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この同棲がバレたら(社会的に)死ぬ  作者: 平光翠
大忙し配信編
28/58

【誕生日配信】初配信を見返そう!! 羞恥プレイです【お祝い/記念配信】

 さて、私の誕生日は、これからが本番!!

 ……と息巻いたのはいいが、いざ目前とすると緊張してくる。そもそも私の誕生日をお祝いする為だけに視聴者が集まってくれるだろうか。皆に誕生日をお祝いさせるなんて、とんでもないエゴなのではないだろうか。


「真琴、余計なことぐちゃぐちゃ考えないで、とりあえず行ってみたら? ダメだったら私の胸で慰めてあげる。好きでしょ、コレ?」


 豊かな胸元を指さしながら薄く微笑む。その言葉に救われて、私は確かな足取りで配信部屋へと乗り込んだ。


「こんばんわ。マコトです。今日も見に来てくれる皆が大好きだよ」


 配信の画面が切り替わり、コメントの流れが一瞬止まる。すぐに流れ始めたお祝いのメッセージに、思わず言葉を失ってしまった。


ビスケット:誕生日おめでとう~!!

豚の餌:神様、イケボショタと同じ時代に産んでくれてありがとう

A~A~:誕おめ!! ハピバハピバ!!


【スレイマンの星さんが1000円スパチャしました】

スレイマンの星:誕生日おめでとう!! 生まれてきてくれてありがとう!!


「うお、スレイマンの星さん、スパチャありがとう!! それに、いつも配信に来てくれてありがとうね」


 溢れるお祝いメッセージに追いつけない。次から次へと祝福のメッセージが流れてきて、暖かい空気に思わず和んでしまった。全員の名前を呼んでお礼を言いたいぐらいだが、それだけで配信が終わってしまいそうでもある。


 企画を考えてきたのはいいのだが、それをうまく流れに乗せるのが難しい。どうしようかと思案していると、ふとオタクさんやレナさんのメッセージを思い出す。

 裏方、配信、それぞれ才能を発揮する場所は違うけれど、流れを掴んで話をスムーズに回す2人はよく似ている。その力をほんの少しだけ分けてもらいたい。


「……皆、お祝いありがとうね。配信初めて3か月ぐらいしか経ってないけど、皆が応援してくれるから続けてこれたよ」

「初配信の時はね、すごく緊張したのを覚えてるなぁ。本当に、吐くんじゃないかってぐらい緊張してて、ファンもいないのにアンチに囲まれたらどうしようってビクビクしてたよ」


ビスケット:マコトくんの初配信って見たことないかも?

スレイマンの星:どんな感じだった?


「実はさ、初配信は緊張しすぎてほとんどしゃべってなかったから、非公開にしちゃったんだよね」


モネ:ええ~、めっちゃ見たい~!!


「モネさん、やっぱり? そう言われると思って、準備してありますよ」


「というわけで、誕生日記念配信の企画1つ目!! 初配信を見返そうのコーナー」

「多分、超つまんないから、それだけ注意してね」


スレイマンの星:めっちゃ気になる!!

耕:マコトくんはつまんないところが面白いまであるから、大丈夫


「耕さん、それ、全然褒めてないね!? もういいや、とりあえず、流すよ~」


『あ、皆さん初めまして、マコトです……』


 ボソボソとテンションの低い声で自己紹介をすると、しばらくノイズだけが流れる。初配信は話題のゲームをプレイするという名目でやっていたのだが、配信時間の半分は無言だ。


『今日は、ソルジャー&ファイトやります。……あ、ランクです』


 またも無言の時間。ゲームが始まってから、やっと『よろしくお願いします』とチームメンバーに声を掛けただけである。もちろん、ボイスチャットは入っていない。

 しばらくはキーボードをガチャガチャと打ち鳴らす音だけが響くのみ。ゲーム内で戦闘が始まってから、蚊の鳴くような声でリアクションを取る程度。


「これ、見返して思ったけど、良く配信続けてこれたよね!? 大失敗にもほどがあるよ」


カルボナーラ:初配信って言うか、流出動画?

豚の餌:ちっさいリアクションでもイケボって分かるね

ステップステップ:ゲームは元々上手いのね

A~A~:最近のマコトくんしか知らないんだけど、昔こんなんだったの!?


スレイマンの星:コラボ終わってからは、だいぶマシになったよね


「たしか、この後はしばらく配信メインじゃなくて、動画ばっかりだしてた気がする」


 ゲームの実況動画のコメントの中で、イケボだと褒められるようになり、配信の頻度が少しだけ上がったのを覚えている。その時の視聴者数は2人とかだったけど。今では300人近い人が見てくれているのだから、成長も出来ているのかもしれない。


「……まぁ、初配信は酷い有様だったんだよね~。今もそんなに良いとは言えないけど」


豚の餌:マイクの音質上がってるから、イケボ感は増したよ!!

モネ:初配信の時のテンションも好きかも


「ローテンションで話すと、すごく不機嫌で感じ悪い人みたいになるから、嫌なんだけどね。……こんなかんじで、すごくだるそうに聞こえるよね」


豚の餌:え、その声えっろ……

ビスケット:え、逆にプレゼント貰ってない!?


【カルボナーラさんが10000円スパチャしました】

カルボナーラ:おかわり


「え、1万!? だ、大丈夫!?」


「そんなに求められてるなら……。初配信見返すのも終わったから、次は質問コーナーやります。この声のまま答えます」


 質問はTwitterや配信のコメントで事前に募集したものがある。なるべく嘘は吐きたくないので、ほのかにかかわりそうなものは読まないようにしている。


「最初の質問は、年齢だね。結構多かった……」

「配信で何度か言ってるけど、改めて、今日で24歳になりました。アラサーに片足ツッコんでます」


スレイマンの星:そのショタボ、どっからでてんの!?

マコくん最強卍:彼女いますか~?


「このショタボは、不機嫌そうな顔してる陰キャから出てますよ~。ハイ、次の質問行きまーす」

「好きなマックのハンバーガ―はなんですか? よく頼むものでもいいです」


「……これ、誰が質問したのか分かっちゃうね。好きなのはダブルチーズバーガーです。よく頼むのも同じ。ポテトと、コーラ。他はあんまり食べません。たまにアイスかなぁ」


マックのポテト:お察しの通り、私の質問www

カルボナーラ:私もチーズバーガー好き!!

マコくん最強卍:彼女は? 居ない?


「次、配信ない日は何してますか? ……動画編集。ってだけだと、つまんないよね。でも基本家から出ないです。お外怖いので。ゲームとかやってるかなぁ」


A~A~:めっちゃ予想通りwww

マコくん最強卍:彼女いないってこと? 居たら外出るもんね


「えーと、他にもいろいろ質問はあったんだけど、ちょっとこれを最後にさせてください」

「好きなゲームはなんですか? コレ実はプロゲーマーのヴォイドさんから来てる質問なんだよね。……もちろんソルファイです!!」


「ハイ、質問コーナー終わり!! ローテンション状態もおしまいね」


ビスケット:さっきのマコトくんが良かった~!!

豚の餌:ダウナーショタ、どこぉ……?


「両方、僕なんだけどね!?」


「まぁ、いいや。質問をアレで最後にしたのは理由があってね。実は、特別ゲストを呼んでます!!」

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