第22話 新 族長 ギムディン
ザシュッ! 牛魔王化したケンリガムの腹を突き刺す紅い妖刀
ドクン!ドクン!と魔力を吸い上げる音がする
ベルクス「なぜお前がここにいる?・・・シンクロウ!」
まさかの仇の登場に全員が困惑する
シンクロウ「はは・・・こいつは奇遇だな 俺もこの牛魔王に用があってな」
ズシャッ! とさらに妖刀を押してケンリガムの腹をさらにえぐる
ケンリガム「ぐぶはっ!」
口から血を流す
ギムディン「よせ! ケンリガムが死んじまうだぁ!」
シンクロウ「こいつは強盗をたくさんしていた悪人だぞ? 生かしておいてもまた悪事を働くだけだぞ?」
ギムディン「確かにそうだぁ けど 部下がたくさんいる! 慕われているんだぁ! そんなやつを殺したらますます おらたちはバラバラになるだぁ!
悪いことをしたのはこれから反省させるだぁ!
だから ケンリガムは殺さないでほしいだぁ・・・」
ギムディンは頭を下げてお願いする
シンクロウ「・・・そこまで言うならいいだろう
だけど 魔力は頂くぜ」
妖刀を握りしめ 一気に魔力を吸い取る
やがて シュゥゥゥ とケンリガムの身体は縮み 元のサイズに戻る ねじり曲がった角も元に戻る
魔力を吸い尽くし 妖刀を引き抜く
ドサッと崩れ落ちるケンリガム
ベルクス「スラミン・・・ケンリガムを癒せ」
スラミン「わかった~」
ピョーン ピョーンと跳ねて ケンリガムに近づき
「スラミンポーション」でバシャッ!とかける
ベルクスはただシンクロウを睨みつける
シンクロウは紅い妖刀を見つめ そして肌の右半身が黒く染まる 身体の1/3が人間で残りすべてが魔族化していく
シンクロウ「もう少しだな・・・」
ベルクス「牛魔王になったケンリガムの魔力を奪いに来たのか・・・」
シンクロウ「まあ そんなとこだな
それより 前みたいに刀を抜かねーのかよ・・・」
ベルクス「なぜ そこまで魔族化にこだわる?
人を捨てて何がしたい?」
アロード「おお! 怒りを抑えて 話をしてやがる」
内心 驚いている海賊
シンクロウ「そうだな・・・」
顎に手を当てて 考える
シンクロウ「理想のため・・・かな」
ベルクス「理想だと?」
シンクロウ「まあ アイツの理想だが それに乗ってみただけだ」
ベルクス「・・・・・・」
シンクロウ「じゃあな 俺はこれにて・・・」
シンクロウが手を上げると空からまた怪鳥が降りてくる
シンクロウは怪鳥に乗り 空高く飛び 消え去る・・・
アロード「良かったのか 逃がして?」
ベルクス「今はミノタウロス族で起きた騒動を優先したい・・・」
アマネ「そうじゃのお」
トットットッと歩き 注射器を拾うアマネ
アマネ「これが何なのか 調べるべきじゃ」
ユウマ「中身はもうありませんね」
セレスティア「それに魔力はもうシンクロウに奪われてしまいましたわ」
グラディス「けど あれは異常だった」
スラミン「スーパーパワーアップしてた~」
アロード「お スラミン終わったのか?」
スラミン「うん きず なおったよ~」
ギムディン「おい! しっかりしろ!ケンリガム!」
ケンリガムに駆け寄り 起こそうとする
ケンリガム「・・・ぅ・・・ギ、ギムディン?」
ギムディン「おお! よかった 生きてるだぁ」
ケンリガム「俺は確か・・・」
アマネ「これを打って 暴れ出したのじゃ」
注射器を見せる
ケンリガム「そうだ・・・力が湧き出したと思ったら意識が無くなったんだ・・・」
ベルクス「ケンリガム これはなんだ?」
問い詰める
ケンリガム「・・・それは取引相手からもらったものだ」
ベルクス「誰だ?」
ケンリガム「・・・魔王の手下だ」
ユウマ「現在の魔王『サガーク』ですね」
ベルクス「暗黒大陸の支配者か・・・」
ユウマ「帝国に攻めるわけでも 和平を結ぶつもりもない未だに謎が多い魔王だと聞いています」
ギムディン「お前ら そんな人と取引したのかぁ?」
ケンリガム「金が良かったんだ だがもう終わりだろ
俺がやらかしたからな」
アロード「魔王は一体なにがしてーんだ?」
ケンリガム「恐らく 俺を使って牛魔王を誕生させたかったんだろう」
セレスティア「ますます 分かりませんわ 自分と同じ魔王を生み出そうするなんて・・・・」
ベルクス「・・・・・・」
アロード「とりあえず それは後回しだ」
アマネ「それよりも新族長の誕生じゃわい!」
こうして ミノタウロス族の次期族長を決める決闘は予想外のことも起きたが 無事にギムディンの勝利で幕を閉じる
そして 新族長となったギムディン
敗北したケンリガムにも役職を与え 盗みの罪滅ぼしを償うようにする
ケンリガムの部下たちも納得して 穏便にことは運んだ
数日後・・・
地図が出来たユウマは新しい場所を目指すため 宿を出る
グラディスと歩いていると 出入り口でミノタウロスたちがベルクスたちを見送っていた
ギムディン「ありがとうだぁ」
ベルクスと握手を交わしていた
ユウマもそこへ顔出して 同じく ギムディンと握手する
ギムディン「アンタも気をつけてなぁ」
ユウマ「はい!」
ミノタウロスの住処から旅を再開する
いつの間にか ベルクスたちと合流していた
ベルクス「地図を見せてくれ」
ユウマ「どうぞ」
作った地図を見せて 歩く一行
ユウマ「ベルクスさんってゼオンさんと性格は反対だけど なんとなく似てるなあ 頼れるところとか」
心の中で思っていると・・・
ベルクス「どうした?」
ユウマ「いえ なんでもありません!」
「グラディス殿はユウマ殿と どのような関係なのですか?」
小声で周りに聞こえないように喋るセレスティア
グラディス「・・・運命の相手」
セレスティア「そ、それって!」
グラディス「でも 私だけが思っているだけ・・・
ユウマにふさわしい人ができたら離れる」
セレスティア「ダメですわよ! 好きなら好きと伝えなければ! お似合いですわよ 2人とも!」
女性2人で盛り上がっていた
アマネ「そう言えば スラミン 防御もできるのじゃな」
アロード「確かに! 前に出た時はビックリしたぜ」
スラミン「えへへへ♪ すごいでしょ~♪」
アロード「思いっきり刺さってたけど 痛くないのか?」
スラミン「いたくなかったよ~ ぼく スライムだし♪」
アロード「そうだな スライムって痛覚無さそうだしな」
スラミン「でも まほうはいたいよ~」
アマネ「物理攻撃に強くて 魔法攻撃に弱いんじゃな」
スラミン「それより アロード~ あれやろ~」
アロード「よしきた! 来い!」
ピョーンとアロードの肩に乗り・・・
アロード「さて・・・お次はなにかなー!!」
スラミン「なにかな~!」
これが2人の旅のルーティンになっていた
※ミノタウロス族の問題・・・
次期族長の決闘でギムディンを勝たせる
牛魔王化したケンリガムの暴走を止める
ギムディンが新族長となり ことは穏便に終わる・・・




