まえがき
ようこそ、おいでくださいました。
まず、ここは小説になるかもしれない「ネタ」を売っている店でございます。
実際に手に取って見ていただくも良し、冷やかしも歓迎しております。
棚には、一点物の「ネタ」が並んでおり、どれも少々、使いにくいものになっております。
誰が使いにくいのかでございますか?
それはもちろん作った本人がです。
まぁそんな「ネタ」は本来は、倉庫に眠っているか、そのまま廃棄処分か、ですが、どんな「ネタ」でも愛着はあるというもの。
まぁ在庫処分がてら売ってみようと思った次第ですよ。
そんな「ネタ」ですから、お代はちょうだいしませんよ。
もってけ泥棒ってやつです。
さぁお客さん、買っていくなら、いくつか注意事項や禁止事項というものがありますよ。
それは、共通のものもあれば、「ネタ」ごとに違うというものもあります。
うん? 統一して欲しい?
それは、お客さん、無理な相談ですよ。
何てったってウチは、一点物しか置いてませんし、それに、ほら作った奴が捻くれてるもんだからさ。
さぁさぁ、これが共通の項目だよ。
目を通しておくれ。
あん? 分厚い?
馬鹿言っちゃいけないよ。
ウチは、ほら、捻くれた奴の「ネタ」しかないからさ。
えっ? 捻くれてるのは店主である私じゃないかって?
はぁお客さん、ひとつ教えておくよ。
私はね、捻くれてるんじゃなくて、捻じ曲がってるんだよ。
一緒? まだまだ青いね。
さぁ「ネタ」が欲しけりゃちゃんと読んどくれよ。