表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/100

アパレル




紀伊と伊勢で、ようやくくわが広く栽培されるようになった。

桑は、俺の植物魔法でかいこに充分な栄養を与える桑に成長。

それに従い蚕の数も増えていった。

綿と絹を合わせて、俺の号令の下で大改革が行なわれた。


まさにアパレルの分業制への改革だ。

   

桑を専門に栽培する桑農業。

   ↓

蚕の品種改良を行い、蚕に産卵させた台紙(蚕紙)を製造し、出荷する蚕種製造業さんしゅせいぞうぎょう

   ↓

そこから蚕の種を購入して繭を作らせる養蚕業ようさんぎょう

   ↓

できたまゆの品質を検査する検査機関。

   ↓

繭を購入して糸を紡ぐ製糸業。

ここでは水蒸気を使って、繰糸機などを動かしている。

まさに産業革命の先取りだ。それによって女性の働き場が一気に増えた。

   ↓

作られた生糸の品質をチェックする検査機関。

   ↓

生糸を購入して撚糸業者ねんしぎょうしゃに販売する生糸商社。

   ↓

繊維に織るために糸にりをかけて、指定の太さの糸を作る撚糸業。

   ↓

糸を染めて色を付ける染色業せんしょくぎょう

この戦国時代は色にはうるさかった。強さを引き立てる赤が武将から好まれた。


紅花で染められた今様色いまよういろは濃い赤色。

紅花を大量に使って染めたもので、単価的にも高い。

それに対して、少ない紅花で染めた場合は淡い色になる。

紅花は、黄色い花なのに赤く染まる花であった。


草木染めには色々とあった。

春は桜の木染、夏はあいの生葉染、秋は柿しぶ染、冬は玉ねぎ染と季節ごとに染めている。


草木染めの代表といえば『藍』だ。

藍そのものを育てるのは非常に簡単で、非常に強い植物なので 「雑草だ!!」 と思えば、それほど神経質にならなくても、水さえやっていればグングンと育つ。

藍を天日干しで乾燥させて、大瓶おおがめに藍と水を加えて発酵させ熟成させる。

そして何度も漬け込んで絞って、空気に触れさせる。

天日干しで乾かして染め直す。回数を重ねる度に色が濃くなるのが特徴。

   ↓

完成した糸をつかって、繊維を織る織物業おりものぎょう

ここでは、従来の手織りで織ってゆく業者。


そして、機械科が独自に開発した。モーター動力で動く力織機りきしょっき

早い話が機械で布を勝手に織ってくれる。

たまに糸が切れてストップするが仕方ない。

これもストップするように、安全装置を付けた結果だ。

   ↓

出来た布に対して染める染色業。

手書き染め、型染め、絞りなどがある。

   ↓

完成した反物や布を販売する呉服商。

この段階で、各地に売り出される。今も飛ぶように売れている。

我が領土の特産物として賑わっている。

   ↓

独自にデザインされた既製服を作る服屋。

従来の和服や、俺が書き上げた型紙をつかった洋服。

布を裁断して裁縫して衣服を作る針仕事。

今は我が領内に限定されている。

   ↓

完成した繊維製品・衣料品などを販売する小売店。

これも我が領内に限定されている。




静香を伴ない、城下をぶらぶらしていると『曼陀羅屋まんだらや』の看板をぶら下げた店で、長い列が続いていた。


「あれは、なんでしょう」


「佐吉、あれはなんなんだ」


「あれで御座いますか、殿が着ていたジャージなるものが売り出されています。特に人気なのが赤いジャージです」


「ジャージを売っている・・・俺のと静香のジャージを買って来てくれ」


「佐助、殿と奥方様の寸法は知っているな、買ってくるように」


「はは」と言って店の中へ入って行く。


順番を守らないのかと、一瞬思ったが佐助を怒るのも大人気ない。


「殿、今様色や赤系は売り切れてありません。仕方なしに藍色を買って来ました」


「これがジャージか、少しファスナー部がかたいな」


銅製で作られたファスナーで、知らないうちに作られていた。

誰が作ったんだ・・・


「静香にも、きっと似合うよ」


「そうですか・・・」


なんだ、顔が赤みかかっている。

恥ずかしいのか、確かに着ると体のラインがしっかり出てしまう。

それもいいかも・・・




そして、左の店を見るとジーンズ専用の店もあった。

これも俺が、綿100%で藍染で作ったものが、知らない間に流行ってしまった。


通行する町人の中には、ジーンズをはいて着物を羽織ってなびかせている奴を見かけた。

着物の背中には、火消しマークの丸に『い』の字。

歩く姿はヤクザそのものだ。


やっぱり道端で、『ろ』の字の男とにらみあっている。


「おいおい、ここはろ組の縄張りだ。さっさと出て行け」


「何をいいやがる。ここは天下の大通り誰が歩こうが、文句をいわれる筋合いは無いね」


やはり佐助が飛び出して、叱り付けている。


「バカ野郎、こんなところで騒ぐな」


そんなことを言いながら、1人を蹴り倒してもう1人を殴り倒している。


「佐吉、早くとめろ。佐助は手加減てかげんちゅうものを知らん」


佐吉も飛び出して、佐助の肩を掴んで振向かせると平手で思いきりビンタをかました。

踏ん張った佐助は、「なにするんだよ兄ちゃん」と言い放った。


「お前らもさっさとゆけ。こんなことは二度目は無いぞ」


「すいません。田中さま」


2人して逃げるように去ってゆく。

やはり火消しの職業は、気性の激しい性格なのだろう。

今度、火消しに対して注意事項でも書こうか・・・


「佐吉は、い組の若い奴を知っているのか・・・」


「知ってますよ。あいつの父親は、火事で亡くなっています。その父親がまたすごい男で、自分の家が原因で火を出した。申し訳ないって、自分の蔵に自ら火を放ち、その中で死んだ男です」


「それなのに火消しになったのか・・・だからなったのか?」




もし面白ければ。

下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。


良ければ5点、悪い1点でもお願いします。


気になる方は、ブックマークを付けて下さい。

書く為の応援をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] カクヨムの方はもう完結なのでしょうか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ