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秘密裏な内容




今川邸で起きた暗殺事件は、秘密裏に処理することになった。


あの夜の中で、2人で本郷屋敷へ急ぎ戻った後であれこれ指示。

忍者数人が太原雪斎へ連絡しに行った。

その夜中は、俺は働き詰めだった。


これもそれも、全部が太原雪斎の無茶振りだった。


太原雪斎は、68歳の老体だったが今川邸で忍者達にあれこれ指示している。

重要な地位の家臣の遺体だけ残して、俺が全部の遺体を回収。

その遺体は、太原雪斎が内々に病死扱いにして葬儀をすませていた。


その間、俺は人知れない山で大穴を作り終えた。


「結構でかい穴になったな~」


そこに遺体を放り込んだ。


「なんてむごいありさまだ」


改めて数の多い遺体を、呆然と見てしまった。


穴を埋め終わった跡に、線香に火を付けて土に刺した。

俺は無宗教だが「南無阿弥陀仏」と一言唱えた。

線香の火が消えるまで、線香を見続けていた。




今川義元は、あの今川邸に帰りたく無いとごねた。

忍者隊によって綺麗に掃除したが、まだ生々しい記憶が残っているのだろう。


そして本郷屋敷に居座ってしまった。


ここには、伊賀、甲賀の忍者が居る。

天井裏や床下にも潜んで、交代しながら警護をしている。

なので、潜むように快適な空間も作られていた。

天井裏はホコリ1つも無く綺麗だった。




そして、夜の部屋で3人が話し合っていた。

松平元康、太原雪斎と俺だ。



「今後は、伊賀者と甲賀者を警護に付けるべきと思いますが、いかかですか?」


「それもやむを得んな・・・それでも信用出来るか?」


「今の暮らしも楽になったといってます。信用出来ると思います。そんなに心配でしたら直に銭と地位を与えては、人とは利益と誇りをくれる人を悪く思いません」


「それがよろしいかと・・・忍びには忍びしか対抗出来ませぬ」


それでも考え込んでいる。

よっぽど怖い体験でもしたのか・・・


「分かった」


「それでは呼んでください」


「誰を呼ぶのだ」


「伊賀者と甲賀者を呼ぶのです。そして地位を約束するのです」




「伊賀と甲賀はおらぬか?」


『ここに居ます』


『甲賀も同じく』


何処からか声だけ聞こえてきた。

声を上手く反響させて、居場所の特定を難しくしている。

これは、空蝉の術の初歩の術だ。

俺は、表示されて居るので分かっている。


しかし、分からない殿様は天井やあっちこっちを見ていた。


「殿の言葉だ、しかと聞け」


『はは』


『はい』


「その方らに、警護の役職を与える。これは手付けだ」


懐に仕舞っていた財布を畳に放り投げた。

たしか小判が入った財布だ。


その財布は無くなっている。


「え!!」


『しかと受けたまりました』


シーンと静まり返った部屋で、元康だけが口を開けたまま畳を見詰めている。



「殿、話を進めますよ」


「ああ、進めてくれて大丈夫だ」


相模さがみやその周辺でも、米の買い付けをさせています」


「そんなに買って、大丈夫なのか?」


「何をいってるのですか、その米も大量に消費して無くなりますよ。米の価格も上がり小田原城の蔵からも米が売られることでしょう」


「殿、今回は雪斎にお任せ下さい。兵糧攻めで小田原城を落としてみせます。相手を油断させる為に暗殺も内密に処理したのです」


「難攻不落で、無敵の城といわれ小田原城を・・・出来るのか?」


「その為の、米の買い付けで御座います」


「殿、戦になってもわたしが責任を持って、米を送りますので安心して下さい。1年以上でも大丈夫です。あまったら酒作りに回すので心配御無用です」」


「武田は、どう行動を起こすと思う」


「殿、それにはいい考えがあります。今、武田は信濃へ進攻していますが、相模を取ったあかつきには港を使う利権を与えるのです」


「そんなことで味方するのか?」


「殿は分かっておりませぬ、武田は海の貿易が欲しくて仕方ないのです。なので相模を通る道を自由に往来させれば、必ず味方するでしょう」


「それは分かった。そしていつ、相模を攻め入るのだ」


「米の収穫前です。その為に軍勢は嘘の中国地方攻めの準備をします」


「知っているのは、3人と忍者だけです」


「忍者は知っているのか?」


「なにをいっているのです。今も聞いていますよ」


「・・・分かった。頼むぞ」




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