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心の闇

ミッションも無事終わり、寮に帰って来た僕たちは夜ご飯まで各自部屋にいた。


ちなみに、僕と同室なのは楓だ。普通は、男女別けるのが決まりだけど、双子だから…っていう理由で、同室にされてしまったのだ。


「はるくん~ここわかんない教えて~!」

楓は、相変わらず元気だな…僕はそこまで元気じゃ無いんだけど…でも。


「何処が、解らないの?」

同室でも、まぁ~良いか!何て、思っちゃうんだよね…。


「ここ!xがyに移項するとか意味わかんない!?」


「そこ、こないだ原野先生が説明してたじゃん」

楓は、本当に頭悪いな…ビックリするぐらい。


「原野先生、ほぼえーしか言わないから大事な所全然わかんない~」

原野先生、不憫だなぁ…。


『皆さん、勉強中失礼します。凜桜です。ご飯の準備が出来ました。リビングに集まって下さい。』

テレパシーだ。


「楓。ご飯行こう。」

勿論、と言わんばかりの無邪気な顔で笑った楓。


「いただきまぁ~す」

僕らが、何故寮生活をしているかというと理由はこの能力にある。


今から、15年前の事。

僕らが、まだ生まれてもなく生命が宿ってすらなかった頃の話。僕と楓のお母さんは、なかなか子供が出来ず子供を諦めようとしていた。その頃発足した、TSプロジェクトは能力を持った人間が作れるかどうか実験したかった、だからなかなか子供の出来ない夫婦や、お金に困っている夫婦達に声をかけた。

そして、成功したら報酬金を出すとまでいい日本中で、第二のベビーブームが起きた。

そして、僕と楓は産まれた。しかも、まれに見ない双子の能力保持者だったもんだから、研究者達は大騒ぎ、お金をたくさん出すからこの子達をくれと言ってきたそうだ。

勿論、お母さんは断った。研究に参加した理由は子供が欲しかったからだ!ってね。でも、研究者側はたくさんの嫌がらせや、心理的嫌がらせで、何度もお母さんを痛め付けた。

そして、7年の月日を経てお母さんが…大好きなお母さんが…亡くなったんだ…。

悔しかった、研究者達をたくさん恨んだ。

恨みだけじゃ足りないくらい…。そして、お父さんはお母さんが死んだ償いの為に研究者達の所に行けっと言った。勿論、僕と楓のせいだから…。すぐに出ていった。行き場は、研究室ではなく同級生がたくさんいるこの学校だった。寮も、外見は普通の家と変わらないし、内面だって部屋の数が多いのを除けばおんなじだ。だから、僕らは研究者達の出すミッションをクリアしてこのいい環境で、育ててくれてる生活費のお返しをしている。

確かに、たくさん恨んだ。けど、お母さんも今の環境を望んでくれている…そう思いながら今、生きている。

読んでいただきありがとうございました!!

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