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大名の心構え




北条によって奪われた厩橋城まえばしじょうを、上杉謙信が引き連れた越後勢であっという間に攻め落とした。

上杉謙信が関東侵攻の基地として建てた城だ、弱点も熟知していた。

謙信は、将軍となった今川義元とも、頻繁ひんぱんに書状のやり取りをしていた。

ここで越後の実力を見せるべく、厩橋城を落とした。

丁度良いタイミングで攻め落としたことで、次の城を落とす為に準備をしている。


そして、その城も3日間で落城させている。




甲斐の武田も、甲相駿三国同盟が崩れた機会に、相模へと攻め入ることを決断。

上杉の動きが早い事に、幾分か動揺は隠せないでいる。

信濃の侵攻で手間取ったのが原因だった。

信濃との和議を結んでの行動なので、遅れるのは当り前だった。

それでも上手く丸め込んで、信濃の連中を伴なって相模へと侵攻していた。



そんな大名と違った決断をした大名もいた。

多くの近隣の大名は、今川勢が来るまで様子見をすることに決めた。

早い段階で攻めて、被害が出るのを恐れた。

その為に流れの忍者が雇われて、その報告を待ち続けた。



安房国の里見義堯さとみよしたかは、8年前に里見水軍を率いて北条水軍に勝利していた。

しかし暴風が原因で沈没したり流されたのが勝因だった。

天候が味方したことは重々承知していた。

それでも、北条への恨みは諦めていなかった。

度重なる安房への侵攻が原因だ。

今回の書状を受け取り、絶好のチャンスと受け取った。

本郷水軍と里見水軍が行動を供にして、北条水軍を倒そうと思案。

その為に、兵船数隻を駿河へと出航させようとしている。

今川軍が来る前に、接触を試みる決意をしている。




陸奥国の伊達晴宗だてはるむねは、書状を受け取り悩んでいた。

父の伊達稙宗だてたねむねとの不和で天文の乱が勃発。

足利義藤の停戦命令を受けて和睦が成立。晴宗が家督を相続して15代当主にようやくなれた。

それでも父との不和は続いたままだ。


晴宗自身が相模に出向くと、いつ父が同じように乱を起こすか気が気でなかった。


隠居して、家督を伊達輝宗だててるむねに譲った。

父と違い、気心を知れた我が子だった。

我が子の為に残り、守る必要があった。

それと、相模までゆくのが怖かったと、後日に日記に書き残こされていた。


輝宗は、元服して間もないが他国にゆくことが嬉しかった。

馬にまたがり行軍する姿を晴宗は目を細めて見ていた。


「若い者は、怖さを知らん・・・わしも歳をとり過ぎた」





小田原城内では、少なくなった風魔からようやく今川の情勢が伝えられていた。


「やはり失敗に終わっていたか?」


「全員一致で決めたことだ。今から悔やんでどうする」


「しかし、あの時に今川義元が死んでくれたなら、今川は内乱になっていただろう。本郷がその火種になるはずだった」


「風魔小太郎も、そのように言っていたのに、その張本人はすでに死んでいるのだろう。内乱計画が台無しになったぞ」


「和睦を結べないのか・・・」


「結べるはずがなかろう。誰を暗殺しようとしたか忘れたのか?」


「上杉と武田がすでに動いた。どうしたものか・・・やはりろう城しかあるまい」


「しかし、米を売り払ったのはまずかった。急ぎ買い戻しているのか?」


「相場が更に上がっています」


「仕方ない、それでも買い戻せ」


「分かり申した」




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