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騎士見習いのパシリ先

「あ~あ。めんどくさいなぁ...」

エリックは手紙を手に隣の国に走る。


大国『グレンシア』。

エリックはそこで暮らす騎士見習い。

見習いのため、今日は隣の国のお姫様宛てに書かれた王子様の手紙を渡すパシリ。

郵便屋に頼めばいいだろ!!!

馬も使えない。

パシリだもん!!!


護身用の剣も安物。

パシリだもん!



はい、パシリで悪かったですね!

思い描いてた騎士とは程遠いです...。


疲れた...。

エリックは近くにあった大岩に腰掛けると水筒に入れた水を飲んだ。


「あと二十キロ!

頑張るぞ~!!!

ぉ-...」

エリックは元気なく足を動かした...。





「やっと着いたよ...疲れた~...

後で水汲んで貰おう...」


見慣れない人達に手を振りながら城に向かった。

「すみません。」

エリックは番兵に尋ねる。

「お姫様の部屋はどこらへんですか?

僕、王子様のお使いのものです。」

ずんぐりとした大男は親切に場所を教えてくれた。

どうやら彼も見習いらしい...。


「ここか...」

エリックは手紙を紙飛行機にして開いた窓目掛けて投げ入れた。

よっしゃ!ナイスストライク!!!




....帰ろう。

なんかくだらなくなってきた...。


「そこの君!」

「!?」

振り返ると、甲冑を纏った騎士が現れた。

「見慣れない顔だが?」

「僕...近くの国で騎士やってます。」

「ならば」

騎士は剣を握りしめた。

「お手合わせ願うっ!!!」

「いやあああああぁっ!!!」

エリックは真っ青になって逃げ出した。

「待たんか!!!」

騎士も後から追いかけた.....。



二時間後...

エリックと騎士は近くの花畑でバテた。

「はぁ...はぁ...」

「ぜぃ...ぜぃ...逃げるとは卑怯な!!!」

騎士は剣を振り下ろした...が、疲労のあまり力なくエリックの振るった剣に弾かれた。


「はぁ~...わたくしの負けですわ。」

甲冑を取ると、そこには絶世の美少女が微笑んでいた。


「フランベールジュ王国の姫『マーガレット』、完敗ですわ。」

「そうでしたの。」

紅茶を手にお姫様はホホホと笑った。

「笑わないで下さい!

恥ずかしいじゃないですか!!!」

「あら?普通なら姫への軽口は万死に値しましてよ?」

「すみません...」

「わたくしは特別に許可して差し上げますわ。」

そういうとマーガレット姫は手紙を暖炉に入れた。

「ええええぇっ!?」

「あんな低俗な王子の求婚など認めませんわ。」

「はぁ...」

帰ったらどうしよう...

「ここに手紙がありますわ。

この手紙を王子に渡しなさい。

そしてまた明日来なさい。」マーガレット姫は笑顔でエリックにお菓子と手紙を持たせると国へ送り返してくれた。




あれからというものの、エリックは一生懸命パシリに励むようになり、毎日マーガレット姫と手紙配達という名のデートをしている。





今日もパシリ頑張るぞ~♪

待ってろよ~♪

マーガレット姫!

マリーちゃん!!!

(誰って?隠し子だよ!...ああ!できちゃったんですよ!!!)

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