表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聞こえる音は…

作者: ぶんぶん丸

コツ… コツ…コツ…


廊下に靴音が響きゆっくりと近づいてくる




その日、坂本アケミは保健室で仮眠を取っていた。

5限目の授業は彼女の嫌いな授業であることが多く、時たま仮病を使いサボっていた。


四方を白いカーテンに仕切られた、清潔な白い世界で目を閉じる。

すでに授業が始まっている為、校内には蝉の声だけが響いていた。

そのまま意識が遠のいていく。


ふと異変を感じ目を開ける。


半覚醒状態の、ぼんやりした意識。

身体はまだ眠りにあるのか反応が遅く、ゆっくりと頭を動かし状況を確認する。


部屋の灯りは消え、カーテンはねずみ色に薄暗く彼女を囲んでいた。

校内で活動する音は消え、微かな耳鳴りがする程静まり返っている。


寝すぎたのだろうか?

夏にこの暗さは7時を過ぎている。

先生は起こしてくれなかった?なぜ?


起きかけの頭でぼんやり考える。

身体を起こそうにも気だるく動かない。

しばし、ぼおっと天井を眺めるが、


…コツ


遠く、廊下の奥から靴音が響く。


…コツ


残業をしていた先生だろうか?それとも警備員?


…コツ …コツ


足音は保健室へと近づいてくる。

一歩一歩、ゆっくりと確実に。


…コツ …コツ


あと数歩で保健室にたどり着く。


…コツ …コツ


足音が止まった。

そしてそのまま保健室のドアに手をかけてー


「坂本さん起きてますかー?」


気づくと部屋は明るく、熱を持った西陽が差し込んでいた。

蝉の声もひびき、掃除の時間を告げる放送が聞こえる。


「大丈夫? 今から掃除だけど、終わるまで寝てていいからね」


様子を見に来た校医にそう言われ、再び目を閉じる。

後15分…


…コツ…コツ


蝉の声は消え、遠く廊下を響く足音だけが、校内に響いている。





ホラー企画用に書いて見ましたが間に合いませんでした

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ