表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この同棲がバレたら(社会的に)死ぬ  作者: 平光翠
お坊ちゃまとの邂逅編
55/58

【S&F配信】2人のイケボが初のトレンド入り!?【Vtuber/マコトchannel】

「やっぱり、私も手伝いたいよ……」


 寂しそうにつぶやく彼女が印象深く頭に残り続ける。

 私はその言葉に対して返事をすることが出来ないまま――。そして日時は流れてレウスさんとのコラボ当日を迎える。珍しく、サポートをしたいと食い下がるほのかを宥めてから、配信の準備を始めた。


『では、挨拶はレウス様が先にさせていただきます。マコト様も続けて()()()()挨拶をお願いしますね』

「わ、分かりました!!」


 瀬場さんの鋭い声音に気圧されながらも配信を開始する。加速するコメント欄に応じるようにレウスさんが声を張り上げた。


『ごきげんよう諸君!! 神天皇グループ広報担当兼CSAA代表取締役兼イケボ軍人Vtuberのレウスだ』

『今日は事前に予告している通りスペシャルゲストを呼んでいるぞ!!』


「こんばんわ。マコトです。今日も見に来てくれる皆が大好きだよ~」


カルボナーラ:めっちゃ予想外のコラボ~!!

ステップステップ:超楽しみにしてた!!


マックのポテト:初絡みの人だよね? キャラ濃いな~www

スレイマンの星:この人知ってるけど配信見るのは初めてだ


『今日はマコトにソルファイを教えてもらうぐらいの気持ちでやっていこうと思う』

「感覚でやってるから、教えるとかは難しい気がするな~」


ステップステップ:ヴォイドからも教えてもらってるんでしょ?

スレイマンの星:マコくんゲーム上手いから、何とかなるんじゃね


「レウスさんの配信見てたけど、エイムが一番の課題かな~。でもこれは経験の部分もあるから、すぐに実践できそうなのは、相手の思考読みかな」

『マコトがゲーム上手とされる理由だな。相手の行動を予測して、事前に潰していく戦法!!』


「全然、戦法なんて呼べないよ。プロが相手には全く通じなかったし」


ステップステップ:いや、プロ相手にその勝負仕掛けられる時点で、だいぶ強くね?

ビスケット:よく分かんないんだけど、国語の問題の話してる?

カルボナーラ:マコくんってゲーム上手い方に入るのか。いつも見てるけど、よく分かってなかった


スレイマンの星:実際に見せた方が早いんじゃない?


「あー、コメントからも実際やって教えようってなってるから、とりあえずマッチ行きますか」

『ぜひ、学ばせてもらおうかな!!』


「このステージだと、定石的には地下道行きたくなるんですけど、相手もそれは同じで……。武器とかは弱くなるかもですけど、あえて上取っておいた方がいいかもですね。上で接敵したら、すぐに地下道に隠れられる裏道まで走れば、ギリ間に合います」


「まぁ、プロ相手だとその判断下す前に裏道潰されますけど」

『裏道潰しをされた場合は?』

「時間アドがあるので、そこ軸に攻めるしかないですね」


ビスケット:やっば、全然何言ってるか分かんねぇ

豚の餌:出た、マコトくんのボソボソイケボ!!

カルボナーラ:いつものダウナーショタボとも少し違う感じがめっちゃいいよね


『ちょ、ちょっと待てマコト……。よくそれだけ喋りながら、武器やアイテムの調達が正確に行えるな!? 早すぎて追いつかないぞ』

「ああ、ここは慣れと経験です。ゴミ武器の確率が高いポイントをあえて捨てたり、自分の持ち物から、次に何が必要か判断して動いてるんです」


『いえ、そうではありません。レウス様が言いたいのは、速さと喋りの両立についてです。配信をしているプロゲーマーや配信者を見て勉強していますが、普通の会話をしながら、ゲーム内でも機敏に動いていた者は少ないですよ……』


豚の餌:何今のかっこいい声の女の人?

ステップステップ:あ、セバスチャンだ。居ないかと思ったら居た


マコくん最強卍:え、今の女、だれ?


『あー、紹介し忘れていたな。マコトの配信しか見ていない人にとっては初めましてだろう。俺の専属使用人のセバスチャンだ。ただのサポート役だから立ち絵とかはないけどな』

「でも、セバスチャンのファンアート、いっぱいありましたよ」


『俺の絵よりも多かったんだよ!! そこだけは納得いかない』

「2人の絵、僕よりいっぱいあるからいいじゃん」

『……うーん、突っ込みにくい自虐だな~!!』


スレイマンの星:レウス様、めっちゃ困ってるじゃん

ステップステップ:その呼び方、こっちでも定着しちゃったか~www


『話を戻しますが……。マコト様、ゲームと雑談を同時にこなす秘訣などあるのでしょうか?』

「いや、そればっかりは何とも言えないですね……。小さい頃からアレコレいっぺんにやるのが得意だったんで。ああでも、そもそもの要領が悪いからダメですけど」


『そんなことはない。実際、今は活かせている。先日の配信で気付いた者も多いと思うが、俺はゲームをしながら話すのが苦手なようでな。話すのに夢中になってほとんど勝てなかった』

『シンプルにレウス様が弱いからでは? ……申し訳ございません、失言でした』

「高速謝罪!?」


『手のひら返すように謝るぐらいなら、最初から言うな!!』


『……!! レウス様、マコト様、お2人がSNSでトレンド入りしております』

『話を逸らすにしても、他になかったのか……!?』


「あ、本当だ。Wイケボでトレンド入りだって」


豚の餌:全くその通りだけど、微妙に嬉しくない……?

スレイマンの星:コレ考えた人、逆にセンスあるね


【カルボナーラさんが500円スパチャしました】

カルボナーラ:何気に初トレンド入りだよね? めっちゃおめでとう


 配信の設定画面を操作して、レウスさんとセバスチャンに聞こえないようにミュートにした。いくつか飛んできた祝福のスパチャに謝辞を返す。トレンド入りと言っても、せいぜい一瞬話題に上がった程度のことで、もう一度見ようとしたときには消えてしまった。


 あ、切り抜き用にスクショ撮るの忘れた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ