表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/100

蝦夷の土産




巨大に輸送船が入港している。

北海道(蝦夷えぞ)からの輸送船で、その船で明智光秀も乗って帰って来ているはずだ。

大型クレーンによって冷凍された毛ガニが、鉄製のカゴに一杯のまま吊るされて陸に降ろされていた。

荷台に載ったカゴは、急いで冷凍庫へと運ばれだしている。


「道を開けろ。カニが通るのを邪魔するな!!」


威勢いせいのいい男の声が響き渡っている。

中には、そんな連中とケンカする者まで現れていた。


「お前こそ邪魔するなーー」


そんなケンカしている連中の横には、冷凍されたホタテの貝柱が一杯に入っていた。

その向こうには、ジャガイモが大量に積まれている。

俺が、種芋を渡したのが順調に育ったようだ。

そして俺の目の前では、トウモロコシが詰まった麻袋を担いで、送り先へと仕分けしてりた。

送り先には、京や九州方面の前線基地と書かれていた。


「殿、あのカニにトゲが一杯に生えてます。あのカニは食べるのですか?」


「ああ、食べると美味しいぞ。今晩の食事には出すように言っておくよ」


「あら・・・ありがとう御座います」




「殿!!只今戻って参りました」


すがすがしい声がした方を向くと、明智光秀が数人を引き連れて手を振っている。

そして、駆け出して向かってくる。

歳は50を過ぎているのに、なんと若々しい行動だ。

俺の所に来た時には、連れられた若者の方が息を切らしている。


そんな光秀は、北海道のことをあれこれと話だして中々止まらない。


「光秀殿、ここでは何かとうるさいと思いまする、どうか殿と一緒に城へ参りましょう」


「は!!申し訳ありませぬ・・・」


頭をかきながらついて来た。




天守閣から眺めていた光秀が、ぽつりと呟いた。


「ここからの見晴らしに比べれば、人とはちっぽけで御座いますなーー。蝦夷えぞを見て歩き回ってつくづくと思いました」


どうやら、自然の北海道を満喫まんきつして世界観が変わったようだ。


「寒い蝦夷は、辛かっただろう。今度、大和国やまとのくにを貰うことになった。蝦夷にとどまるか大和の代官として赴くか、好きな方を選べ」


「それでは、蝦夷でお願い申し上げます」


「蝦夷が好きになったか?」


「好きになりました」


「分かった。任せたぞ」


「ははーー」



明智光秀を交えて、夕食を食べていた。

お膳には、『毛ガニの甲羅盛り』が出て来た。


静香は、口いっぱいに入れて食べている。

もう無言で2匹目だ。


光秀は、毛ガニを器用にきながら食べていた。

カラになった毛ガニは5匹で、食べっぷりは半端ない。


なので会話は弾まない。

俺は、七輪の網にのせて焼いた毛ガニを、はじめて箸をつけて食べていた。






急に目が覚めた。

静まり返った夜の部屋には、静香に寝息の音が「スー、スー、スー」としかしなかった。

急に淡い気配が感じた。


果心居士かしんこじで御座います』


微かに声だけが聞こえてきた。


「何か用か・・・」


『ポルトガルとスペインの連合軍が向かっています』


「え!・・・何故その情報を・・・」


『後、1ヶ月で到着するでしょう』


淡い気配が急に消えてしまった。

まさに化け物だ。




もし面白ければ。

下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。


良ければ5点、悪い1点でもお願いします。


気になる方は、ブックマークを付けて下さい。

書く為の応援をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 最近レベルアップしていない…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ