凜桜の恋心
「ごちそうさまでした~」
いつものように、キッチンに食器を置いて部屋に帰ろうとした時。
「あ、あの…遥くん…ちょっと良いですか…。」
と、後ろから囁くように言われてちょっとビックリした。
「ど、どうしたの?」
何か、相談事だろうか…いつもなかなか話しかけて来ない凜桜が話しかけて来るって事は、相当困っているのだろうか…。
「あの…相談と言うか…とりあえず来てください…。」
と、言われたのでここで言えない事なんだと察しついて行く事にした。
「すいません、急に呼び出したりして…」
「大丈夫だよ!それで、相談って?」
そう聞くと、凜桜は恥ずかしそうにしながら
「実は、僕…楓ちゃんの事が好き…何です…」
それを聞いて、空いた口がふさがらなかった…
「本当に…?」
顔を真っ赤にしながら、コクリと頷いた。
「昔、楓ちゃんに助けられたのが始まりです」
いきなり語り始めた!?
「僕、昔から見た目も名前も女の子みたいだっていじめられてたんです。そんな時、楓ちゃんは僕に男の子としま見てくれて…いじめっ子に立ち向かってこう言ってくれたんです『凜桜くんは、男の子だし凜桜くんの名前は、凜桜くんのお父さんとお母さんが一生懸命つけてくれた名前何だよ。なのに…なのに…いじめて…り…おくんは…傷ついてるんだよ…。』って泣きながら一生懸命…。それを聞いて、女の子を…楓ちゃんを守れる男に成りたいって思うようになったんです…。」
楓が、そんな事を…
「そうだったんだ…。」
「だから、告白をしようと思って…て」
こ、告白!?まだ、早くない!?
「告白って、好きですっていう?」
「いえ、結婚を前提にお付き合いして下さいって言おうと思ってます!」
へぇ~結婚を前提にね…
「はぁぁ!?」
「ひぃぃ…ダメでしたか…。」
嫌、ダメでは無いけど…
「凜桜、お姉ちゃんをよろしく!って言っても楓は、何て答えるかわからないけどね…頑張ってね凜桜!」
僕は、凜桜を後押しする事にした。
「あ、ありがとうございます!」
嬉しそうな顔をしている、凜桜を見てると僕まで笑顔になれる。
「楓ちゃん!ちょっと良いですか?」
早速、告白するのかな?
「うん、良いよ~!」
「何の話?」
あ、凜桜緊張してる…
「あの、け、結婚を前提に…お付き合いして頂けませんか!!」
いつも照れない楓が、照れてる…
「え、凜桜くん…」
「返事は、いつでも大丈夫ですから!!」
そう言って、走り去ろうとする凜桜を楓が…
「待って!凜桜くん!返事するよ!」
止まって、顔を真っ赤にしてる凜桜。
「わ、私もね…凜桜くんの事が好き!大好き!け、結婚を前提にお付き合いするよ!」
「ほ、本当ですか!?」
驚いてる凜桜に楓は笑顔で頷いた。
「ん?遥何してんの?」
ヤバっばれた…
「え、散歩中…」
家ん中散歩とか、嘘下手だな…僕。
「予知出来た!凜桜くんは、将来の旦那さんだから遥の義理の兄貴だよ!」
未来予知って、本当に便利な能力だな…
「本当ですか!?」
「うん!」
よかった…ばれてなかった…。
そろそろ、部屋に戻ろう…。