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北海道産




新たに出来た紀伊港に、貿易船が戻って来た。

北海道から戻ってきたので、大量な昆布や海産物で港が賑わっていた。




この貿易船は、ノンストップで北海道へ行き。

交易を開始。


しかし、北海道の函館や室蘭むろらん三石みついしは、戦国時代の以前から交易が行なわれていた。

なので、俺達が入り込むスキがなかった。

そこで争っても、仕方ないので別の所へ行った。



それも北海道の最北の稚内わっかないから、離島の利尻島で数十人が降りた。


そして、何週間も掛けて利尻昆布を収穫。

収穫後干場で半日ほど天日干しして乾燥させて、長さを切りそろえる。

端の変色している部分をカットし、品質別に分けて一連の作業をこなした。


その間、利尻島で簡易テントでの暮らしが始まった。

勿論、夜中は寝袋で寝ることになる。

この寝袋もかもの羽で作られた。



その間、貿易船はマグロを取っていた。

この貿易船には、漁業が出来るようにもなっていた。

船内には、冷凍庫が完備。

取ったマグロは冷凍されて保存。

俺が魔法で作った特別な冷凍庫で、より良い鮮度を確保するための工夫が成されている。



マグロが満載した船が、紀伊港に入港してきた。

毛ガニの量は少ないが100杯程が冷凍庫に入っていると聞いている。


港にも、当然冷蔵庫が完備されている。

勿論、俺の魔法で作り出した特別製であった。



まさに目の前に、カチカチに凍ったマグロが冷凍庫へ運び込まれた。


マグロの刺身が食べられると、期待が膨らむ。

すでに大豆から、醤油も作っているし、わさび田も開拓して上等のわさびも出来上がっている。

醤油やわさびは、早い段階で取り掛かったので、ようやく納得出来るものができた。


小ぶりのマグロを選び、俺の魔法で急速解凍。

厨房隊の魚担当の男が、そのマグロを解体している。

見るからに肉質や脂の乗りが最上質だ。




皿に盛られたマグロの刺身を、わさびを付けて醤油に付けて食べた。


「ああ、うまい」


それ以外にも、すし職人がすしを握りだした。

本マグロの大トロ・本マグロのあぶり大トロ・本マグロの中トロ・マグロと握られた。


それを「パクパク」と食べた。

ああ、これも初めて食べる食感だ。

やはり、機械が握った寿司と違う気がする。知らんけど。

口の中ですし飯が、ぽろりぽろりとほつれてゆく。



後ろでは、山田のおっさんが「ゴクリ」と生唾を飲み込んでいた。


「好きなのを頼め」


その一言で、山田のおっさん以外の家臣も「大トロ!炙り大トロ!」と注文が飛び交う。

すし職人は、大慌てで握りずしを作り出した。




すし職人の手が踊るように舞う。

右の指先に手酢をつけて、左の手のひらにつけるように水気を切る。

そして右手で一口大のシャリを取り、片手で丸めて持つ。


左手の親指と人差指でつまむように寿司タネをもち、手首を返して、手のひらに寝かせるようにふわりと置く。

そして右手の人差し指の先にわさびをとり、左の手のひらの寿司種にのせる。


乗せたシャリの上下を右手の親指と人差指ではさんでおさえ、形を整える。

その後、左手の親指を使ってシャリにくぼみを作る。こうすると、シャリに空気を含ませられ、口の中でほどけるような食感になる。


左手の手首を使って、手のひらから指先に向かって寿司をコロリと転がしてタネを上にする。

この方法を「小手返し」と言う。

その後、右手で寿司を持ち、左手の手のひらに移動する。


左手の手のひらと指をつかって、握るように形を整える。脇を押さえるように軽く握り、寿司が上に持ち上がった分、軽く押さえてなじませます。寿司の向きを上下180°回転させ、同じように握って出来上がる。



見事に一瞬で握られた寿司が、皿に置かれた。


出来立ての寿司を家臣達が取っては、口へと運ぶ。


「たまらんな~」


「炙り大トロは、香ばしくて美味しいぞ」


「こっちも大トロを頼む」


「それにしても、見事な握り方だなーー。見ているこっちも感心してしまうよ」


なんやかんやと騒ぐ家臣と対照的に、黙々と食べる山田のおっさんが居る。




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― 新着の感想 ―
[一言] この時代大トロ食べられてませんでしたよ?捨てるとかしてました、ほんともったいない。
[気になる点] 北海道って、このころはまだ蝦夷とかじゃないのかな?
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