明への遠征
又もや果心居士が現れて、明(中国)の港に南蛮船が3ヶ所に分かれて停泊していることを知らせてきた。
その場所の名前を聞いたが、知らない名で中国の何処の場所なのかも分からない。
この時代の呼び名など分かるはずが無い。
果心居士に、地図を描いて貰ったが、地図と呼べるレベルでなかった。
果心居士にも分からない物があるらしいと、笑ってしまった。
それに対して、凄く怒り出した。
仕方ないので、俺が知っている世界地図を描いてやった。
果心居士は、食い入るように見ていた。
「ここがアフリカで、肌が黒い人が居るんだよ」
「なんと・・・」
「ここが南極で、氷の世界が広がっているんだ」
「氷・・・」
「そうだよ。一年中凍った世界で、魚を釣り上げるとすぐに凍ってしまう世界だよ」
そして、徹夜で話し込んでしまった。
本郷水軍を引き連れて、出航して向かうことにした。
中国大陸に近づくに従い、俺の表示にようやく現れた。
最初に見付けた港には、12隻が停泊中だった。
向こうから見えない位置で上陸して、忍者隊は中国人と交渉して服装に着替えて潜入。
そして、夕暮れに紛れ込むように南蛮船へ忍び込んだ。
麻酔弾を仕掛けて、すぐにその場を離れた。
しばらくして麻酔ガスが消えた頃に、再度忍び込んで船員を縛り上げた。
それは、残りの11隻の船員も同じように縛り上げた。
船内にあった手紙には、銀や黄金を手土産にして帰って来いと国王の名で書かれていた。
翌日には、1隻に対して通訳の忍者1人と兵20人で日本に向けて出航。
スペインの船員は、拘束具で不自由な動きであるが、帆船を操りながら従っている。
これで、本格的に帆船の技術が手に入った。
それに帆船までも手に入れられた。
そんな12隻を見送って、次の獲物の場所へ向かった。
「×××、×××××」
「何を言っているだ」
「命だけは、助けてくれ、と言ってます」
「次の停泊位置まで案内するなら、助けると言ってやれ」
「××××、××××××××」
次の停泊していた数は、20隻。
湾内に入れなかった船は、近場で停泊している。
中国人に命令して、食料や水を運び込んでいた。
1人の中国人がバランスを崩して、麻袋をぶちまけた。
「×××、××××××××」と怒鳴って、倒れた中国人の腹を蹴っていた。
そんな中国人を見ながら、他の中国人はもくもくと働いている。
そして、夜が訪れた頃に作戦が始まった。
眠った船員は、縛られても起きない状態だ。
翌日には、又も日本へ向けて出航していった。
「殿、後1ヶ所だけです」
「船長も分かっているな」
「場所も分かっています」
「それなら出航しようか・・・」
ポルトガルの船が停泊している。
やはり、帆船の形が微妙に違っている。
スペインの船長の話だと、スペイン船が来るのを待っているらしい。
そして、月夜の中で『眠らせ作戦』が決行された。
もう慣れた忍者隊は手早い動きで、縛り上げていた。
そして、1隻の船内から『日本分割地図』を発見。
スペインが九州と本州の6割で、ポルトガルが四国と本州の4割と決められていた。
蝦夷の情報は無いみたいで、何故か助かった気分だった。
「何か、外が騒がしいなーー」
「見て来ます」と忍者の青丸が素早く出て行った。
「殿、ポルトガル人の数人が中国人の娘を犯したそうです。ここの有力者の娘で凄く怒ってます」
「引き渡せ・・・」
「引き渡すのですか?」
「そうだ、自分自身でやったことに対して、それなりの罰を受けるべきだ」
「分かりました」
数人のポルトガル人が大勢の中国人に連れられて、遠くから悲鳴が聞こえていた。
「船長、出航だ」
そして、この港で明王朝の情報が手に入った。
モンゴルの侵攻に明は悩まされていた。
14年前には、北京が包囲されたことがあったらしい。
なので南蛮人に好き勝手に港を使われていた。
情けない話だ。
明は長くないかも知れない。
明の次の王朝は確か・・・清だ。
韓国のドラマで出てくる女真族が、17世紀に清を建国するはずだ。
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