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ポルトガルとスペイン




白浜城では、深刻な面持ちの伊賀者と甲賀者の棟梁とうりょうが、報告をしていた。


「それは、真のことなのか・・・」


「真で御座います。南蛮人は宗教弾圧だと本国に知らせて、本国に日本を攻めるように仕向けています」


「しかし、それでも本国が大勢の船で攻めるとは限らぬ・・・」


「余りにも日本をあなどっている」


「南蛮人は、九州での成功が邪魔されたと思っているようで、今川の実力を余りにも知らないようです」


「南蛮人の通行や入港も早い段階で、俺が止めたからか・・・対馬での商売は順調のはずだったが」


備前や筑前は、今でも密貿易を繰り返しているらしい。

その為に、偏った情報を真に受けてしまった。


『バテレンの信者は殺される』とそんな嘘の話が、九州ではうわさされている。

そんな、殺すなんて一言も言っていないのに・・・


「その方、その情報は何処で仕入れてきたのだ」


「南蛮人同士が話し合っているのを聞きました」


そして、盗んだ手紙を手渡してきた。


「もしかして、その言葉を理解しているのか・・・」


「ポルトガル語とスペイン語はすでに取得しています」


なんと、俺自身も知らない2つの言語を理解しているらしい。

忍者とは恐ろしいと、再確認してしまった。


しかし良い機会だ。忍者に辞書や教科書を作らせてみよう。

あれこれ考えていた。


「殿、聞いていますか?」


はっとして、皆を見渡した。


竹中半兵衛と山田のおっさんがきつい目で見ていた。


「もっと確かな情報を集めてくれ。日本の未来が掛かっているのだ。頼むぞ」


「はは」と2人が同時に返事して、さっそうと出て行った。




竹中半兵衛が、さささと近づき聞いてきた。


「殿、異国が攻め寄せた場合は、勝てますか?」


「もしかしたらポルトガルとスペインの2国と戦うかもしれないが、勝てるだろう」


「勝算がお有りのようで助かり申した。異国の知識が無いのでどうしたものかと考えました」


「軍師が情けないぞ」


「殿、相手を知らずに勝てましょうか?」


半兵衛の眼がキラリと光ったような気がした。


「殿、水軍を増やす必要が出て参りましたな」


「そうだな・・・」


「それでは、村上水軍をこちらに引き取って良いですね」


「京へ行って、相談して来てくれ。誰に相談するか分かっているな」


「聞くに及ばず」


すくっと立ち上がると、「御免」っと言って出て行った。

後姿は、背筋が伸びて勇ましく思えた。


太原雪斎の後継者とも噂されるようにもなった。

それに、ちょくちょくと雪斎の屋敷へも訪問している。


もしも、太原雪斎が亡くなった場合は、今川の殿様へ差出す羽目になりそうだ。

前に、そんな相談事を聞かされたのを思い出していた。




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