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第61話 進化



ザシュ! ゼオンの腹に神聖なる魔力が集まった光のクラウンキャリバーが刺さる・・・



リエナ「ああ・・・やめろ! やめてくれ!」

心の底から叫ぶ

「し、死んでしまう! 今度こそ死んでしまう! やめてくれ! 嫌だ! 私の・・・私のゼオンが!・・・」



ユウマ「っ!? ゼオンさん!!」


グラディス「なっ!?」



「ゼオン!!!」十字架にされたみんなもその光景を見て叫び 涙を流す者 絶望に陥る者 それぞれの反応をする



ゼオン「うああああああああああああああ!!!」

神聖魔力が身体に入り込み 内側から破壊する痛みにもがき苦しむ



その証拠に身体中に光のひびが入る ピキ!ピキピキ!と



「うがあああああああああああああ!!・・・・・・」



















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





















神聖なる魔力と同時にゼオンの中になにかが流れ込んでくる・・・




それは走馬灯のように意識が遠くなり 別の光景が意識に流れてくる



流れてくる光景は歴代の勇者たちの戦い・・・


仲間と共に魔王城に乗り込み 魔王を倒す者


または魔王が攻めてきて 勇者が立ち塞ぐが 負けてしまう者


邪悪なドラゴンを討つ勇者


特殊なベルトを付けて「変身!」と言って聖なる鎧を身に纏う者


どれも『勇者冒険譚』に登場する勇者たちばかりだった




「俺は・・・死んだのか?・・・」

夢でも見ている感覚にも似ているが 声は出せない

ただ勇者たちの記憶や情報だけが流れ込んでくる・・・






そして 光景はある場面に切り替わる



ガキーン! ガキーン! ガキーン!

ズザザザザ! ズザザザザ!とお互いに後ずさりする勇者と魔王



?「おっと! ガイウス選手に1ポイント入ったな! へへへ・・・」



?「何を言ってる! 今のは同点だ!!」





勇者と魔王は敵同士なのに まるで友達のように会話する2人




ガイウス「なぁ ジーク 俺たちもう何回戦った?」



?「さあな・・・100は超えてると思うぞ」



ガイウス「さすがに決着つけたいのにジークアーサー様はしぶといし 堅物だから全然 勝負がつかねーよ!」



ジークアーサー「堅物は余計だ! それにいつも通りジークと呼べ お前らしくない」




ゼオン「!?」

2人に気づく 魔王のガイウスは自分の親父だということが・・・

そして 対するは自分の憧れの勇者 ジークアーサーだという真実に・・・




ガイウス「で? 最近どうよ? なんかあった?」

気軽に話す魔族の王



ジークアーサー「・・・・・・実は こ、子供が産まれた」

照れくさそうに答える伝説の勇者



ガイウス「は? マジ? いつ?」



ジークアーサー「せ、先日だ・・・」



ガイウス「あは! マジかよ! 俺のとこも産まれたばかりだぜ!」



2人は互いに父親になっていた




ジークアーサー「そうなのか・・・おめでとう」



ニヒヒヒと怪しく笑う魔王

ガイウス「まさか 同じ時期にヤって 孕ませるとはな・・・」




ジークアーサー「お、お前!そんなふうに言うな!馬鹿者! ヤったのでなく愛し合ったと言え!

それに孕ませたのではなく 愛の結晶と言わんか!!」

赤面しながら魔王に説教する勇者



ガイウス「そんな恥ずかしい感じに言えるかよ!

で? どこで知り合ったんだよ?」



ジークアーサー「お、お見合いだ・・・」



ガイウス「政略結婚かよ!? かーー!勇者はもっと女を抱けよ!」



ジークアーサー「相手の方はすごくいい人だぞ!

家事も出来るし マナーも正しい それにキレイで私は一目惚れだったのだぞ!・・・

そう言うお前はどうなんだ?」




ガイウス「へ? ああ・・・お前のガキが欲しいからって抱いた そしたらできた」




ジークアーサー「・・・・・・・・・


お前! そんな理由で子供を作ったのか!?」




ガイウス「仕方ねーだろ! 『強いからお前の子を産みたい』って言って来たんだから!!」




頭を抱える勇者

ジークアーサー「はあー なぜ魔族の女性はそうなんだ・・・」




ガイウス「言っておくが 美人だぜ!」


ジークアーサー「それは私の妻もそうだ!」



「「ふふふふふふふ」」2人とも笑い出す




ガイウス「名前は? 決めたのか?」



ジークアーサー「『ベルクス』と名付けたよ

そっちは?」



ガイウス「『ゼオン』って言うんだ」




ジークアーサー「お互いに男の子か・・・」



ガイウス「俺たちみたいに戦い合うかもな!」



ジークアーサー「そうならないように・・・」

シャキーンと剣を構える



ガイウス「そうだな!」

カチャと大剣を構える



「「決着つけようか!!」」同じセリフを叫び

再び 激突し合う勇者と魔王








結局 決着はつかずにまた場面は切り替わる



それは10年前の勇者の一族暗殺事件の光景だった



魔族が襲撃したと習ったが 真実は違った・・・


ザン! ザシュ! ズバー! 一族を殺していたのは同じ人間だった それもかなりの手練れの暗殺者たち十数人による集団襲撃 次々に殺されていく一族

そこにはジークアーサーの妻まで遺体で転がっていた



ジークアーサーは涙をこらえ 我が子を抱き ある馬車の荷台に乗り込む そこの樽には子供1人分空いており まだ幼い子を樽の中に入れる


「いいかい・・・この馬車の荷物は『大和(ヤマト)』と呼ばれる島国に行く予定だ

そこに着くまで開けてはいけないよ!」

ジークアーサーは優しく子供に言い聞かせる



ベルクス「パパは?」



ジークアーサー「ま、ママを・・・迎えに行くよ」



ベルクス「じゃあ 僕も・・・」



ジークアーサー「駄目だ!! お前だけは!・・・くぅ・・・お前だけは失いたくない!!

お願いだから 生き延びてくれ! パパと約束してくれ!」

涙を流し 子供が生き延びることを願う



ベルクス「・・・わかった! いつか パパとママを迎えに行くね!」



「ぐす・・・あ・・・ああ・・・また会おうね」

バタンと樽の蓋を閉めるジークアーサー




馬車から離れ 自分の家に向かう


馬車は出発して港の方へ走り出す



ジークアーサー「もう 大丈夫だ あの子ならどんな所でも生きていける 生きてくれてさえいれば・・・」


歯をくいしばり 暗殺者たちの下へ駆け出す






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







しかし ジークアーサーは多勢に無勢で全身に剣を貫かれて倒れてしまう



ジークアーサー「・・・べ・・・ベル・・・クス・・・」



最期に我が子の名を呼び 息絶える




勇者の屋敷は炎に包まれ 遺体は焼けて灰になっていく



そこへ当時の皇帝と教皇が駆けつける



「なんということだ! 勇者を化け物扱いする貴族連中の仕業か!?」皇帝は暗殺者を見て 気づく 要人暗殺によく使う一部の貴族が雇う者たちだと・・・



皇帝「くそ! なぜ勇者の一族を根絶やしにするのだ!

愚か者たちめ!!」



教皇「しかし 今 貴族とぶつかれば国のバランスが乱れ 魔族に・・・!?」



教皇が何か思いつく「これは魔族のせいにしましょう!」



皇帝「何を言って?・・・」



教皇「今 ここで貴族と争いをすれば 国の一大事となります! 帝国崩壊もありえます! どうか怒りは魔族にぶつけください 情報操作は我々にお任せください・・・」



皇帝「くぅ・・・すまぬ! 許せ! 勇者よ!」






こうして 国の維持のために勇者の一族暗殺事件は魔族による襲撃と嘘の情報によって世間に知れ渡ることになる・・・































白い何もない空間に切り替わる




ゼオン「これが真実!?」



?「見たみたいだね・・・私は歴史の闇に葬られたのさ」



ゼオン「!?」



目の前に憧れのジークアーサーが現れる



しかし 声が出ない 喋れない




ジークアーサー「私は魔力に残った単なる面影に過ぎない・・・みんなも」

そう言うと彼の後ろに数名の勇者らしき人たちが現れる



ジークアーサー「ここにいる全員が私と同じような存在だよ 魔力の面影 なんて言ったかな 『勇者因子』という神聖魔力の源 についた残像って表現する感じかな」



よく分からないことを言ってきたぞ

憧れの勇者が・・・



ジークアーサー「うーん・・・つまり聖騎士の中にあった勇者の断片が集まり 私の因子と適合したヴァイスハルトの魔力 そして 神聖なる魔力を秘めたクラウンキャリバー

奇跡的に組み合わさったことにより 歴代の勇者と私との邂逅に成功したんだよ」



ブンブン!と縦に首を振るゼオン

だが あまり理解していなかった

憧れの勇者の話を聞けて興奮状態だった・・・




ジークアーサー「難しい話はやめよう 君と私たちは出会ったそれだけのことだよ・・・」


「でも まさかガイウスの息子と出会えるなんて思わなかったよ! 私の息子も生きていれば 君くらいの年だね」

優しい感じ やはり本で呼んだ通りの人だ



ジークアーサーたちがポワン!と足下から消え始める



ジークアーサー「おっと! 時間みたいだ・・・

あっという間だけど 会えてよかったよ」



歴代勇者たちは目を合わせ コクッ!と首を縦に振る




勇者A「私たち勇者の力『勇者因子』は悪しき者に宿ってしまった」


勇者B「私たちではどうすることもできずに嘆くしかなかった」


勇者C「それで私たちは君と邂逅して決断した」


勇者D「魔族でも正しき者に我々の力を託すべきだと」



勇者たちが手を伸ばし 光がゼオンの目の前に集まる



そして ジークアーサーも手を伸ばし 光を強く輝かせる



「どうか 悪しき者を倒し 正しき君が勇者になりますように」皆が声を合わせて言ってくる



ジークアーサー「受け取ってくれ これは君を護ってくれる光! そして君の新しい力!」



ゼオンは手を伸ばし その光を手に掴む・・・































・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・































ピキピキ!と光のひびが全身に入るゼオン


断末魔は聞こえなくなり 静かに内側から破壊される音だけが響く



リエナ「ぅ・・・嫌だ! 死ぬな! 我の 我のゼオン・・・」

動かなくなった彼に手を伸ばす 届かない距離だが 伸ばさずにはいられなかった




あとは 光の崩壊よって消えるだけ

そう思ったヴァイスハルトはクラウンキャリバーを離して

リエナの方に歩き始める



トットットッ 数歩 歩くとあることに気づく



ピキ!ピキピキ! まだひび割れの音が鳴っていることに・・・



それも破壊されていく音ではなく なにか殻を破る音のような 卵からなにか羽化するような感じに聞こえる




振り向くと クラウンキャリバーが刺さり 全身に光のひびが入ったゼオンが立ち上がっていた




ヴァイスハルト「・・・バカな!」



みんながその光景を見つめる・・・





そして パリーンとゼオンの身体は砕けるが、中から怪我や傷が全回復したゼオンが殻を破るように現れる

パリーン! パキーン!と全身の光のひびがすべて割れた



それを見た全員は目が点になる

ゼオンという殻からゼオンが出てきたのだからだ




腹に刺さったままのクラウンキャリバーを両手を使って

ズバーと引き抜く 不思議なことに出血と刺し傷は出ることなく収まる




なにが起きたが全員が分からなかった

魔族は神聖なる魔力が弱点でそれを200人分とヴァイスハルトの神聖魔力も上乗せされた致死率100%の量を流し込まれたのに生きていた なぜが深まる中



ヴァイスハルトは「バカな!ありえぬ!」と驚愕していた


「生きているはずがない! お前は消滅確実だったはず!


!? まさか・・・適合したというのか お前は適合したのか!」



吠える彼に

ゼオン「さあな・・・ でも憧れた人たちから託されたんだ ・・・決着をつけるぞ!ヴァイスハルト!」

ゼオンの右目が赤く輝きだす



クラウンキャリバーを手にすると剣にゼオンの赤い魔力が集中してクラウンキャリバーの封印が解ける


刀身の中心部が裂け ガシャン!と左右の刀身が少しズレて中央に隙間が出来る 空いた中央部には魔力を籠めると赤い光の刃 ビー◯サーベルみたいのが出現する



リエナ「クラウンキャリバーの封印が解けた 我でも解放できなかった真の姿をゼオンが解放した・・・

ゼオン・・・お前は・・・まさか」



ヴァイスハルト「バカな!バカな!バカな!!

ここにきて貴様! 進化したというのか!?」




暗黒大陸に住む魔族はその過酷な環境で育つため

その環境によって適応するために進化する

動物と同じく進化をして生き延びる自然の摂理だった



しかし 唯一の弱点である聖なる力 神聖なる魔力は いかなる魔族にも共通する弱点で克服方法はない 適応することが絶対にできない魔力だった・・・



だが 彼は神聖なる魔力に『勇者因子』に適合を果たす

それは歴代の勇者とジークアーサーとの邂逅によって力を託され 種として新しい進化を遂げた瞬間だった・・・




その名は 『神聖魔族』 ・・・







クラウンキャリバーの封印解放


神聖魔族へと進化したゼオンの神聖魔力によって解放されたクラウンキャリバーの真の姿

刀身の中央部から左右に別れ 空いた中央は魔力を籠めると赤い光の刃が出現するようになる


モデルは デビルメ◯クライ5 の魔剣ダンテ

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