第63話 魔族の勇者『ゼオン』
ドゴーーーーン!!
紅蓮の業火がヴァイスハルトを貫く
ヴァイスハルト「かはっ!・・・」
ゼオン「うおおおおおおりゃーー!!!」
ブン!と拳を振り抜き ヴァイスハルトをぶっ飛ばす
帝都を超えて下町の奥へ落ちていく ドーン!と落下した音もする
ヴァイスハルトは起きて来ない・・・
その瞬間 戦いを見ていたすべての人が理解する
リエナ「かっ、勝った・・・」
ミウ「ゼオ兄ぃが勝ったーー!!」
ペティ「やったーー!!」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
すべての人が歓喜の声をあげる
「勝ったぞー!!」
「終わったー!!」
「よっしゃー!!」
まるで世界に平和が訪れたみたいに大喜びする民衆
帝国の重鎮たちが公開処刑されることを知った民衆はここから独裁政治が始まり 逆らえば死が待っていると予感していた・・・
だが それは終わったと気づき 皆 喜んだ
黒幕である帝国最強の男を魔族の少年が倒したのだ
全魔力を使い尽くし 意識を失ったゼオンが空中から落ちてくる
ガルベド「おい! 誰かキャッチしろ!」
その声にいち速く 駆け出すリエナ
バッ!と抱え 着地する
リエナ「よくやった! よくやったぞ! ゼオン!」
強く抱きしめる
ユウマたちも安心して グラディスと一緒に十字架に囚われていた人たちを解放する
解放された人々が向かうのは もちろん リエナとゼオンのところ
抱きしめているリエナのところにみんなが囲むように集まる
リエナ「・・・皆 無事か?」
全員が縦にコクッと頷く
リエナ「そうか・・・では 我は勝利宣言をしに行く
回復魔法を出来る者はゼオンを癒してやってくれ」
ゼオンを横に寝かせ 皆に任せる
トットットッと民たちが見える場所まで歩く
「聞け!! 我が帝国の民たちよ!」
リエナが帝国中に響き渡る声を出す
リエナ「今回の騒動の黒幕 聖十字教会の教皇と帝国五聖筆頭 ヴァイスハルトは倒れた!!
帝都奪還は成し遂げられた! 我らの勝利だ!!」
クラウンキャリバーを掲げ 勝利の宣言をする
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
民たちは声をあげて 歓喜に帝国は包まれる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帝国の下町
ヴァイスハルトは誰も住んでいない古びた民家の中に大の字で白目を剥き 倒れていた
「・・・・・・・・・」
意識を失っているが 死んでいるのか生きているのか
分からなかった・・・
そこへ1人の老人が現れる
?「クックックックックッ・・・まさか儂の最高傑作が敗けるとはな・・・」
不気味に笑い 結果だけを口にする
?「まぁ よい・・・まだ使い道はある
それにいいデータも取れた」
その老人は教皇とヴァイスハルトの協力者
ドクターと呼ばれていた老人だった
聖騎士「ラケル様 この者は・・・どうします?」
ドクターに調整された聖騎士が訪ねる
ドクターラケル「『ゼルゲナム』と同じく回収する・・・急げよ」
聖騎士「はっ!」 一礼して動き出す
ドクターラケル「さて・・・帝国には居られぬ 次はどうするかな・・・クックックックックックッ」
数時間後 捜索隊が民家に訪れる
しかし ヴァイスハルトの姿は無く もぬけの殻だった
周囲をくまなく捜索するが 彼を見つけることは出来なかった
また 聖十字教会本部の地下にも捜索の手が入るが
そこも手がかりになるものは何もなかった
最下層の地下にあった2つのカプセル状の容器
それに入れられていたはずの成人の男も姿を消す・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後・・・
エイルラント帝国 宮殿内 謁見の間にて
皇帝 リエナ・エイルラントの前に1人の男が膝をつき お辞儀をしている
リエナ「我、皇帝 リエナ・エイルラントが汝に命を与える!」
クラウンキャリバーを天に掲げる
リエナ「今 この時より 神聖魔族 ゼオンに『勇者』の称号を与える!」
ガシャン!と封印が解放されるクラウンキャリバー
トン トン と左右の肩にクラウンキャリバーを優しく当てる
リエナ「ここにいるすべての者に告げる!
勇者の一族はもういない!それは変えようのない過去である! だが 今 そして未来に向けて新しい勇者の誕生を祝福しよう!
魔族であった彼は我ら人間のために戦い そして 神聖魔族へと進化した! これはきっと運命の導きである!
そして すべての者が納得して彼を勇者と認めた!
さあ 立ち上がるがいい!我らが勇者よ!」
その言葉に従い 立つ ゼオン
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
謁見の間に集まった
五聖の4人 デミナスの面々 リグレット博士 ルピスに孤児院の子供たち テオとラティア 皇族たち セシリア
これまで 関わったすべての人たちが祝福の拍手を送る
周りを見るゼオン
そこにはユウマとグラディスの姿もあり 2人とも軍服を着て デミナスの列にいた
そう ユウマはゼオンを追いかけ デミナスから抜けたゼオンの代わりに新しく入隊したのだった・・・
もちろん グラディスもユウマとどこまでも一緒にいるつもりのためデミナスに入隊する
新生デミナス誕生であった・・・
祝福してくれるみんなを見て 自然に笑う
ニィと・・・
すると 衛兵が急いで走って 謁見の間の扉をバタンッ!と開ける
ガルベド「おい! 今は新しい勇者の戴冠式中だぞ!」
衛兵を怒る
リエナ「良い! 緊急か? 何があった?」
ガルベドを制止させ 衛兵の話を聞こうとする
衛兵「はい! 誠に申し訳ありませんが 緊急の報告をいたします!
現在 暗黒大陸との国境付近にて魔物の大群が攻めてきております! さらに巨大魔物のユニークモンスター
カイザーコングも2体確認しています!」
シリウス「前回も現れたな・・・」
ミウ「ゼオ兄ぃが倒したやつの兄弟だったりして」
シルヴィア「とにかく 援軍を・・・陛下!」
リエナ「うむ! 戴冠してすぐで すまないが 頼めるか?
ゼオン!」
ゼオン「ああ! 任せろ!!」
謁見の間を出ようと歩くが、途中で止まり
リエナを見る
ゼオン「いつものアレはないの?」
みんながキョトンとして首を傾げる
「ぷふ!・・・」1人笑うリエナ
リエナ「そうだったな・・・魔物を倒してこい!
我らが勇者よ! これは皇帝命令だ!!」
いつもセリフを言い放つ
ニィと笑い 「おう! 行ってくる!!」
走り出すゼオン・・・
スタッと 国境付近に降り立つゼオン
「おうおう! 大量にいるな!」
ガルルル! シャアーー! ガウガウ! ウホウホ!
目の前に広がるは魔物の大群と2体のユニークモンスター
指をポキポキ鳴らし 首もゴキゴキと鳴らす
「さてと お前らに悪いが 勇者冒険譚に載る俺の最初の1ページになってもらうぜ!」
左手を横に 右手を縦に 交差させて 十字を作る
「ぶっ飛ばされてーやつから かかって来いや!!」
魔物の大群が一斉に飛び出し 襲いかかる
ゼオンも飛び出し 拳を振るう・・・
勇者冒険譚 最新版の1ページ目に魔族の勇者『ゼオン』
たった一人で魔物の大群をやっつけるという本当に伝説となったシーンが描かれる
だが 彼が作る伝説はまだ始まったばかりだった・・・
グラン大陸の東側を治めるエイルラント帝国
数多くの勇者を誕生したこの国に新しい勇者が誕生する
それは魔族でありながら『勇者』になった者であった
名を『ゼオン』という・・・・・・
第1部 完
ということで第1部はここまでのお話です
帝国をメインにしたブレイブ篇でした・・・
次は暗黒大陸をメインにした第2部 サタン篇を始めます
魔王の息子が勇者になったので 次は勇者の息子が魔王を目指します
勇者 ジークアーサーの息子 『ベルクス』を主人公にした物語です
第1部のキャラも登場する予定です
お楽しみに・・・
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