第13話 山を越えて
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ」
息が切れそうな 元 九尾の妖狐
アマネ「ま、待つのじゃ! ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
みんなより遅れているみたいだった
スラミン「アマネ~ おそ~い」
アロード「頑張れよ! 九尾の妖狐様ー」
セレスティア「もう少しですわよー!」
ベルクス「・・・・・・」
一行は山道を歩いていた
ヘロヘロになりながらアマネはみんないるところまでなんとか辿り着く
アマネ「な、なぜ・・・山道しかないんじゃ・・・」
そう 丘を越えた先に待ち受けていたのは 山だった
山しか無くて 山道を歩くしかなかった
最初は「余裕じゃ!」と言っていたが 今や 虫の息である
ベルクス「よし 行くぞ」
アマネ「なっ! もう行くのかえ?」
ベルクス「お前を待っていたら 夜になるからな」
アマネ「少し休まぬか?」
ベルクス「ダメだ」
アマネ「おぬし 覚えておれよ」
再度 歩き出す一行
もうこの辺りはケンタウロス族の知っている場所ではないのでセレスティアも不安になる
セレスティア「北に進んでいますが 何もないと旅とは不安ですわね」
アロード「しかも山道・・・海賊の俺が山にいるのもおかしなもんだ」
スラミン「のぼるのたいへ~ん」
ベルクス「愚痴を言うな・・・アマネじゃあるまいし」
アマネ「ぜぇ・・・待つのじゃー!」
セレスティア「せめて 宿があれば・・・」
言葉を言っていた途端
カーン! カーン! と金属を叩く音が聞こえる
みんながその音を耳にして 「人がいる!?」と驚く
アロード「この音は・・・鉄を打っている音だ」
ベルクス「鍛冶屋か?」
スラミン「かじや? なにそれ?」
セレスティア「私たちの装備を鍛えている人たちですわ」
アマネ「ぜぇ・・・ぜぇ・・・こんな山奥にいるのかえ?」
アロード「!? いるぞ! サイクロプス族だ!
この山 付近は鉱山なんだ!」
ベルクス「単眼族か?」
アロード「大和じゃ そう呼ぶよな!
間違えないぜ 近くに住んでる! 行ってみようぜ!」
皆 急ぎ出す
アマネ「あー! ま、待つのじゃー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベルクスたちは山を1つ越えると 山と山の間に小さな町を見つける
そこから カーン! カーン!と先ほどの鉄を打っている音が聞こえる
しかも 何軒からも聞こえる感じだった
家の屋根の煙突からモクモクと煙も上がっていた
皆 砂漠にあるオアシスを見つけたように目を輝かせ
それいけー!と走り出す アマネを除いて・・・
アマネ「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・待ってと言っておるのじゃ・・・」
しかし 鍛冶の町は火を扱うため 熱気と蒸気が渦巻く
サイクロプスたちの汗だく必須の町だった
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ」
全員が汗を流し 息を切らして 町に入る
オアシスではなかった 蜃気楼だった
アロード「あちぃー 」
スラミン「とけちゃう~」
セレスティア「まいりましたわ」
ベルクス「・・・・・・」
アマネ「じ・・・地獄じゃ」
サイクロプスA「お! お客さんかい? いらっしゃい!
武器の打ち直しかい? それとも新しい装備かい?」
サイクロプスのおっちゃんが話かけてくれたが 汗びっしょりだった
アマネ「ここは暑苦しいのお 耐えられぬ 宿はないかえ?」
サイクロプスA「宿なら あっちだ」
指をさして 教えてくれる
ベルクス「すまない まずは休憩だ」
全員 今日はヘトヘトのため 宿屋に急行することに・・・
男女に分かれて 2部屋取り 夜を迎える
昼間の疲れのせいか みんな すぐに眠りにつく
翌日 ベルクスたちは情報収集のため 町に出歩くことに
町は今日も カーン! カーン! と熱々の鉄を打つ音が響く
さらに 他の種族もいて ここは 多種族からも依頼や納品をする 商業の町ということが分かる
アマネ「マジックポーション! マジックポーションは無いのかえ?」
ずっと欲しがっていた魔力回復薬を探す
セレスティア「まあー この鎧 素敵ですわね」
お店の鎧を見て回る
アロード「船の修理を出来るやつを探しているんだが」
座礁した船の修理を頼める人を探す
スラミン「みんな じゆう だね~」
スライムは 前みたいに はぐれないようにベルクスの肩に乗っかっている
ベルクス「・・・そうだな」
情報収集とは言え 自由時間を与えたのは自分であり 彼も町を見渡す
すれ違うのはサイクロプス族だけでなく 暗黒大陸に住む多種族の人々
人間は珍しくて みんなから避けられている感じがしたが 人々が賑わっていて嬉しくなる
ゴブリン族の村やケンタウロス族の集落みたいに弱者が虐げられていなくて安心する
ふいに 人間の少年とダークエルフの女剣士とすれ違う
2人とも軍服らしき格好をしていた
?「まずは 剣を打ち直してもらいましょう それから調査しましょう」
?「分かった」コクッと首を縦に振る
ベルクス「何者だ?・・・」
スラミン「なにものだ~?」
と真似する
しばらくして アロードたちと合流するが 何やらアロードが困っていた
アロード「う~ん・・・ここで船の修理 出来るやつを確保したかったんだが 今 ちょうど出かけて いないそうだ・・・」
ベルクス「確保? お前はここまででいいんじゃないのか? 義理は果たしたと思ったが・・・」
アロード「あっ! 悪いな ついていくことにしたから
船員にはまだ待ってもらう」
「船員が かわいそう」と皆 思う
ベルクス「俺たちと旅を続けるのか?」
アロード「ああ! せっかく暗黒大陸に来たんだ! 宝を探すさ」
アマネ「おぬしらしいのお」
「まあ 目的は他にもあるけど・・・」
心の中でつぶやくアロード
スラミン「アマネは なんとかなんとか みつけたの~?」
アマネ「1文字も合っとらぬわ! マジックポーションじゃ・・・残念ながら今は製造 出来ていないらしいのじゃ」
セレスティア「お店でも魔力系のアイテムが品薄状態でしたわ」
ベルクス「魔鉱石関係が採掘出来ていない もしくは何かあったか」
「おい! また出たみたいだぞ!」
1人のサイクロプスがお店の人に話す
サイクロプスB「なんだと! 今 採掘班が行ってるんだぞ! やべーな こりゃあ・・・」
サイクロプスC「すぐに呼び戻しに行ったほうが・・・」
スラミン「なんだろ~?」
アロード「聞いてみるか?」
ベルクス「・・・ああ」
セレスティア「お取り込み中 申し訳ありませぬが いかがなさいましたか?」
サイクロプスB「おお! 旅の方かい? 実は・・・魔鉱石の採掘に行ったやつらと魔物を発見したやつがすれ違いになってなぁ 呼び戻した方がいいか 話してたんだ」
サイクロプスC「このところ 魔鉱石が手に入らないから しびれを切らしたやつらが向かったんだ 魔物に遭遇してたらやべーって」
サイクロプスD「魔物の中にはカイザーコングがいた デカかった あんなのに殴られたら殺されちまうよ しかも鉱山の中にはもっとすげーやつが住みついてんだ 採掘なんて行くもんじゃねーのに・・・」
アマネ「魔鉱石関係の謎は魔物の出現によって採掘出来なくなったという訳じゃな」
サイクロプスB「そうなんだよ まったく 大工のやつも一緒に行きやがって!」
アロード「待て! そいつって船を修理出来るやつじゃねーかよ 出かけているって採掘に行ったのかよ!」
ベルクス「なるほど・・・ 今回は魔物討伐になりそうだな」
アマネ「お、おぬし 良いのか? いつもなら関係など無いと無視する非道なやつなのに・・・」
アロード「俺からも頼む! 協力しようぜ! 船を修理出来る人をここで見つけたいんだ!」
ベルクス「アロードには暗黒大陸まで送ってもらったから協力はする アマネは一言多い・・・」
アロード「よっしゃ! さっそく 鉱山に向かおうぜ!」
サイクロプスC「いいのかい? 旅の方 でもユニークモンスターもいるから気をつけて行けよ」
セレスティア「大丈夫ですわ ベルクス殿なら問題ありませぬ」
スラミン「フ・ラ・グ♪」
セレスティア「スラミン殿 不吉ですわよ!」
スラミン「えへへ~たのしい~」
アロード「マジで 気をつけようぜ」
小声でベルクスに言う
ベルクス「ああ」
スラミンの予想は当たるからとアロードから聞き 気を引き締めて 鉱山にいるサイクロプスの仲間の救出と魔物討伐に向かうこととなった一行
果たして スラミンの予想は当たるのか 外れるのか・・・




