第59話 ゼオンVSヴァイスハルト ②
ゼオン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄・・・無駄!!!」
人間では真似できない速すぎるラッシュをヴァイスハルトに喰らわせるゼオン
「止めるな! ここで倒す! これ以上何もさせるな!」
心の思いに従い 炎の拳の連打を続ける・・・
そして 「無駄!!」とシメの一撃を顔面に殴り ぶっ飛ばす
ヴァイスハルト「ぐはー!」と声を出して飛ばされる
ズザザザザ!と背中から落ちて倒れる
「はぁ・・・はぁ・・・」と息を切らすゼオン
ミウ「やったー!! ゼオ兄ぃの勝ちだ!」
テオ「す、凄いです! ゼオンさん!」
ペティ「お兄ちゃん! やっぱり最強!!」
子供たちは勝ったと喜ぶが 大人たちはまだ笑顔ではなかった
イングリット「ゼオン! まだだぞ!」
シリウス「この程度 終わるはずがない・・・」
ガルベド「そうだぜ 気をつけろ!」
シルヴィア「来るわよ!」
パキパキ!と地面から氷が這うように現れ 左右交互に十字架にされたみんなの足下まで凍てつく
「さ、寒いよ」囚われた孤児院の子供たちの足下まで氷が現れる
ヴァイスハルトを見るとゆっくりと立ち上がっていた
やはりまだダウンはしなかった
ヴァイスハルト「うるさいな・・・少し黙ってくれないか・・・」なにやらキレている
ヴァイスハルト「君みたいな 野蛮な魔族がいるから私は嫌いなんだよ・・・優雅に戦う私をよくもこんなボロ雑巾みたいにしてくれたなぁ!」
怒りが籠っているが 冷気や氷で顔の腫れや火傷をシューーと応急措置している
ゼオン「周りのみんなは関係ねー 巻き込むな!」
ヴァイスハルト「安心したまえ 殺すつもりはない
ただ静かにしてほしくてね 」
身体がふらついている 確実にダメージは入っている
もう一押しだったか?
ヴァイスハルト「こんなに連発を浴びたのは初めてだよ」
ゼオン「そいつは光栄だな」
ヴァイスハルト「だから・・・苦しみを与えてから殺してやるよ!」
ようやく 本性を表し始めた
ザッと飛び出し ゼオンに急接近して剣を振るう
ガン!ガン!ガキーン!
最初より荒々しい剣術となるが それは殺意の籠った凶刃のように襲いかかる
ガキーン! ガキーン! キン! キン! ガキーン!
なんとか対応するが 殺す気満々の剣の猛威にゼオンは防戦になってしまう
「死ね! 死ね! 死ね!」とまるで別人のように剣撃を続けるヴァイスハルト
攻撃を弾いているとパキパキ!と音がした
違和感を感じ 右足を見ると氷漬けにされていた・・・
その間にも凶刃が迫る
キン!キン!キン!ガキーン!
剣を弾き 近づいた時に左の掌を集中させ 『爆炎掌』を放ち 距離を取らせる その隙に右手の炎を噴射して氷を溶かす
パキーン!と氷を砕く
氷漬けにした道筋は十字架にされていたみんなの足下の氷から発生していた
ゼオン「まずい! ここはもうアイツのフィールドになってやがる! なにが静かにしてだ! 自分の有利な局面を作っただけなんだ!」
一連の行動を理解したゼオン
パキパキ!と今度は4つの方向から氷が這いよってくる
ゼオン「ちぃ!」高くジャンプして氷を避ける
集まった氷はチャキーン!と凍りつきゼオンの肩くらいまで氷漬けにされるところだった
視線をヴァイスハルトに向けるが そこに彼は居なかった
ゼオン「?」どこにいった?と周りを見るがいない
すると 上からなにか落ちてくるのを察知する
見上げると氷塊が落ちてきていた
ゼオン「くっ!」すぐに【イグニス】を構え 拳のラッシュをする
ゼオン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
ドドドドドドドドドド!
ピキ!ピキピキ!氷塊が砕けていき パキーン!と割れる
だが 割れた隙間から剣が見える
額を貫こうとした剣をギリギリで避けるが 左頬をかすめ シュパと頬を斬り 血が流れる
氷塊の上にヴァイスハルトはいて 氷を砕いた瞬間に待ち構えていたのだ
ヴァイスハルト「死ね! 魔族が!」
剣でさらに襲いかかる
ゼオン「こんのー!」
負けじと拳で氷を砕きながら応戦する
ガキ!ガキ!ガキ!ガキ! ガキーン! ガキーン!
空中でも剣と拳がぶつかり合う
しかし ここでゼオンは気づく
瞬間凍結を使ってこないことに・・・
それに口調もまるで聖騎士と同じで死ねとか殺すの意識になっている 冷静ではなくなっている・・・
勝機を見いだすゼオン
ニィと笑い 戦う
ヴァイスハルト「なにがおかしい!? クソ魔族が!!」
剣を振るうとした その時には
ゼオンの両手の掌がオレンジ色に光っていた
『双覇爆炎掌』!!
砕けていた氷塊ごと爆破で吹き飛ばす ドカーン!
爆発した煙幕からシューとヴァイスハルトが地面に降りる
ヴァイスハルト「クソ! またか!」
再び 爆発で身体にホコリがつき 苛立つ
シュタ! 同じく地面に降り立つゼオン
「いい加減に死ねぇーー!!」ヴァイスハルトが大声をあげて迫り 剣を振り下ろそうとする
すぅぅと息を吸い込み 呼吸を整え 構える
ブン!と風を切り 振り下ろされる剣を見つめ
そして両手で剣をパシッ!とはさみ 受け止める
シリウス「し、真剣白刃取り!?」
ガルベド「この土壇場で決めるとかマジかよ!?」
みんながその光景を見て驚く
ヴァイスハルト「な、なにぃ!?」
白刃取りをされて驚愕する
ゼオン「最初の方の剣術だったら無理だった・・・
けど 今のお前は冷静さがない 殺意剥き出しの剣は簡単に見切れる!」
ボワー!と燃え上がる両手 ジューと熱して 剣を横にねじ曲げると パキーン!と彼の剣を折る
「!?」剣を折られ さらに驚くヴァイスハルト
ゼオンは少しジャンプして身体を横に2回 回転させ その勢いで足蹴りを放つ
対応が遅れたヴァイスハルトの腹に蹴りが入る
ヴァイスハルト「ぐふっ!」
あまりの痛みに膝をつき 倒れる ドサッ!
「クソが! クソ魔・・・」
悪態を吐き 顔を上げた瞬間に ドスッ!と顔面に左拳がめり込む
「ヴァイス!! ハルトーーーー!!!」
ゼオンが雄叫びをあげて左拳を目一杯 突き出しぶん殴り
宮殿前 広場の壁までぶっ飛ばす
ヒューン! ドガーーーン!!壁に激突するヴァイスハルト
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」息を切らすゼオン
今度こそ勝った・・・そう思い 背を向けてみんなのもとへ歩き出すだが・・・
「ふうー・・・どうやら『勇者因子』が少し過剰に君に反応してしまったみたいだな。」
聞きたくない声がして 振り返ると頭から血を流しているが 平然とした表情でその男は立っていた・・・
ゼオン「どうなってる?」
確かに手応えはあった 倒せなくても気絶はしていると思ったが ヴァイスハルトは余裕そうにしていた
ヴァイスハルト「さっきは失礼した『勇者因子』を少し解放したら頭に血が登って暴走気味になってしまった」
ゼオン「『勇者因子』? まさかお前も聖騎士と同じような!・・・」
ヴァイスハルト「一緒にされては困るな・・・あいつらは不適合者たちだ・・・なれの果てみたいなものだよ」
ゼオン「お前は違うのかよ?」
ヴァイスハルト「ああ! なぜ 不適合者たち 聖騎士が言うことを聞くのか・・・
それは私が適合者だからだよ!・・・『勇者因子』の!」
また言った『勇者因子』と・・・
ゼオン「おい? まさかと思うが・・・それって」
ヴァイスハルト「ご想像の通り 勇者たちから頂いた『力』だよ・・・」
ガルベド「なんてことしやがる!」
シリウス「先人たちの遺体を使うとはなんと卑劣な!」
シルヴィア「だからこそ あんなに強いのね」
みんなにもヴァイスハルトが勇者の遺体からなにかを盗んだことを理解し始める
ヴァイスハルト「数ある被験体たちはすべて不適合者で聖騎士みたいなただの戦闘人形になるだけだ
しかし 私は違うこの世でただ1人『勇者因子』に適合した選ばれし者なのだよ・・・」
ゼオン「だから 自分は勇者だって言うのかよ
みんなを殺そうとするやつが・・・」
ヴァイスハルト「必要な犠牲だ それもすぐに補充が効く」
ゼオン「他国を侵略して聖騎士を増やすつもりだろ?」
「さあ どうだろうね」笑みを浮かべるヴァイスハルト
ゼオン「ふざけやがって!!」
拳を握りしめ 怒りが込み上げる
ヴァイスハルト「それよりも『勇者因子』の適合者はただ肉体が強化されるだけじゃない・・・」
不気味に微笑む
すると 身体が光り輝き出す ピカーン!
リザ「な、なによ 眩しい!」
ヴィヴィアン「目がチカチカするよ~」
レティシア「なんなんですの?」
ステラ「っ・・・」
フィーネ「私の血が危険だと知らせている?」
イングリット「まさか本当に勇者に!?」
ホワーン!ホワーン!と優しい音と光に包まれたヴァイスハルト
ゼオンだけが感じる悪寒 それは魔族ならば感じることのできる神聖なる魔力の波動 肌がピリピリして汗が流れる
そして キュイーン!と光から現れる
傷やダメージは無くなり 完全回復した状態に戻り 身体中少し光が出ている
さらに折れた剣の先に氷がコーティングされ 氷刃となっていた
背中には氷で創造した天使のような翼が生えて 少し地面から浮いていた
ヴァイスハルト「ドクターが言うには『疑似勇者化』と名付けいたよ・・・」
バサッ!と翼を広げ 構えるヴァイスハルト
「『勇者冒険譚』にもあったな! ボスキャラには第2形態があるって!!
それに逆境の時こそ笑えってな!」
ニィと笑い 再び構えるゼオン
ゼオン VS ヴァイスハルト『疑似勇者化』による第2形態
つづく・・・




