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城での暮らし




天守閣から夕焼けの外を眺めていた。

海上に赤い波がキラキラと反射して綺麗だ。


「ヒューゥ」と風が吹き付けてきた。

ああ、顔に吹きつける風がチクチクと肌を刺激してくる。


「ああ、さぶ~ぅ」


急ぎどてらのポケットに、静香の手をギュッと握って突っ込んだ。


「急に何を・・・」


静香も同じようにどてらを着こんでいたが、寒がる気配をみせない。


「さぶいだろう。こうすると手があったかくなるだよ」


少し照れながら見詰めてくる。


「あ、雪が・・・」


言われるまま見ると、綿のような雪が降ってきた。


「本当だ、今夜にかけて積もるかな。静香もさぶいだろう」


「いいえ、ここは暖かいです。京の冬はもっとさむう御座います」


ああ、そうだった。

大昔に京都へ行った時も冬で寒かった。

清水寺へ行って、金閣寺にも行った。

そして、電車で帰る途中で熱がある事に気付いた。

風邪を引いて、2日間寝込んでしまった経験がある。

最悪の2日間だった。

誰にも看病されずに、薬局の薬だけで我慢して過ごした。



「何を思い浮かべていますの・・・」


「大昔の事だよ」


あれ?未来の事だから昔ではないのか・・・

ごちゃごちゃな回答の出ない思考が駆け巡った。

もんもんとして悩み続けた。


すると誰かがそでを引張る。なんだ静香か・・・

ああ、成る程、伝達係りの五平がひかえていた。




「殿、モールス信号での伝達です」


「何処からだ」


「紀伊号からの伝達です。『ミツヒデ、トチノシハイヲカンリョウ、エゾニノコル』」


「そんな短期間で支配したのか?光秀は、どんな作戦で支配したのだろう・・・」


北海道と貿易するようになって、水の補給をする地点に、無線の中継拠点の建設も済ませた。

現地人を雇って管理させている。仕事はいたって簡単だ。


モールス信号の内容だと、すでに勝ったのだろう。

そして、地盤を固める為なのか、極寒の冬を過ごすことに決めたようだ。


あの時の光秀は、何かを決めた雰囲気があった。

単身赴任で行ってしまったが、寂しくないのか・・・


何かあれば、又連絡して来るだろう。




「さあ中に入ろう。1階は床暖房で暖かいからな」


1階部は、床暖房が施されている。

城の外郭部がいかくぶかまが設置されていて、焚口で薪が燃やされている。

そして窯の対角の位置に煙突が出ている。

燃えた暖かい空気が床下を流れて、煙突へと流れてゆく中で床を暖かくする仕組みだ。


「あら、本当に床が暖かいわ・・・なにか匂う」


「ああ、それは味噌田楽みそでんがく囲炉裏いろりで焼いているからだよ」



2人して、囲炉裏のある部屋へやって来た。

味噌、砂糖、酒、みりんで混ぜ合わせた味噌を、串刺した食材に塗って料理人がセッセッと焼いていた。


「食べ頃の物はあるかな」


差出された物を見ると、香ばしく焼かれていて美味しそうだ。


「これは、豆腐だよ。食べるかい」


「ありがとう。あ・・・普通の味噌と違う。少し甘くて美味しい」


「どれどれ、俺はこんにゃくが好きだな」


「鍋で煮込んでいるのは何ですか?」


「ああ、これはおでんだよ。このちくわも美味しいぞ」


「ちくわって蒲鉾かまぼこと同じぐらい滅多に食べれないものですよ」


「そうかな、目の前は海だし魚も沢山取れるからね」


このちくわは、昆布出汁こんぶだしが効いていて旨いだろうな~。




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