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Prologue:「 」
「貴方の答えは?」
風が吹き、目にかかっている金髪を揺らしながら琴乃は言った。
「お断りだ……」
神無の唯一の武器であるナイフは琴乃の足に踏まれており、ナイフを扱う僕の両手は手錠で縛られている。さらに、琴乃は全弾装着された拳銃を僕から約5メートルの距離で構えている。現状において、抵抗は無理であり、無意味でさえある。
「そう…残念だわ」
琴乃は溜息を吐くこともなく、落胆することもなく、事務的な口調で言った。
「俺は…………貴女を殺したい……」
神無は呟いた。
「殺せるならどうぞ」
琴乃は不敵な笑みを神無に向ける。琴乃の顔には余裕が溢れていた。神無はもっと琴乃を殺したくなる。
琴乃はどうやら自分の作戦が成功するのを確信しているようである。
「全て、貴女の思い通りになるのかな?」
神無は初めて人前で本当の笑顔を見せた。
「これは、恋愛のジャンルの作品なのか?」とか思った人、これは恋愛ジャンルの作品です。