意思伝達(リーク)
高校生はさほど苦労も苦痛も感じないとても穏やかな毎日だった。
逆に穏やかすぎて毎日に飽きるくらいだ。
部活は弓道部に入っているがたまにしか行かない。なぜなら面倒だからだ。
今はこんなのんびりした毎日を送っていようと思いたくなるこの青空と風。
ーーーあれ?いつもと違う
そんなことを感じた。なんだか違和感がある。
俺は辺りを見回し、今いる場所と状況を確認する。
現在は屋上にいる。なぜなら昼休みで昼食をとっていたからだ…
目の前には今日食ったパンの空の袋
「なんだ…いつもと一緒じゃん」
俺はおかしな癖があって、例えば寝ていた時に見ていた夢を起きた直前で忘れてしまうという謎の癖がある。
今日もそんなような状態が発動したのだろう。
そんな自分に失望する。
俺は嫌気がさし、屋上を後にする。
屋上のドアを閉めようとした時、一瞬空が赤く見えたが、気のせいだろうと目をこすって、ドアを閉めた。
---この時に気づいていればよかったのに…。
◇◇◇
森林に囲まれるこの森、もはや樹海と言っていいぐらいの森林の中、8つの席に座る何か?が喋っているのが見える。
これは夢なのか…?
そうおもっていると一匹の電流をまとう何かが、独り言のように喋り始めた。
「やっと…やっと見つけたよ…ゼロ。新たな後継者の誕生だ。」
今度は体が青い獣のようなものが喋り始めた。
「イカヅチ。あいつが本当にゼロなのか?」
どうやら電流をまとっている何かはイカヅチというらしい。
「ああ、あいつこそゼロにふさわしい。」
ゼロ…?ゼロとは一体なんなのだろうか。
ツッコミどころと謎が多すぎる夢だと思った、瞬間突然電流をまとったなにかが、こっちを向いている。
まるで見えているかのように。
そしてこう言ったのだ。
「待ってたよ…ゼロ…いいや、ヒイラギレイ。」
その言葉を聞いた瞬間こっちの世界に帰ってきたかのような感覚がした。
何かかっこいい事を言っているがただの睡眠である。
しかも授業中であったため教師に叱られた。
負の連鎖だ。
今日は明らかに何かが…何かがおかしい。
妹から頼まれた買い出しに行って帰ろう。
…おっと今日は部活と言ったからあいつに任せたんだった。
ふと隣を見ると笑ってる女子が腹立たしい。
残りの授業時間は何をしていたのかは覚えていない。