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讃岐国




とうとう阿波国の侵攻が始まろうとしている。

渋々だが、俺が総大将だった。

阿波へ侵攻する前に作戦会議が行なわれた。


今川の家臣、松平元康・朝比奈泰能・岡部元信おかべもとのぶ菅沼定盈すがぬまさだみつが揃っていた。

1人約15000人ぐらいの兵を引き連れている。

俺の軍勢は、30000人近い人数で挑んでいた。


「松永久秀殿、挨拶を」


「それがし松永久秀で御座います。今川様の為にも一生懸命に働かせて貰います」


菅沼定盈が目を細めながら聞いた。


三好長慶みよしながよしとは、仲が良いと聞いたがそれは本当かな」


「それがしを引き立ててくれた御方です。しかし、今は下克上、それに従うは本望かと・・・」


「その言葉を忘れずに・・・忘れた時はそれがしが・・・」


「菅沼定盈殿、そのへんで収めてください。半兵衛、あのことをお知らせするのだ」


「ははー、伊予西部を支配するの西園寺公広さいおんじきんひろとは話が付いています」


「伊予西部だけか・・・西園寺は確かなのか?」


「西園寺は公家の流れを継ぐ者で、京の公家から確約を頂いてます。なので四国連合の一員として最後まで働いて貰います」


「四国の内情を知らせる為か・・・面白い」


「今は、まとまっていない時期なので、速攻で讃岐さぬきに攻め入ります」


「淡路のようにやるのだな」


「そうです」




春は農民にとっては大事な時期だ、それなのにいくさが始まろうとしている。

それを危険視した三好長慶が、四国の大名や豪族にふれまわった。

『今川の蛮行を見逃すな、次はお前らが狙われる』と・・・


もともと血気盛んな連中が多い四国民だった。

我も我もと決起し、それに同調する者が後に続いた。


三好も最後の戦の積もりなのだろう。全財産を投入。

京で手に入れた茶器も、京を撤退する時に手放していた。

そして九州方面から米を大量に買い漁った。


それは、忍者部隊の知らせで把握している。

すでに九州や山陽地方には、忍者が商人に扮して商いをしている。

なので、米の動向は隅々把握出来ていた。

どこでいくさが始まるか日々、目を光らせていた。



淡路と同じ戦法で乗り込んだ。

今回は駆逐艦3隻で対応した。


あれよあれよと拠点を作り、大勢の今川と松永が上陸。

もともとまとまってない讃岐では、あらがう術は無かった。


もしかして知らないのか、それらしい見張りの者も見かけない。

俺の探知に、それらしき者は居ないので間違いないだろう。


防衛陣地を作っていても、攻めてくる者も現れなかった。



そして、充分な兵が揃うと、4つに分かれて進軍することになった。

どうも俺と一緒にいれば、手柄が立てられないと思ったのか俺から離れてしまった。

今川の家臣団は、松平元康と朝比奈泰能を大将に2つ分かれて、東と西に向かった。


松永久秀も思うものがあったのか、分かれて攻めたいと言って来た。

仕方ないので、本郷家から5000人ほど貸し与えた。

それで、20000人ほどの兵力になり、出発してしまう。




しばらくして我が本郷家は、電光石火で讃岐を攻め立てた。

勿論、本郷家の得意な『眠らせ作戦』で山城を落とした。

忍者部隊も慣れたようで、素早い動きで兵を縛り上げていた。

そして、知らない間に城内の者は縛られていた。


目が覚めた時には、どうすることも出来ない。

こうなってしまうと、降伏するしかない。




松永久秀も、天霧城あまぎりじょうの山城を落とした。

険しい山に建てられた山城だったが、油断していたらしく、商人に変装した兵によって門が制圧された。

後は松永の軍勢が押し寄せて、終わりだった。



残りの軍勢2つは、2日後と3日後に落とした。

それなりの被害が出て、我が本郷家に担ぎ込まれた。




医療隊が急ぎ治療を開始。


白い服を着た姿で、マスクをして治療をしている。

傷口をアルコールで消毒し、異物をピンセットで取り出していた。

もっと重傷の場合には、眠らせて手術をする場合もある。


どうやら死者も出ていたようだ。

ここへ連れて来る途中で、こと切れた者も多い。


傷を放っておくと、この時代では破傷風で命を落とすのも当り前だった。

病状が悪化すれば、筋肉発作きんにくほっさが起きて苦しみもがく恐ろしい病だった。

最悪の場合は、発作で仰け反り背骨が折れてしまうことだってあった。


そして民間治療で、傷口に馬くそを塗りたくることもあった。


俺も余り詳しくないが、原因は菌である事に間違いない。

それなのにくそを塗るなんてあり得ない。


「殿、大変です。破傷風の症状が出ている者が居ます」


「何処だ、案内しろ」


急ぎ患者に近づくと、俺が来た音に反応して痙攣けいれんが起きた。

まさに破傷風発症による発作だ。


俺はそっと手の平で触り、回復魔法を発動。

少し淡く光って、治療が完了。

俺の表示にも治ったことが分かった。




「殿、西園寺から河野水軍が向かうと知らせが届きました。河野通直こうのみちなおが遅くなってでも讃岐へ来いと書かれていたらしく。今日が出航予定だと・・・」


「何~、急ぎ返り討ちの準備をするように河上、三上、佐々木の3名に言いつけろ」


「はは」




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[気になる点] 満濃池を修復すれば一躍スターになれそう。
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