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異界三曹シリーズ

異界の三等陸曹特別編 〜頑固者と新星、聖なる日の街を歩く〜

 とある駐屯地。


 木佐岡利也(キサオカトシヤ)は同僚達との訓練を終え、食堂に来ていた。


 食堂で同期と共に夕食を運び、食べ始める木佐岡。


 すると、彼の前に、食器が大きな音を立てて置かれた。


 食事を取っていた他の自衛官達も思わず音のした方を振り返るほどだった。


 顔を上げると、木佐岡の幼馴染であり、"新星"と称されるほどの実力を持つ女自衛官、佐原美冬(サハラミフユ)が何やら真剣そうな表情でこちらを見つめていた。


「……んだよ?」


「真剣な話があるんだけど」


 向かいの席に座りながら、佐原は言う。


「明日ってなんの日?」


「明日?えっと、たしか12月25日土曜日……クリスマスがどうした」


「明日だけ付き合って」


「は?」という声が漏れる。


 急にどうした、この女。

 まさか、まさかとは思うが、この幼馴染は聖夜に……。


「俺に告るのか?」


「そんなわけないじゃん」


「だよな……」


 少しがっかりしたのはさておき、木佐岡は佐原の真意を問う。


「んで、この永久童貞にクリスマスというリア充のお祭りの日に、期待のオタク新星様が何の用で?」


「だから、付き合ってって言ってるじゃん。何? 幼馴染と街に行くのが嫌なの?」


 佐原の目つきが鋭くなる。


 木佐岡は慌てて弁解する。


「ち、違う違う! そんなことねえって!」


「なら行こうよ。確か残留組じゃないでしょ?」


「お、おう……。てっきりお前は、駐屯地に残ってアニメでも見てんのかと思ってたよ……」


「冬場のオタクがみんな家に篭ってると思わないことだね」




 食事を終えて佐原と別れた木佐岡は、寮に向けて歩いていく。


「佐原と2人きりか……」


 随分と久しぶりな気がする。


 これまで佐原といた時は、大体の場合、近藤(コンドウ)清水(シミズ)、もしくは他のWACが一緒にいた。

 2人で出歩くなんて、それこそガキの頃以来だろう。


 しかし、急に出かけると言われても、何をすべきか。


 女心がわかってないと、WAC達から散々言われている木佐岡のことである。

 どこに行けば、何をすれば佐原が喜ぶかなんてわからないし、急に誘われた理由もわからない。


「なんだかおかしなことになってきたぞ……」


 思わず頭を抱えてしまう木佐岡であった。


 と、その時。


「てめえコノヤロー!」


 背中に衝撃を感じ、吹き飛ばされる。

 そのまま壁に鼻をぶつけ、赤い液体ブシャー。


 後方を睨みつけると、予想もしなかった光景が広がっていた。


 10人程の男自衛官達が、こっちを見ていたのである。

 木佐岡の背中を叩いたのは、近藤だった。


「デートのことで悩んじまってよぉ。真面目にふざけんなよ?」


「はぁ? 勘違いすんな。デートじゃねえって」


「いいや、デートだ。そうだろ?」


 他の自衛官に確認を取る近藤。


 やはり、うんうんという相槌が返ってくる。


 近藤と清水は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、木佐岡に近寄る。


 そして、両側から肩を組んできた。


「羨ましいぞコノヤロー! 顔面平凡オブザ平凡のお前が、あんなに可愛い同僚とデートときた。俺らは協力惜しまないぜ」


「そうそう。お前、女苦手だろ? お付き合いの仕方のレクチャーなら任せとけって」


「ば、馬鹿! 違えよ! デートじゃねえって! それにあいつとはただの馴染みだよ!」


「どうだかねー」


「ねー」


 自衛官達が口々に声を上げ始めた。


「ラブコメだと、幼馴染ってだけでフラグになるんだ。可能性はある。諦めんな」


「お前らが付き合うんなら女達が黙ってねえだろうな。お前嫌われてるし」


「お前から告れよ。なぁ?」


 こいつら……。


 木佐岡は近藤と清水を振り払うと、自衛官達を振り返って吐き捨てる。


「いいか、これは俺の私的な問題だ。お前らには干渉させねーからな」


「ちぇー……」


「……まさかついてこようとしてたわけじゃねえよな?」


「「「何故バレた」」」


 そこは反論しろよと思う木佐岡であったが、そのまま彼らに背を向けて歩き出したのだった。




 翌日。


 佐原は少し遅れるというので、先に街に出て待っていることにした。


 クリスマスの街は、大いに賑わっている。

 カップルや家族連れで溢れかえり、クリスマス一色に染まった街を歩き回っていた。


 大きなツリーの周りには、カップルが大量に群れている。

 それを見た非リア達は、カップルに向けてこっそりと中指を立てるのだった。


 長袖のコートにジーンズといった私服の木佐岡は、ベンチに座ってスマホをいじりながら幼馴染を待つ。


 暇なので、やり込んでいるゲームのガチャを引くことにした。


 無課金勢なので、10連ガチャ分の石を貯めるのには苦労した。


 運命のガチャボタンを押す。

 そして祈る。


「ピックアップ来い、ピックアップ来い、ピックアップ来い……」


 だが……。


 出てきたのは全て最低レア度のキャラクター。


 早速ついてない。


 ため息が、クリスマスの街中の喧騒に溶け込んでいった。




 そんな木佐岡を物陰から見つめる奴らがいた。


「……あーあ。早速凹んでるよ。大丈夫か?」


 近藤は、看板の後ろに隠れながら木佐岡を見守っていた。


 彼の他にも、あちこちから木佐岡を覗き見する男女がいる。


 同僚達であった。


 男性陣の他にも、乙名志(オトナシ)を筆頭にしたWAC達も木佐岡を見つめていた。


「やっぱこういうのは影から見守るのに限るな」


「こういう漫画みたいなことやってみたかったんだ」


 どちらかと言うとワクワクしている男性陣とは違い、女性陣は緊張した面持ちで木佐岡を見つめている。


「あの男のことよ。幼馴染だろうとぞんざいに扱って泣かせるに決まってるわ。そうなったら、私達で全力で止める。いいわね」


 小声で「ラジャー」と返すWAC達。


 木佐岡を全く信用していない彼女達に、近藤達の心には何かモヤっとするものがあったが、今はなんとか抑える。


「そういや、清水はどこ行ったんだ?」


 チビの笠松(カサマツ)が近藤に問う。


「あいつか? 残留だよ」


「あらら……」


「『畜生ぉぉぉ!クリスマス死ねぇぇぇ!』って叫んでた」


 両膝をついて発狂している清水の姿を想像し、皆は小さく吹き出した。


 すると。


「乙名志さん! 佐原さんが来ました!」


 乙名志の右腕である亜沙岐(アサギ)の声で、一同は一斉にその方向を注視した。


 雪の如く真っ白な厚手のパーカーに、黒のズボン。

 口元を隠すように巻かれた赤いマフラー。


 私服姿の佐原だった。


「「「いい! 私服いい!」」」


 男達が共鳴する中、佐原は木佐岡の方に近づいていく。


「お待たせー」


 声をかける佐原だったが、木佐岡は反応しない。

 そう、スマホゲームに夢中になっていた。


「……おーい?」


「……」


 反応なし。


 これには男達は呆れてため息をつき、女達は怒りに震えた。


「あーあ。こりゃダメだ」


「あいつ、無視するなんてぇ……!」


 全く顔を上げない木佐岡に痺れを切らしたのか、佐原は彼の首に手刀を打ち込んだ。

 木佐岡はようやく気づいたのか、ペコペコ頭を下げていた。




 まずい。初っ端からまずった。


 木佐岡はちらちらと隣を伺う。

 横にいるのは、すっかり頬を膨らませてしまった佐原。


 これは女心を全く理解できないと評判の木佐岡にもわかる。

 完全に怒らせた。


「……悪かったよ。悪かったから怒んなって」


「……ホントに思ってる?」


「思ってる! 反省してる!」


「じゃ、行こう」


 突然、佐原に手を握られる。


 かあっと赤くなる木佐岡だったが、そんなのお構いなしに佐原は手を引いていく。


「ど、どこ行くんだよ」


「どこでもいいでしょ。黙ってついて来い」


「おいおい……」


 そうこうする内、2人はアニメ専門店の前に来ていた。


「……何故ここ?」


「推しのクリスマス衣装のフィギュアが出るんだよね。利也もアニメ好きでしょ?」


「好きなのは否定しないけどよ、せっかくのクリスマスなんだからもっと違うところ行くのもアリだと思うんですがね?」


「別にいいけど、サンタver朝霧買ってからね」


 結局、割り勘でお高いフィギュアを買うことになってしまった。




 その後は、木佐岡の提案で喫茶店に行くことになった。


「なんか美味い店知ってるか?」


「美味い店ねぇ。うん、知ってる」


 またしても佐原に手を引かれ、辿り着いたのは……。


「……なんで漫画喫茶?」


「漫画読みながら飲むコーヒーは美味しいに決まってるじゃん」


「あのねぇ……」


 い、いかん。

 このままでは佐原のペースに飲まれてしまう。


 しかし、そのまま漫画喫茶でひとときを過ごしてしまう木佐岡であった。


 その後も、なんとかペースに飲まれまいと頑張ったのだが……。


「書店……」


「好きな漫画のクリスマス特別巻が出るんだって」


「コラボカフェ……」


「期間限定だからね」


「ここどこ……」


「聖地。雪積もってたら完全にあのアニメと一緒じゃない?」


 完全に振り回される木佐岡だった。




 大変なのは木佐岡だけではない。


 彼らを追いかける自衛官達もかなり苦労していた。


 街中を不規則に動き回る佐原と木佐岡を、バレないように追いかけなければならないのだから。


「にしても、完全に飲まれてんなあの野郎……」


「ああ。ほとんど目が死んでる」


 笠松の言う通り、佐原に「このラノベどう?」と問われる木佐岡の目は完全に死んでいる。


 これには、流石のWAC達も木佐岡に同情していた。


「あの子って結構オタクだからなぁ……」


「腐には興味ないらしいけど」


「カワイソス……。私でも多分ああなるよ……」


 そんなことを話しているうちに、木佐岡と佐原はゲーセンへと入っていった。




「今度はゲーセンかよ……」


「文句言わないの。むしろ、今日の本命はここなんだから」


 佐原はでかい胸を張り、宣言する。


「目指せ、クレーンゲーム制覇!」


「……お前まさか、このためだけに呼んだんじゃねえだろうな?」


 木佐岡は昔からクレーンゲームが得意である。

 何故かはわからないが、フィギュアだろうがぬいぐるみだろうが置物だろうが、大抵のものは取ってきた。


 木佐岡に睨まれた佐原は、「教えなーい」と悪戯っぽく笑った。


 そして、木佐岡と佐原はクレーンゲームコーナーの物色を開始する。


「ねえ、あれ取れたりする?」


 佐原が指さしたのは、バニーグマと呼ばれるゆるキャラの巨大ぬいぐるみであった。

 ネーミングが安直すぎて、どうにかならんもんかと文句垂れた覚えがある。

 その名の通り、熊がうさ耳をつけた生き物である。


「うーん……ざっと見積もって500円くらいで取れる」


「マジ?」


「やってみるわ」


 500円玉を差し込み口に入れる。


 ちなみに、このゲーセンでは、500円玉を入れると、動かせる回数が1回分プラスされる。


 木佐岡はボタンを押し、クレーンを動かしていく。


 1回目は、ぬいぐるみはクレーンからするりと抜け落ちた。


「ありゃー……」


「いや、これでいい。大概のクレーンゲームは1発じゃ取れない。汚いよな」


「なるほど……」


 そして、再びボタンを押す木佐岡。


 結果、本当に500円分の回数でぬいぐるみを取ってしまった。


 木佐岡から受け取ったぬいぐるみを、キャッキャとはしゃぎながら佐原は抱き締める。


「やったあ! ありがと! マジ神!」


「そいつはどうも……」


「ほら、この調子でもっと取ろうよ!」


 駆け出していく佐原。

 ガキのようなその姿に、木佐岡は苦笑した。


「ま、いいか……」




 その後も、木佐岡達は次々にクレーンゲームを制覇していった。


 フィギュア、ゲーム機、お菓子、ぬいぐるみ。


 佐原の手には収まらなくなってきたので、店員に大きめの袋を貰ったほどであった。


「いやー、いっぱい取った。んじゃ、次はあれやろうよ」


「まだやんのか? そろそろ俺の財布がピンチだぞ」


 木佐岡は、佐原が指さす台を見る。


 今流行りの競輪娘のクリスマス限定フィギュアが並んでいる。


 その台には先客がいた。

 髪を金色や茶色に染めた、ガラの悪そうな男が3人、レバーを動かしていた。


「あーっ! 落ちた!」


「畜生! 5000円も溶けたぜ!」


「壊れてんだろこれ! クレームだクレーム!」


 へっ。ダメだありゃ。

 木佐岡は心の中で嘲笑する。


「ああいうのは、1発で取ろうとするから失敗するんだ」


「そうなんだ」


「ああ。ある程度回数踏むこと考えてやらないと」


 男達はその後もしばらくクレーンゲームをしていたが、無理だと判断したのか、台に1発蹴りを入れて去っていった。


「よし、見てろよ。800円で取ってやる」


 木佐岡は腕まくりすると、台の前に立つ。

 フィギュアの位置、重さ。そしてアームの強度。

 それらを考慮しての800円である。


「お? 詐欺台に人が来たぜ?」


 すると、先程の男達が、遠くからヤジを飛ばしてくる。


「忠告しとくけど、それ取れませんよー」


「爆死の瞬間見させてもらいますねー」


「頑張ってくだちゃいねー」


 露骨に顔を顰める佐原。

 木佐岡も、自衛官という身分がなければ喧嘩を売っていたところだろう。


 内側から込み上げる感情をなんとか抑え、木佐岡はクレーンゲームに集中した。


 もちろん、フィギュアは何度も途中で落ちる。

 その度に、男達の下品な笑い声が店内に響いた。


 だが、徐々に穴に近づいてくるフィギュアを見て、男達の笑いは止んだ。


 そして……。


「うっしゃ! 勝ち!」


 ゴトリと音を立てて、フィギュアは穴に落ちた。


 呆然とする男達。

 いい気味だ。


 木佐岡はフィギュアを手に取ると、佐原に手渡す。


「ほれ」


「す、凄……」


 喜びと驚きが混ざり、呆然とする佐原を前に、木佐岡は誇らしげに胸を張った。


 すると。


「ふ、ふざけんじゃねえぞ! それは俺らが取ろうとしてたんだぞ!」


 DQN達がこっちに向かってきた。

 反射的に、佐原を庇うようにして立ち塞がる。


「いや、あんたら台離れたでしょ?」


「うるせえ! まだやるつもりだったんだよ!」


「じゃあ台の近くにいればいいじゃないか。離れたろ。んで、遠くから俺らのこと応援してくれたじゃん。忠告してくれたし、頑張れとも言われたし……」


 ぐぬぬと唸るDQN達。

 かと思うと、一斉に木佐岡へ飛びかかってきた。


「生意気なんだよ!」


「死ね!」


「おいおいマジかよ……! クビになるだろうが!」


 身構える木佐岡。

 しかし、男達の拳が木佐岡に飛んでくることはなかった。


 先頭の男の腕を、誰かが掴んでいた。


「ストップストップ」


 近藤だった。

 彼だけではない。

 笠松や乙名志、亜沙岐、その他大勢の私服の自衛官達がDQNを取り囲んでいた。


 日頃からの鍛錬によって得た鋼の肉体。

 そこから発せられる無言の圧は、DQN達を戦慄させた。


「あのーなんといいますか、喧嘩はやめといた方がいいんじゃないですかね」


「周りに迷惑ですよ」


「聖なる日に喧嘩はちょっとまずいよねえ……」


「ひぃっ!」


 近藤が手を離すと、DQN達はそのまま逃げ出した。


 その瞬間、一気に緊張が解ける。


「……はぁーっ。なんとかなったー」


「あんたが手を出すんじゃないかってヒヤヒヤしてたわよ」


「もうやらねえよ」


 何が起こっているのかわかった時には、木佐岡は近藤に声をかけていた。


「お前ら、ついてきてたのか」


「ああ。ちょっぴり心配でな。何せ、女心が理解不能のオメーだからな」


「ちょっとは信用しろ」


 男達は、近藤の言葉に同意する。


 対して乙名志達は、つんとした態度だった。


「あんたが女の子泣かせるんじゃないかって思って見張ってたのよ」


「俺、全然信用されてねえ!」


 がくりと肩を落とす木佐岡であった。


 その後ろで、佐原がクスッと笑った。




 その後は予定変更となり、大勢で街を回ることになった。


 クレーンゲームをして、飲食店に行って、聖地に行って……。


 屈強な連中が大勢で押しかけてくるものだから、周りからとても驚かれた。


 そして、空が暗黒に染まり始めた頃には、巨大なクリスマスツリーの下にいた。


「綺麗……。これはバズる!」


「これはバズりますよ絶対!」


「あー、俺ん家に泥棒2人来ねーかなー。罠張って待ち構えよ」


「来ねーよ」


 スマホで写真を撮りながら、ワイワイする自衛官達。

 その光景を少し離れたところから眺め、木佐岡は思う。


 2人きりだったはずなのに、こんなに賑やかになってしまった。

 でも……。


「これも悪くねえな」


「私もそう思う」


 佐原も頷いた。


 そして、その美しい笑顔を向けてくる。


「今日はありがとう。こんな寒い日に付き合ってもらっちゃって」


「いや、こっちこそありがとな。わざわざ誘ってもらっちまって」


 赤い顔をしながら頬を掻く。


 佐原は、ふふっと笑った。


「今日はね、利也に息抜きしてもらいたかったんだ。いつも訓練頑張ってるし」


「そうだったのか。今日は結構楽しかったよ。これで明日からまた頑張れるわ」


 そう言った時だった。


 佐原の人差し指が、木佐岡の閉じられた唇に触れた。


 雪で冷たく、同時に暖かい佐原の指。

 思わず言葉を失う木佐岡。

 佐原は悪戯っぽく笑った。


「ダメダメ。今日はそんなこと考えない」


「お、おう……」


 キラキラと輝くツリーの光で、白い雪がさらに輝きを増す。


 人々は心から笑い、今日という日を楽しんでいる。

 笑い声や優しい言葉が飛び交う街は、本当に賑やかである。


「これが、ずっと続くといいね」


「だな。侵されたくないし、侵させない」


 2人は、笑顔で見つめ合った。


「メリークリスマス、佐原」


「メリークリスマス、利也」


 ツリーのてっぺんの星は、彼らを讃えるかのように美しく輝くのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 佐原さんが可愛かったです(*´ー`*) 本当に行きたい場所がデートコースだからか、佐原さんがとっても楽しそうでキラキラしてる感じがしました。お仲間達、きっと寒かったろうに、みんな優しいなぁ…
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