漢方事始
医療学校兼病院では、漢方薬も取り扱っている。
俺の植物魔法の知識で、山々を歩き回って取りまくった。
発熱をおさえる草は、葉っぱがハート型をした草で抜群の効果を示した。
名前は無かったので、熱冷まし草と安直な名前を付けた。
使う時は、病状によって量を変えるがポイントだ。
なので、それに対しての症状を細かく書いて、量も測って手帳に書き込んでいる。
たまに、2つの病を発症した場合は、注意が必要だ。
患者の症状を見ながら、漢方の量を変える必要がある。
これも自然に自生していた。
大麻を発見した時は、周りをキョロキョロしてしまった程だ。
この時代では、大麻の効用はあまり知られていない。
今は、手術に使う麻酔用に使っている。
この大麻は、少ない水で育ちやせた土地でも栽培が出来て、成長が早く丈夫な草だ。
そして麻と同じく、繊維が取れて布にもなれるすぐれものだった。
なんだ、これって紙の材料にもなれるぞ・・・
そうだな、我が本郷家も和紙をつくるのも悪くないかも・・・
俺が知っていたどくだみは、ただの雑草だった。
それが、こっちに来てから身に付いた能力で薬効があることを知った。
飲む事で、利尿作用によって体に溜まった毒素を排出するデトックス効果があるらしい。
そして、血行改善にもいい。
そして、どくだみ効果を使った化粧水も作った。
肌に付けると、抗炎症・抗菌性・抗酸化作用に優れていて、美肌効果、ニキビや肌荒れやあせもにも効果的だ。
そして、俺の少しの魔力で効果が倍増している。
試しに自分にしてみたが、目立った効果が見えない。
身体能力が上がったせいで、肌も健康的で効果の検証に不向きだった。
「山田、山田はおらんかーー」
「殿、大きな声で何用でござる」
「化粧水を作った。肌がきれいになる水だが、誰か女子を連れて来てくれ。化粧水の効果を試したいんだ」
「それならば、それがしの妻でもよろしでしょうか?」
「そうだな、山田がよいならいいよ」
ススススッと山田のおっさんは下がって行った。
1時間後に、山田のおっさんより若そうな女性を連れてきた。
え!この女性が奥さんなのか・・・
山田は40になったばかりで、奥さんは20代に見える。
「殿様、幸と申します。よろしくお願いします」
「ああ、このビンの水を手に付けて効果があるか試してくれ」
なんだかおしとやかな動作で、左手の手の平に化粧水を少しためて、右手にまんべんなく付けていた。
すると少し淡く光り、右手がきれいなっていた。
「あら!スベスベでしっとりとした肌になってます」
「どれどれ、なんと本当にうつくしい手だ」
なんだよ、嫁さんをほめている。俺の前でいちゃつくな。
「殿、これは顔に付けてもきれいになりますか?」
「手で大丈夫なら、問題ないと思うがもって帰って使ってくれ。そして使い勝手を後で知らしてくれ」
「ははーー」
2人して帰ってしまった。なんか仲が良いみたいだ。
そしてようやく堺の商人から手に入れたのが、中国の漢方薬の本だ。
1枚1枚めくって開いた。
最初に目に付いたのが、カゼの処方薬だった。
前面が漢字だらけで、知っている漢字をつなげて大体の意味をつかんだ。
麻黄湯と言う方剤があった。発汗作用があり、体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散して治すらしい。病気の初期で、まだ体力が十分な人向けの処方だ。
処方内容は、麻黄・桂皮・杏仁・甘草。
桂枝湯-汗が自然に出てきて寒気がして、微熱がある場合
小青竜湯-鼻水やくしゃみのある場合
香蘇散-夏カゼの頭痛や発熱、悪寒する場合
麻黄附子細辛湯-寒気から始まる感冒で背中がぞくぞくしたり、のどが痛いカゼ
この本を見ながら、集めた乾燥草を比較してゆく。
これが、麻黄かな効用が似てるが、草の形が少し違うな・・・結構難しいな。
仕方ない。乾燥草の効用を書き溜めるか・・・後は誰かに丸投げするのもいいかな。
「殿、ここにおられましたか?早速ですが化粧水を欲しいと、家臣の妻子が押し寄せていますがどうしましょうか?」
「山田がばらしたのか?・・・そこの50本しか無いぞ」
「それがしでなく、妻が・・・それでは、拙者が持ってゆき売りさばきましょうぞ」
山田のおっさんは嬉しそうに、木箱に詰まった化粧水を持って行ってしまう。
山田はあざといのだ。これは絶対に山田が企んだことだ。
今開発中の美肌クリームは、まだ知られていないようだ。
まだ、5瓶しか出来ていないので、持っていっても騒ぎを大きくするだけだ。
なので、内緒にしておこう。
このクリームを肌に塗ると、10歳は若返る効果があった。
このクリームの中に、魔力が少し込められていて効果が5倍程上がってしまった結果だ。
この世界では、禁断のクリームかも知れない。
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