闇の中の真実を探して~その10話~
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに。
鎌田が箸を着けるのを確認して内田と上杉も箸を着けた。鎌田は85才だが御茶漬けをあっという間に流しのみ楊枝を咥える。「伯父様…。もう完食されたの?…。伯母が言っておりました。食べるのと女性に手が早いと伯父の事を…。」「そうか…。女性に手が早いのは所帯を持つまでだ。しかし飯は今でも早い。内田君と上杉君を見てみなさい。二人も既に食べ終わっているぞ…。新聞記者で飯を食うのが遅い奴は二流…。私の信念だ。由加…。」箸をつけてから3分も経たず完食する記者達を見て由加はあきれ顔をした。「由加。呼鈴をならしてくれ…。締めの料理が届く手筈になっているから…。」由加は指示された通り呼鈴を鳴らした。
「さて始めるか?。政治談義を…。アメリカ下院の、victory社の幹部数名の、議会特別聴取委員会への召喚は君たちも承知してるね?」「はい社主…。上杉とも話したのですが…。明らかに日米で連動して、中田前総理追い落としを企んだのが、今日の中田逮捕。しかし中田有罪の立証の決め手として、アメリカ下院でvictory社の幹部が、証言した内容を、証拠として日本の裁判所が認定するかどうかは疑問…。アメリカは司法取引がある国。司法取引で他国の司法当局が得た証拠で、日本の裁判所が証拠採用した先例もない。裁判のかなりの長期化は避けられないだろう。と話しておりました。」
「両君…。最高裁まで続く裁判になるのは必至だろう。10年裁判だ。下手をすればな。この鎌田は墓の下だろうおそらくは(笑)…。」「…。それといまだに日本をアメリカは口では一番信頼できる同盟国とかパートナーとか表現しますが、腹の底では敗戦国で属国か植民地かぐらいにしか考えていないのだろうと…。」
鎌田はその言葉に頷きながら、「考えておらんさ。あの国は…。喩えは辛辣かも知れないが茶坊主…。若しくは数多くいる愛人の一人ぐらいにしか(笑)…。悲しいかなそれが日米関係の現実だろう。」「世界の先進国と言われる国々は現在二つの陣営の何れかに属する形ですが…。アメリカは陣営の盟主、陣営に属する国は同盟国と言う名の属国か植民地、それの関係はアメリカの強大な軍事力。それが同盟国の行政府の政治決定に、影を落とすのは仕方ないにしても、その国の司法府の裁判所まで影響を落とすとなれば、事態は深刻だと思います。」今度は内田に代わり上杉が発言した。
「両君…。かって日本はアメリカと身の程知らずの戦争をしてこてんぱんに敗北した。残ったのは焦土と化した国土と飢えに苦しむ国民だけ…。寛大なアメリカ様?(笑)は慈悲のお心を以て我々日本をお助けになられた。その結果日本は戦後復興を果たし、今や世界の経済大国の仲間入り…。餓死寸前で路頭に迷っていた女性に洋服を与え住む場所を与えて生活支援した…。慈悲の心で、憐れみも当然あっただろうが(笑)しかし今やその女性は商売に成功し、宝石やら洋服やら全部ブランドで身を飾り金持ちになった。アメリカ様はそれが気に入らないから、今回お仕置きした(笑)。そんな話だろう。立場をわきまえろ愛人日本よ…。我々はまだ真珠湾を忘れてはいないのだと、アメリカは言いたいのだろう。」鎌田は辛辣な喩えを交えて解説を加えた。
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに。