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乱れ撃ち

作者: はじ

ヴィールス街は荒廃し

言葉撃ち尽くしたものから

順応していく世界にて

非常事態宣誓

自己都合だけの比喩を唱えて

今宵も行くのか成城石井マーケット


都内切ってのがらんどう

虚ろにうろつく習慣ゾンビ

周回期する客動線上

散らばる缶詰を轢き潰し

狙いは生鮮腐敗した

排他的売り場のタイムセール


生死問わずとも

群れたいものは群れ

群れないものは群れない

そのどちらかを弱者に仕立て上げたい

管を巻いた論評と舌足らずの寸評

そんな文法から遠ざかりたくて

息を殺して潜んだはずだ


不平にも不満にも

不足感にも加担せず

無言を貫いたから一命を取り留めたが

それだって亡者と何ら変わりない

意志のない死に体


それならいっそもう死にたい

不織布で蓋をした奥底で疼く自他を穿つ言葉

傷付けることを恐れて

信じきれなかった幾らかの人と自分

物陰から湧き出てくるその虚像に向け

同士討ち覚悟の一撃



Ⅰ.朝は正しさばかりが付きまとい


   相変わらず余裕はないが猶予はある、

  ・この一銭にもならない行為を駆り立てているものの呼び方なんてどうでもいいが、

     殺傷力のある、

   《勝ち組と負け組》

  「周囲に示すことを最優先にその教養を身に付けてきたからか?」

 こめかみに語りかける銃口は今も優しい火薬を空撃ちしている。

[みんな自分のことを話しすぎて]

  打算的で後ろめたい、




Ⅳ.西日に打ちのめされても


 《膨張する偏頭痛と一体化する暗闇では》

   一日一時間だけ言葉のことを考える、

    自らの現状を憂いで注目を浴びるものを非難するのは勝手だが、

(恥ずかしげもなく感情を顕にすることで救われるなら誰だってそうしていて)

     刃のような、

*生まれながらの虚ろを抱えた奴らはどんなに群れ集まったって満たされない、



Ⅲ.光陰の狭間で落ち葉に無駄撃ち


In a loneliness that is different from the deadly loneliness,

・今この瞬間がかつての恥の地続きであることを忘れてはいけない、

B:物事を分類することに躍起になっていはしないだろうか。

 「それができないのは」

     どんなに優れた判断も聡明ではなく早計になる。

     石のように、

     だがそれはいらない、

    怒りや憎悪による視野狭窄は照準を絞って答えを明快にしてくれるだろうが、

     木のように。

  (それでは救われないと知っているからだ)

only one,

    見詰めているものの大きさにはいつまでも気付けない。

《差別を極度に忌み嫌う奴らが生むまだ名前のない差別を一つずつ数えて眠りに就く》

  余裕があるときにだけ見せる気遣いを優しさと呼ぶことにした、

     弾丸のような、

        《物事を二分して生きやすくなるのは極端な奴らばかりだが》

If i'm depressed because i want to be liked by strangers,

     石や木のように生きていられればどんなに楽か、




Ⅴ.日没とともにもう一度殺してやるから


     迷って生きている方がはるかにいい、

  それ以外はすべて優しさではない、

 〈所持することを許さない銃刀の代用を何に求めるか〉

    [夜の一線に踏み留まりながら一日一時間だけ言葉のことを考える]

  『誰しもが手軽に主張できるのなら』

   それで誰かを救いたくないし共感もされたくない。

【終電で見かけた狂った独り言を今日はもう笑えない】

     この決めつけもまたそうなのか、

 『ただそこが静かだったからだ』

  [自分のことすらまともに話さない]

  《巻き起こるあらゆる痛みが炸裂する》

 [他人のことまで自分のことのように話していた]

i can't count on the night anymore.

     日々早変わりする世情に一々感情を動かしてもいられない、

    《既婚者と非既婚者》

 *それを知るまでに付けてきた傷の弱さを見せることで寄ってくる同類の共感すら居心地悪い、

     そう口にして石や木が無感情であると決めつけている程度の想像力では、

     《右手と左手》

〈ポケットに沈めた固い手触りで何度か夜を飛び起きる〉

   『その少数もまた嫌悪を招く喧騒と大差ない』

 理想にとどめを刺させるのは自分自身だけだということに気付く、

         《自らの正当性を信じてやまない彼らに何を口にしたって耳を傾けやしない》




Ⅱ.何も言い返せないまま白昼に取り乱す


「作品外の人格を評価に取り入れてほしくないなら黙っていればいいのに」

 ・そうしなければ熱意を表明することに恥じらいを感じてしまう。

i want to be loved and die only by myself who never betray me.

D:身を燃やすための熱量は常に持っていなければならない。

  恥知らずの優しさだ。

『少数派でありたかったのは』

   [まっとうな人間になり損なったが]

    そこにも苦悩や葛藤があることを想像できない奴がどの面下げて他人を蔑んでるのか、

C:身を粉にするほどの苦労は必要ないが、

 (誰しもがそうしないということは)

   ・それを恥じることだけは絶対にしなかった。

      《棒と穴》

     堂々巡りから逃れるために決断が必要だ、

A:失敗と成功の判断基準を他人に委ねてしまったのはいつからだ。

       《汁と印》




Ⅵ.夜明けまでには、もう、殺してくれ。

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