松永久秀
今川城から離れた位置に建てられた今川邸。
そこで、今川の殿様から直々に話があると言われた。
俺と今川義元の2人だけだ。
「大和国の松永久秀もようやくこちらに落ちた。しかし何を考えているのかよう分からん」
「それは、もっともな話です」
たしか、四国に逃げた三好と仲が良かった。
足利義輝に仕えて、両者の関係を取り持つ役割をしていた。
そんな微妙な人間関係をあっさりとこなしていた。
三好長慶から大和一国の管理を任され、その権勢は非常に強く、一国の大名のような立場になっていた。
しかし、それは長く続かなかった。
足利義輝と松永久秀が激しく口論を行う姿が記録される本を、ネットで見た記憶があった。
最後には、息子の久通と三好義継、三好三人衆が軍勢を率いて上洛し、室町御所の足利義輝を襲撃して殺害したんだ。
それでも戦上手な面もある人物だった。
織田信長に仕えて、頭角を表していたのに・・・
石山本願寺などの反信長勢力と協力して、本願寺攻めから勝手に離脱してしまい。
織田信長の怒りを買ってしまった。
信貴山城を包囲されて、古天明平蜘蛛をよこせと責められた。
古天明平蜘蛛は、蜘蛛が這いつくばっているような形から、この名が付いた名器だった。
「平蜘蛛の釜と我らの首の2つは信長公にお目にかけようとは思わぬ、鉄砲の薬で粉々に打ち壊すことにする」と返答。
そして織田軍の猛攻撃で、平蜘蛛を叩き割って天守に火をかけ自害した。
しかし信貴山城跡を掘り起こした際にこの茶釜が出土しており、信長の手に渡り愛されたものだと言う。
それとは別に・・・
松永久秀と親交のあった柳生家の本には、久秀が砕いた平蜘蛛は偽物で、本物は友である柳生松吟庵に譲ったという記録がある。
どっちが本当の平蜘蛛か判断が付かない。
俺はその時点で、どれだけ茶器に拘るんだと思った。
俺は、普通に茶こしでこしたお茶で充分だ。
作法などしても、わびさびは全然分からない人間だと自覚している。
そんな松永久秀の生き様は、俺には印象的な人物だとみえていた。
しかし、松永久秀と会ってみてコロッと変わってしまった。
性格がねちっこい人物に思えた。
睨まれた眼を見ても、ギョッとしてしまい、名の横のマークが『?』だと尚更だった。
本当に何を考えているのか分からない。
「京の近くに考えが分からぬ者は置けませんね。では、四国攻めを命じて、その後に四国に国替えすれば良いと思います」
「分かった。太原雪斎と相談しよう。四国攻めの際には、『なばな・ながしま』を貸してくれ」
「はい・・・分かりました」
なんだ、それが目的だったのか?
ならば遠まわしに話をしなくても良いのに・・・
あれ!天井裏に忍者が現れた。
来たばかりで、今の話は聴かれてないだろう。
あ!名前が果心居士だ。
幻術の使い手で有名な忍者だ。
コイツも名の横のマークが『?』だ。
それに・・・普通はHP表示だけなのに・・・
?果心居士 ?
HP?
MP?
?マークが有り過ぎて、訳が分からない。
俺は、ふすまを開けて逃げるように出て行った。
なんだよ、俺の後に付いて来ている。
何故だ・・・
そして、家臣の所までやって来た時に、ようやく気付いた。
懐に手紙が忍ばされていた。
『今夜、うかがいます』
なんと大胆な・・・それにいつの間に入れたんだ。
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