闇の中の真実を探して~その第11話~
敢えて記載せず。次回投稿をお待ちください。
「鎌田様。お待たせを致しました。」女将が締めの料理を運んできた。お盆の上に湯飲みが4つと茶筒と蓋をした容器1つだけであった。
「早速だが女将…。私の分を作ってくれ…。よく女将のやり方を3人は見ていてくれ。簡単だが…。」「この容器の中身は梅干しでございます。仕込みまじでから50年以上の梅干しを厳選して使っております。ご覧の様に白く粉が吹いた梅干し。とても甘くなっておりますが、梅干しでありますから当然塩気も残っており絶品の味に…。それを一粒湯飲みに入れて、茶ずつの中の昆布を一枚若しくは二枚梅干しに添える形で入れ湯を注ぎ箸で梅干しと昆布を潰しながら飲んで頂く形になります。皆様お試しくださいませ…。」鎌田を除く3人は女将やり方通りにした。由加は手際よく、内田と上杉は不器用な手つきで…。
「由加出来たようだな…。早速飲んでみたまえ…。女将私にもその器を…。」「美味しい…。これは美味ですわ。奥深い味。あの酸っぱい梅干しがこんな味になるなんて信じられない…。」由加が感嘆の声をあげた。
「それはよかった。気に入ったか?(笑)。では女将…。電話でお願いした様に。」「畏まりました。鎌田様。では早速に…。」女将が手を叩くと、中居が襖を開けて一礼し手提げ袋を女将に手渡した。
「由加そして上杉…。これは私からの君たちへのプレゼントだ。中身はこの梅干しだ。由加の生まれた年の紀州梅干し。この店で使っているものて同じ、女将が厳選して仕入れたものだ。」「伯父様…。」「社主…。」「上杉君…。梅干しと言うのは.さっき女将が話した様に、熟成してある程度の年月を経ると白く粉が吹く…。人間もそうだ。特に女性は…。私は乳母桜こそ女性の最高の円熟した年代と考える。由加は今が開花の年齢、これからが花盛りと思い大切にしてやってくれ…。社主としてではなく、伯父としての願いだ。」「男上杉御言葉肝に銘じます。」「伯父様…。」
女将が部屋を去るとまだ鎌田は語り始めた。政治談義の再開であった。
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