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美女と野獣Lv100 その2

 パルティアマーダ島。はっきり言って文化未明の秘境です。島には外部の者を非常に嫌う少数民族ファプァタが住んでおり、世界から隔絶された暮らしをしています。

 近隣各国も彼らを刺激しないよう、しかし何かあったらすぐに対応、干渉、介入できるよう、触れたり触れなかったりの距離感で置いていました。もちろんこれは父権主義(パターナリズム)母性主義(マターナリズム)だとか彼らの自主独立を重んじるとかいうより、『他国が自分たちを差し置いて島を植民地化し、利権を独り占め』とかしないように相互監視という、列強の汚さが見え隠れしている措置ですが。

 まぁ、そんな周囲の思惑は別として、今回はその注視体制が功を奏し、ある異変を素早くキャッチできたのです。



 それが、パルティアマーダ島内での、未知の熱病の爆発的感染でした。



これにはさすがのファプァタ族も意地を通せず、列強としても恩を売って懐柔するチャンス。医師団を派遣することになりまして。



 そこで白羽の矢が立つのはやはり! 当ギルドでございます!



 オーナーよりメンバー選抜を仰せつかった私ですが、その時意識するよう言われたのが以下のポイント。


「いくら請われて派遣するとは言え、向こうは排他的な性格が根付いてるんだ。丸腰で乗り込むと危険かもしれない。治療班の他に『保険』を入れておくんだ」


なんだったら仲介してくれる列強だって、どこまで信用していいか分かりませんからね。懐刀は当然のことです。


 しかし! 天才美少女モノノちゃんは考えた!

『いくら備えが必要とは言え、警戒心マックスの相手のところに“拙者なんかあったら殺し合いも辞さないでござる”みたいな顔と装備した人送り込んだら、ヤバいのでは?』と。余計な刺激をして、無駄に衝突しやすくなるんじゃないか、と。


そこでこのモノノ! 相手がどれだけ警戒していようと関係ないマネジメントを思いついた!

そう、『相手の敵対する気持ちを失わせてしまえば平和になる』と!


 というわけで私は今回のパーティ、『薬師如来』とあだ名されるユイトさんと薬作りが得意な錬金術師のビゴさんに加え、『スキル:完全掌握(ヴィーナスチャーム)』を持つアリアさんを編成しました!

あらゆる存在を心底魅了するチャームを持った彼女なら、ファプァタ族もお友達ということです!

勝った! 消え去れ未知の病原菌!






 という形で行われた今回のクエスト。確かに私たちと同じように熱病が関わっている話ですが、まさかそれが原因? 病原菌を持ち帰ったとか?


いえ、それはありえません。なぜなら、


「でもトニコ、ユイトさんたちは『帰ってくる時に、感染していないことは確認した』って言ってたよ? 『衣服や荷物も消毒してきた』って。パルティアマーダのクエストからは、感染経路がないよ」


まさか転生者追放者の方々が、ミスや見落としをするはずはありません。

え? そうだよな、いつも見落としがあるのはおまえだもんな、って? HAHAHA! 殺すぞ。

ちなみに現在ユイトさんとビゴさんは、街中を治療に奔走してらっしゃいます。


で、トニコはというと、私の反論を受けて困ったように頭を掻いています。実際に痒いわけではないからいいでしょうけど、多分防護服と手袋のせいで掻けていません。


『いやまぁ、そこはモノノちゃんの言うとおりなんだけどさ〜』

「じゃあ何」


トニコが少し窺うような角度で目線を寄越します。ゴーグルくちばしマスクでチラ見してくんな。圧がすごい。


『長くなるよ〜? モノノちゃん熱でしんどいでしょ? 休んだ方がいいんじゃない?』

「そんなこと言われても、ここで話切られたら気になって、休むに休めないよ」

『そう〜?』


今更です。病床の人間に押しかけて話し始めといて、何を言うてはるのやら。そんなの気にするなら、初めから仕事の話題振るんじゃないよ。


『じゃあ話すけど、途中で眠くなったら遠慮しないでね〜?』


私がおまえに遠慮などするものか、ということに気づかないトニコによると、どうやらことの顛末はこういうことだったそうなのです……。

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