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ヤンデレに関してのもろもろの思考

作者: 白い秋

 ヤンデレについて考えてみたい。


 最初に注意事項をば。 


 あくまでここにあげるのは筆者の考えている限りのものであり、あくまで一個人の意見として考えていただきたい。


 そもそもがヤンデレ、というのはそれ単体がジャンルであるわけであり、人それぞれに好みがあり、これこそがヤンデレである、と言い切れるものは無いといって良いだろう。髪型でロングが好きな人でもウェーブやカールが好きな人がいるのと同じだ。


 それでも宜しければ、お目通しをお願いします。 


 では、考えるのを始めよう。


 病むほど主人公に対してデレてしまう、その略称であるところのヤンデレについて、である。


 何故これを書こうと思ったかを説明すると、ヤンデレと暴力を等号で結ぶ作品が増えてきたのではないか、ということからだ。無論、全部の作品がそうとは言わない。


 だが、ヤンデレ、といえば血を見るのが最近の傾向と思われる。


 確かに、ヤンデレはそのような側面があるかもしれない。しかし、それだけではないのも確かだ。


 簡単かつおおまかに言えば、ヤンデレは三つに分けられると思う。


 対象攻撃型、他攻撃型、自己攻撃型。


 対象攻撃型は言わずもがなだろう。無論、此処での対象というのは、病むほどに愛している相手のことである。

 

 あんたを殺してわたしも――。

 

 私のものにならないなら――。

 

 この系統はこの型に属する。ああ、監禁もこれに入る。この型にいえることは、急にこの形に入ることが多いことだ。


 修羅場から流血コースに直行、というパターンが多いかもしれない。まあ、行動が行動だけに、伏線など張ってあったら驚きが薄くなるから仕方がないともいえる。


 正直この型は痛食気味なのでこれくらいにしておこう。懸命なる諸兄も見飽きたからよく知っているのではないだろうか。


 次に他攻撃型。


 これは、まあライバルキャラに彼には近づくな、などと脅迫するのが多いだろう。


 貴方には私さえいれば良いよね?だって、愛してるもの――。


 貴女、彼に近づかないでもらえる?彼女は私なの。……分かって、もらえるわよね――。


 などが多いだろうか。この対象攻撃と他攻撃の二者は行き過ぎた独占欲ではあるが、その対象の違いが大きな注目すべき点となっている。


 他攻撃型の方が、何かと面倒だろう。対象攻撃型は直情が故に相手に危害を加えるが、他攻撃型は、頭が切れるが故に周囲を攻撃していくのだから。


 如何に男に気づかれずに五月蝿い物どもを排除するか、それのみに思考が特化している。


 同じ二人だけの世界に没頭したい、その思想は同じではある。しかし対象攻撃型が、死んでも一緒だよ。監禁したよ、いつまでも一緒だね。などど女にとってはどこかメルヘンな物であることに対して、他攻撃型は、如何に男をわがもにするか、いかにして男を孤立させるか、如何にして邪魔な物をどかして隣に自分が座るか、など、冷静な現実的なものといえる。


 また、男の対応によっては、後述する自己攻撃型にも、対象攻撃型にもなりうるのがこの型の面白――もとい、興味深い点だ。


 考えても見て欲しい。例えば貴方なら、自分を愛するがあまり、自分の身近な女性が他の物に危害を加えていると知ったらどうするだろうか。


 非難するだろうか、拒絶するだろうか。受け止めるだろうか。


 拒絶された場合、過去の行動を悔いて自己を傷つけたり、理解してくれないことに憤って物理的に二人だけの世界に浸ろうとするかもしれない。


 それとも、心が覚めて離れて行くかもしれない。


 しかしながら、正直なところ、受け止めたほうが大変だと思う。


 裏切れないどころか、疑いかけられるような行動すら取れないのだ。


 疑いをかけられたものが傷つけられるかもしれないからだ。他ならない自分の彼女によって。それも、自分のあずかり知らぬところで。


 ……これ以上の板ばさみはあるだろうか。


 周囲のつながりを大事にしたいのは人間ならだれもがそうだろう。それを、他ならない彼女の過去の行動が許してくれないのだ。


 如何に聖人君子になれど、過去は拭えないのが人間の本質だ。どうしても、過去の行為が脳裏をちらつくに違いない。


 ……拒絶したほうがましだとは思わないだろうか。それでも改心させられるだけの主人公がカッコいいと思うが、この型は大体賢い為、寧ろ主人公がやり込められる可能性すらあるかもしれない。


 最後、自己攻撃型、である。


 よくメンヘラとヤンデレが間違われるのは、この型があるが故だろう。


 文字通り、自分を攻撃する型である。


 相手に対して言った言葉、行為、それらを後悔して行き過ぎた懺悔として自分を傷つけるのが大概だろうか。


 これが相手に振り向いて欲しいことから行なうのは、メンヘラとなる。何故ならば、そこに相手への愛よりも寧ろ、愛しているのに振り向いてくれない不幸なヒロインに酔い、自己愛が多分に含まれているからだ。


 相手を思いすぎるあまり、思い詰めて自傷に走るのがヤンデレ。今おかれた状況に酔って自己愛だけで馬鹿なことをするのがメンヘラ。


 恐らく、この違いがヤンデレとメンヘラの差だろう。一概には言えないだろうが。


 自己攻撃型というのは一番、書いてて、見ていて面白――面白い型ではないか、と思う。


 何故ならば、自傷に至るまでの葛藤があるからだ。


 葛藤に至るには、対象とのコミュニケーションが無ければならない。何もしていないのに後悔が振って湧くわけはないのだから。


 そして、失敗してしまう。他攻撃型がばれたのかもしれないし、どこかで失言をしたのかもしれない。あるいは自分の隠したい境遇がばれたのかもしれない。


 このままじゃ駄目だと、悶々としながら過ごす。彼から離れたくはないし、彼が離れてしまうようなことはしたくない。しかし改善の余地は見受けられず、ついには自傷に走る。


 どうしようもできない自分が嫌になって。


 ……いやぁ、いいね。


 失敬。本音が出てしまった。


 ここら辺の文章をどうまとめるかは、作者の手腕だろう。


 あと、これは自傷だけではなく、相手に自分を嫌うように差し向ける、なども行為としてはある。


 珍しい物の、少しだけ見受けたことはある。 


 この自己攻撃型、というのは、一番平和である。なにせ、思い悩んでいるだけなのだから、はたから見るだけでは分からないのだ。とはいえ、自傷に走るくらいになると、流石にはたからみて分かるくらいには変化はあるだろうが。


 また、それに気づいたとしても、諭したとしても、こんな私じゃ、あんなことをしちゃったら、などと、デモデモダッテの状況に陥るのもこの型の特徴だろう。全て自分ひとりで責任を負っているのだ。ある意味、本当に男を愛している型といえるかもしれない。


 ……とりあえず、これくらいにしておこう。


 故に、これは大雑把な物に過ぎず、大きなくくりの話でしかない。


 説明も簡素である為、分かり難いかもしれない。もしご要望があれば、それぞれにもっと踏み込んだ説明をしていく所存だ。


 この稚拙な物がヤンデレ、あるいはそれに属するものを書こうとしている方の参考になれば、幸いだ。

以上となります。

お目通し、有難うございました。

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