表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

火曜日

 朝になり彼の作ってくれたサンドイッチを食べる。彼は今日もいない、昨日はほとんど話せなかった。ちゃんと話せる日がくるのだろうか。彼の椅子に座り、首だけベッドに向けてみる。思ったよりも近い、私が寝てから彼は私を見たりするのだろうか。

モニターの下にスマホとヘッドセットが置いてある。このヘッドセットが無ければ、もっと彼と話せるのに。そんなわけないのは分かっているのだが、何かのせいにしたい。スマホも持たずに何処にいくのだろう、これはヘッドセット用なのだろうか? 

 昨日と同じ様に、メイクして大学へ、まだ明るいうちに帰路につく。私のとても苦手な時間、平日の夕方はつらい。楽しそうにおしゃべりしてすれ違う高校生、自分も少し前はあんなふうに笑っていた、胸がズキズキする、早く逃げ帰って彼に会いたい。駆け込んだ部屋に、彼はいない。

 お腹が空いたので、キッチンの棚を全て開けたのだが、食料がなにもない! 冷蔵庫にサンドイッチの材料があったが、たぶん明日の朝の分しかない。コンビニが近い人はこんな状態なのだろうか? しかし、私にそんな余裕はない。

 やる事も無いので、ノートパソコンを取り出し、提出資料の見直し作業にとりかかる。最近の暇つぶし第一位である、適当に選んだ経済学だが意外と面白い、逆にいえばこれが友達無し生活へ向かった原因の一つでもある。

 九時過ぎに彼は帰ってきた、やはりまだ挨拶はぎこちない。

 とっさにこの今の状況は使えると思い。

「パワーポイントとかエクセルとか、詳しいですか?」

「はい、それが仕事ですから、そこそこは使えますよ。」

「すこし教えてもらってもいいですか?」

 本当はほとんど完成していたので、会話を始めるきっかけにと思っただけだった。しかし、仕事で使っている彼との知識量はかなりの差があり、パソコン教室同様にしっかりと教えてもらう事になった。彼の教え方は丁寧で分かりやすく、終わった頃には、資料はほぼ原形が無くなっていた。彼について分かったのは昼に派遣の仕事に行っているという事と、ソフトのテストをバイトでやっている事だけだった。ちょっとだけバイトの方の説明してもらったが、私にはさっぱりわからなかった。

 結局スマホが鳴って、昨日同様彼はモニターを見てひたすらキーボードを叩く。一番聞きたかったことは、やっぱり聞けなかった。なにか彼に聞かなくても決定的にわかる方法はないだろうか? 

 私のスマホがプルプルとメールの着信を知らせている。おぉー、まるで私を活用しなさいと言っているようだった。色々と考え私は最低な選択をする、長時間録画できるアプリを入れて寝ている間、彼と私を盗撮することにしたのだ。充電ケーブルに繋いだままで朝まで枕元に置いておけば、はっきりするはず。確認したらすぐに消すのでごめんない! 心の中であやまって、スマホをセットした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ