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モンスターが如く〜夢、破れしニート〜

 ニートが今の状況に陥り右往左往する様子を見て世間はこう思った。


「人権守るのも程々にするのがベストだよね!」


 特別な事情もなく社会の隅に堆く積もったウンコ製造機みたいな人々が駆り出された時、傲慢な連中はそれを嘲笑った。


 怪獣退治か強制労働の二択を迫られ仕方なく壊獣くんを手に取った彼らはとても無様な戦いぶりを見せた。走るどころか歩くだけでも息切れし、プラスチックにすぎない得物を鉄の塊のような顔してヨロヨロと振り上げる。


 彼らが漫画やアニメで見ていたファンタジックな活躍は所詮フィクションなのだと否が応でも思い知らされた。


 そうして悪趣味な見せ物と化した怪獣退治はしかし、環境適応とでもいうべき変化によって事情が変わってきた。


 壊獣くんは怪獣を倒すたびに出てくる得体のしれない赤い光を吸収する。これが何がしかの影響を及ぼしたのか、ニート達の中におかしな能力を得る者たちが現れ始めた。


 凄まじい身体能力を発揮するもの、妙に感が冴え渡ったもの、突然小難しいことを口走るもの。


 彼らはとても人間の手に負えそうにない巨大な怪獣を倒し始め、どっちが化け物なんだかよく分からない存在へと変貌を始めていた。


 このままでは調子に乗ったニートどもが反社会分子として自分たちを受け入れなかった世界に復讐を始め、混乱を招くのではないか? その不安はつきまとった。


 しかし、意外と世間は楽観的であった。いざとなったら警察が何とかしてくれるだろう。そもそもそんなことを俺たちが考える必要はない。そんな風に考えていた。


 他責思考は問題を解決できる能力の有無を問わない。とにかく自分の責任でなければなんでもいい。


 往々にして、そのツケを支払うのは自分たちであり、それが自分らのしでかした不始末だというのを忘れるのもまた、既定路線なのであった。




 赤谷は今日も怪獣退治に精を出していた。別に出したくないが、他にすることもない。暇潰しに仕事をする。贅沢な暮らしであった。


 他のものより若干巨大なげっ歯類をプラスチックの刀身で二分割すると汚い断末魔を上げて光となって消えていく。蛍の光よりも些細な赤い光が壊獣くんに吸い込まれていった。


 主に収入的な意味で無益な殺生にため息をつきながら剥き出しのパイプに寄りかかる。鉄錆で服が汚れるがそれはもう今更であった。


 工場の一角で周囲を見回してみると、同じように鼠を追いかけるニート達の姿が見られた。額に汗して労働に勤しむ彼らの姿を見ているとニートの定義に疑問を呈したくなるがソレはもう形骸化している。


 ニートとは則ち怪獣退治屋さんであり、そいつを店仕舞いすれば国から有り難い仕事が斡旋される。


 口さがない誰かは執行猶予付きの囚人みたいなものだと言う。怪獣退治屋は労役に過ぎない。一部の化け物みたいな怪獣を除き報酬は労力に比して端金でしかないのでこの言説に説得力が増す。


 このネズミ退治はその最たるものだった。行動パターンにぶんれつというウルトラ厄介なものがあり、ぶんれつした後に分裂した個体も分裂するという物理法則にケンカを売って質量保存の法則に唾を吐くタイプの正にネズミ講みたいな怪獣であった。


 こいつは原初の個体が既に分からず無限数に増えていくしかないという狂気の沙汰であり、終わりがないから定期的に現れる仕事になっていた。とにかく見つけ次第駆除しなければと人海戦術でプチプチ潰しているという有様である。


 さて、これほど厄介にも関わらずその報奨金は雀の涙。誰もやりたがらないからやるしかない奴らが飛びつく最後の希望である。どうせ得るものの少ない仕事だ。誰も金は期待してない。それでも貰えるもんは貰いたいのが人情である。


「でね。青山っちが役所とは別ルートで企業から手当を貰えないかって交渉してるらしいのさ」


「へえ。さすがブルマン。仕事熱心だぁね」


 そんな話が聞こえてくる。ニートのくせに仕事熱心とはこれいかに。


 もっとも、青山がそうした交渉をするには金ばかりじゃなくて、いくらかの事情があったりする。


 青山が内定を落としニート生活に突入したのはその方が後々の就活で有利になると踏んだからだ。ニートは現在限りなく自営業に近い公務員モドキのような「職業」となっている。


 ユー○ューバーみたいなもんであり、自分の活躍次第で稼げる額は変わってくるし、活動記録は公的な記録として残る。それを企業に提出するというやり方は意外と効果的らしい。


 その点、青山は精力的に活動しめんどくさい仕事や集団活動でもリーダー役を進んで務めている。役所の受けも良く、さぞや内申書は花丸だろう。


 赤谷は青山のそうした点を素直に凄いなと評価していた。自分には到底出来ないし、問題処理能力はどこに行っても重宝されそうだった。


「おい、お前ら! 何をサボってんだ、この税金泥棒が!」


 世間話に花を咲かせていた二人に厳しい声が飛んでくる。その罵声にニート二人はビクリと体を震わせた。


 見れば作業服を着た男が怒りに肩を震わせズケズケとした歩調で近づいてくる。その様子に遠慮だとか労りだとかは当たり前のようにない。


「あ……いや、違うんすよ。俺らもう何匹かやっつけてて、なあ?」


 どこか怯えたように許しを請うが如く釈明し、同意を求めるともう一人もうんうんと頷く。


 しかし、作業服の男はこれみよがしにため息をつくと苛立たしげに声を上げた。


「あのなあ、別に一匹二匹片付けたからって終わりなわけ無いだろ? 大量にいて困ってるんだからちゃんと探して始末しろよ。金もらって仕事してる自覚あんのか? これだからニートは……」


 ニート二人は顔を暗くして反論も出来ず黙りこくってしまった。男の説教はなおも続き、やれこれだから社会の厳しさを知らないニートはだとか、そんなんだからニートなんだよだとか、親からどんな教育を受けてきたんだとか言いたい放題である。


「おい、テメエ」


 さて、こんなものを聞かされて黙ってられないのが海抜より低いと専ら噂の沸点に定評のある赤谷という男だった。


 あ? と振り向いた男がなんか文句でもあるのかと言いたげな顔をしている。その面に鼻先をくっつける勢いで顔を寄せるのが赤谷流である。


「グチャグチャグチャグチャうるっせえな。陰険なんだよ、テメエ。一言いやぁ済むものをしつっこく執念深くネチャネチャネチャネチャ……納豆かテメエは」


「何だと。お前らが適当な仕事してるから注意してるだけだろうが。ふざけた態度取りやがって。何様だ、人の金で生活してやがるくせに」


「テメエが直接金出してから言えよ。時間給だか固定給だかで働いてやがる野郎がクソくだらねえことに時間使ってる方がよっぽど詐欺師だろ。俺らは出来高払なんだぞ? 分かってんのか? ああ?」


 睨めつける眼光は怒りを孕み、暴力を辞さない攻撃性を秘めている。そしてこれは後先考えないアホ特有の爆発前の気配を伴っていた。


 さて、どのあたりに怖気づいたかはともかく、男は赤谷の態度に怯み後退りした。しかし、引くに引けなくなっていて強がりで睨み返してくるものだからさあ大変。


 だいぶ一方的な一触即発の危機に赤谷以外の三人が内心慌て始めたその時、救い主が現れた。


「おやおや、なんだか剣呑ですね。どうしたんですか?」


「青山か。失せろ」


 赤谷の声は冷たい。今から目の前のアホをしばくという不退転というより前のめりの決意をしている最中なので当然と言えば当然である。


 しかし、これに怯むような青山ではない。


「そうですか。実はさっきからやり取りを撮影してたんですけど見ます?」


『は?』


 青山以外の四人が揃ってそんな声を上げる。


 差し出されたスマホにはニートに文句をつける作業服の男の傍目から見るとあまりにも傲慢な様子と、このチンピラさすがにキレすぎだろと言わざるをえない赤谷の様子が写っていた。


『……』


 自分の醜態を客観的に見せられた二人は自然と熱が冷め、男はバツが悪そうに去っていった。残された赤谷は釈然としないものがありつつも事が丸く収まったので何も言えなかった。


「いやあ、焦った焦った。戻ってきたらいきなり何か始まってるし」


「……チッ。うっせーな。悪かったよ」


「ははは。欠片も反省してなさそう。お二人も大丈夫でしたか?」


「あ、ああ。ありがとう」


「礼なら一応赤谷さんに。助けてくれたのこの人なんで」


「いらねーよ。俺がムカついたから張っ倒そうと思っただけだ」


「思わないでください。あるいは思うだけにしといてください」


 とにもかくにも二人は赤谷に礼を言って去っていった。わけもなく頭が痒くなって手をあてると青山が笑っていた。


「なんだよ」


「赤谷さんは本当に赤谷さんだなぁと思って。三つ子の魂百までを地で行ってますよね」


「俺のガキの頃なんか知らねえだろ」


「地元で赤谷さんの武勇伝知らない同期はいませんよ。パワハラ教師を殴り飛ばしたとか成人式で暴れたやつを蹴り飛ばしたとか薬の売人を川に落としたとか」


 物事の解決方法が実に単純明快である。その後に起きたゴタゴタについても語られているかどうかは分からないがセンセーショナルな話はゴシップとして消費されるのが常である。


 赤谷は退屈な日常に一摘みのスパイスを与えてくれる男の子たちのヒーローでもあった。


「つまんねー話が広がってんなぁ……」


「漫画みたいで面白いじゃないですか」


「そのおかげで俺はこのザマだ」


「後悔してるんですか?」


「全然。俺はなんにも手に入れちゃいねえけどなんにもなくしちゃいねぇからな」


「わあ、名言ですね。要するにプラマイゼロってことですけど」


「一言多いんだよテメエ」


 睨みつけてやると、おっと、と降参したように手を上げた。


「ところでどうです、例の……あれの様子は」


「名前で呼べよ」


「……えぇと」


「お前がつけた名前だろ。ネギボーだよ、ネギボー」


 ああ、と手を打つサイコパス。そうだったそうだったと言いたそうな朗らかな笑顔である。正直、赤谷には理解出来ない思考形態をしているが個々人の個性というヤツである。理解出来ずとも共生していくことは出来る。


「……まあ、あれだ。ボチボチやってらあ。何か野菜とか好きそうだ。長ネギとかな」


「共食いですね」


「最悪な感想やめろ」


 ふむ、と鼻を鳴らす。


「怪獣らしい行動は見せないんですか?例えばビームを撃つとか」


「今んとこねーな。おとなしいもんだ。あるとしたらじゃれつくとかそんぐらいだな」


 朝起きたら胸の辺りにしがみついていたり気が付いたら頭の上に移動してたり頬擦りしたがるなど妙に懐かれている。


 気を配っていないと勝手にリュックサックの中から出てきてウロチョロし始めるので目が離せないが基本的には赤谷にくっつきたがるのでどこかにいなくなる心配は少ない。


 そんなことを話すと成程?と少し疑問のある様子を見せた。


「じゃれつくのは怪獣らしい行動としてカウントしていいかは大分怪しいですが、まだ行動パターンが決まってないんですかね?」


「そもそも、その行動パターンがわからねえんだよな。四つしか動き方知らねえのが意味不明すぎんだろ。ゲームのキャラじゃねえんだぞ」


「そりゃ勿論、戦闘時における行動パターンに決まってますよ。それしか出来なかったらどう考えても生きていけないじゃないですか」


「……いや、それも教えこみゃ四つ以上出来るだろう」


「さあ。俺は専門家じゃないからそこのところはどうにも。なんなら、そのネギマに教え込んでみます?」


「やらねえよ。あとネギボーな」


「分かりました。企業との交渉も済みましたし一通り捌けたら俺はこのあとハロワに寄りますが赤谷さんはどうします?」


「……そうだな。暇潰しに顔出してもいいか」


 時間は有限であり、何物にも変えがたい資産であるが、その価値は万人にとって等価ではない。特に今の赤谷にとって時間は負債に等しかった。すり潰すように無益に消費している自覚はあったが他にすることもない。


 背中に背負ったリュックサックの中で蠢く気配がある。


 リュックサックを前に抱えて中を覗き込み「後で出してやるからおとなしくしてろ」と声をかける。言語化しにくい鳴き声を上げると濡れた瞳が同情を誘っているように思えた。


「そんな目で見んな」


 飛び出そうとする頭を優しく撫でながらリュックの中に押し込む。本来ならばバックルも留めて本格的に閉じ込めるべきなのだが、それは心が咎めて出来ず、結果として度々顔をのぞかせる事になっていた。


 幸い、今のところ騒ぎにはなっていない。おそらく既に何人かにはその姿が見られているはずだが怪獣だと大騒ぎする者もなかった。


「しかし、意外でした」


 青山が唐突に切り出す。


「赤谷さん、面倒見がいいですね。ハムスターとか死なせるタイプだと思っていました」


「命を預かると決めた以上、中途半端が許されるわけねえだろ。命をなんだと思ってんだ。横浜市民をなめんじゃねえ。ぶっ殺すぞ」


「一回の発言につきツッコミ箇所は一つに絞ってもらいたいですね」


「ぶっ殺すぞ」


「殺意高すぎませんか。前職はヤクザ屋さんでしたか」


「わけねえだろ。俺は一時期公僕やってたんだぞ」


「ああ、そういや警察官だったんでしたっけ。上司殴ってクビになったとか」


「そうだな。三人ほどシバいたところでクビになったわ」


「よく手が後ろに回らなかったですね」


 はん、と鼻で笑う。


「クソ、ゲロ、カスを殴って捕まるような法律は横浜にはねえんだよ」


「赤谷さんの横浜に対する異様な信頼感、俺は嫌いじゃないですね」


 実際のところは色々やらかしまくっていたのが表沙汰になると困る連中がとかげの尻尾切りを断行したに過ぎない。赤谷が殴った連中は公になればさすがにただ事では済まないことをやらかしていた。


 こいつらをきちんと処分した上で赤谷は懲戒解雇で済ませるという取引が行われた結果、赤谷は本来ならば臭い飯を食わねばならないところを助かったという話である。


 別にそれは後悔してない。出来ればきちんと社会から処分したいところだったがそれ以上は望めそうになかった。


 事情を知る連中からは今でも腫れ物扱いである。


「まあ、おかげで俺は夢破れたわけだけどな」


 肩をすくめるその動作はどこか皮肉っぽい。


「なんですか。赤谷さん亀有で働く夢でもあったんですか?」


「なんで東京に俺が行かなきゃならねえんだよ。俺の夢は横浜の守護神になることだったんだよ」


「ストッパーになりたかったんですか」


 幾人かの顔が思い浮かぶ。横浜の代表的なストッパーといえば前世紀に活躍した人物であり、その様子は赤谷も記憶にない。しかし、その安心感は絶対的であり成績を見ても成程圧倒的である。


 確かに、そうした存在になりたかったというのはあながち間違ってない気もしないでもない。


「そうだな。きちんと真面目に働いてる先発のマウンドを汚す連中を蹴っ飛ばして気持ちよくスタジアムを後にできるようにしたかった」


「途方も無い夢でしたね」


「全くだ」


 他愛も無い話をしていると次第にハローワークに到着した。


 ハローワーク(ギルド)内は常ならば暇を持て余している時間なのだが、何故だか賑やかな様子であり、それもスーツ姿のハローワーク(ギルド)では客側には珍しい格好をした連中が三人ほどいた。


 赤谷は野生の勘が働くのを感じた。入口手前で後退りする。


「どうしたんですか、赤谷さん」


 それに気がついた青山が疑問の声を投げかけると中にいた背広連中が一斉に赤谷へと視線を向けた。


「……何だコラァ。見せもんじゃねえぞオイ」


 冷や汗をかきながら野生動物がそうするように威嚇する。背広連中は赤谷のチンピラ丸出しの視線を向けられ戸惑うように引いていた。


 どうもあら事が得意な様子ではない。


 こちらから手を出すわけにはいかないし、かといって芋引くようで無様に回れ右も出来なかった。チンピラの思考である。


 スーツ姿の連中を掻き分けて奥から現れたのは公由である。少し緊張したような様子があって、これは良くない話をされる前触れだと確信した。


「お疲れさまです、赤谷さん」


 指を組んだ手を前に、小さな赤い唇をきゅっと引き締めて公由が頭を下げる。


 やや緊張した様子が伝わってくる。


「うっす。公由さん。どったの、これは?」


 おどけたような口調で赤谷が問うと、言葉を選んで紡ぐように彼女は答えた。


「……先日ですね。ニートと思しき方に一方的に暴力を振るわれたと訴えがありまして。特徴をお伺いしたところ、赤谷さんではないかと」


「……? そうなん? 覚えないけど」


 全く本当に身に覚えがないといった様子で赤谷は答える。


「先日、板下公園で寝ている人がいたから危ないと思って起こしたら逆上されて暴行されたと言っています」


 場所とシチュエーションを特定されてひらめくように思い出す。


「あ、ああー。あったあった。寝てるとこにいきなりかまされて起こされたことあったわ! ああ、あのクソガキどもが文句言ってきたの?」


「暴行したというのは本当ですか?」


「やった。殴られたあと見逃してやっから失せろっつったのにもう一発かましてきやがったから分からせた」


 恥ずべきところはないと、胸を張り堂々と言ってのける元警官の成人男性に周囲から向けられる視線は信じがたい蛮族を見るようなものであった。


 しかし、公由と青山は別である。さもありなんという顔をしていた。


「件の方々は、所謂ホームレス狩りをしているような人たちですから、それについてはこちらとしてはそんなに追求するつもりはありません。ただ、問題は赤谷さん。貴方がどうしてそんなところで寝ていたか、なんですよ」


「……」


「彼らはこうも言っていました。そのニートはバッグの中に怪獣を入れて連れ歩いていたと」


「……」


「赤谷さん……そのバッグを渡していただけますか?」


 差し出された手に、目を向けてすぐに困ったように眉間をかいた。爪先で二、三度アスファルトの地面を蹴ってやると砂が溜まっていたのか砂利をかく音がする。


「公由さん」


「はい」


「知ってるかもだけどさ。俺は公由さんが好きなんだよね。めっちゃタイプです」


「ありがとうございます」


「うん。でもね、そんな公由さんの頼みでも聞けねぇ話ってのがあるのさ」


 地面を蹴って跳躍する。棒高跳びでもするみたいな常識外れの跳躍力で対面の家屋の屋根まで跳ぶと頭を下げた。


「マジでゴメン」


 そう言い残すと屋根を伝って走り去っていった。


 残された制服組が逃げたぞ追え追え、警察に協力を仰げと騒ぎ始める。


 公由は一つため息をつくと青山を見た。青山は赤谷の去っていった方を見てどこか楽しそうな笑顔を浮かべていた。

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