表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

0、或いはエピローグ



 神は存在しない。

 他でもない神本人が言うのだから間違いないだろう。



 だからと言って別段、神を信じ其の教えとやらを遵守しようとしている者を無意味だと嘲る事もなければ、ふとした瞬間思わず神頼みをしてしまう行為を小馬鹿にするつもりもなく。逆に一切神を信じない超現実主義者の肩を持つ目的も無い。

 其の辺りは好き勝手やっていれば良いと思うのだ。

 所詮此の世の事実など、個人の受け止め方で如何にでも変わってしまう。正しい事実等、正確には存在しないのだから、誰かが信じると言うのであれば其の誰かにとって神はいるのだろうし、誰かが信じないと言うのなら其の誰かにとって神はいないのだろう。

 十人十色なんて便利な言葉があるが正に其の通りなのだ。

 別に人間の誰かが神を信じ敬っても、あまりに不条理な出来事を神の所為だと責任を求めても、或いはそうした人間全てを馬鹿にする様に笑ってみせる人間がいても、どうぞお好きな様に語っていてくださいといったところで、改めて口出しする必要は毛頭感じられない。


 しかし。

 そうした考えとは無関係に、端的に、事実のみを求めて問われれば先述のソレと寸分違わぬ言葉を返す。



 神様はいますか?

 神はいない。



 或いはもし其れが適切な返答でないと誰かが言うのであれば、こう言い直しても良い。

 あの日を境に神は死んだ、と。

 もっとも現在があの日よりも後に存在している事実を思えば、既に神が死に絶えた後である為、存在しないと答えても問題無い様に思えるが。


 或いはもし、何処かの誰かが、其れでさえ十全な返答ではないと糾弾するのであれば。

 事実のみを端的に求めた問いに対して、多少適切さは欠くと自覚しつつ、こう言い直しても構わない。




 ……あの日を境に、オレの中で神は死んだ、と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ