蹴りまくっていた。
広い野原で線を引いて、サッカーボールがあれば誰でも出来る。
あっちこっちでチビッ子が、蹴って遊んでいた。
サッカー場を建設して、大勢の観客が入っていた。
そうだ、アルゼンチンは確かサッカー大国だった。
FIFAワールドカップ出場の常連国で、優勝もしていた。
だからこんなに人気があるのか・・・そうな気質を持っているのかも・・・
ああ!サッカー場で、選手が1人を抜き、2人、3人、4人を抜いてゴールを決めた。
会場が沸きに沸いている。
俺の隣に座っている権助が、皆と一緒に飛跳ねていた。
ああ成る程、向こうの客席でも人によるウエーブを飛跳ねて表現していた。
やっている権助の顔が笑っている。
そして呆れた顔で見ていた俺に気付き「申し訳ありません」とあやまった。
「気にするな、好きなようにして楽しめばいい」
「そうですかそれでは、その言葉に甘えさせてもらいます」
そう言って、又も飛跳ねていた。
今度は、ゴール前でオーバーヘッドキックでボールが蹴られた。
ゴールキーパーが飛び付くが、間に合わない。ゴールが決まってしまった。
悔しがるキーパーは、空をあおぎみた。
これで1対1だ。いよいよ面白くなってきた。
この大会の優勝チームが、ペルーとコロンビアの優勝チームと戦う話がすでに決まっている。
なぜに、こんなに盛り上がるのだ。
ここアルゼンチンでも、国王を決める選挙が始まった。
20人もの立候補者で乱立している。
高い供託金を払ってまで、立候補している。
中には一か八かの、人生を掛けて立候補している。
当選すれば、国王になれるから真剣だ。
なんやかんやして、俺が国王になった。
中には悪質な妨害をする奴まで出てきた。
そんな奴は、俺がコテンパンにしてやった。
今、大通りをパレードをしている。
俺は、物凄く恥ずかしい。
知らない間に決められて、準備も整っている。
ここで中止には出来ない。周りの応援に答えなくてはいけない。
馬車に乗って、手を振って、大通りをパカパカと通っていた。
「国王万歳!万歳!」
顔を赤くして、ただ座るだけだった。
「ばんざい、ばんざい」
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