第46話 VSダークエルフ族長 ①
ユウマとはぐれてしまったゼオンたちだが 人質にされていないというリエナの女の勘を信じて先に進むことに・・・
ゼオン「やっぱり心配だな ユウマ」
リエナ「心配するな! あいつは子供だが どこかのバカに似て しぶとい奴だと感じた!」
ゼオン「それって俺のこと? ひでー」
セシリア「んふふふ・・・お2人はこんな時でも仲がよろしいんですね」
ゼオン「そうでもないですよ」
リエナ「貴様!あとでみっちり稽古つけてやるぞ!」
談笑しながら森を進む一行
そしてダークエルフの集落がある場所の近くまで辿り着く
セシリア「問題はやはり 族長です かなりの長老ですが、魔法が得意で容赦なく襲ってくる可能性があります」
ゼオン「遠距離タイプなら俺とリエナで間合いを詰めて近距離に持ち込みましょう」
リエナ「しかし 族長だけ倒せば言い訳ではないだろう
他にも戦士はいるはずだ 警戒して挑むぞ!」
作戦を練っていると・・・
?「おや 随分と大きなネズミが居るようだ」
気づかれたか?
全員 戦闘態勢に入り 物陰から出る
?「なんじゃ グラディスはしくじったのか 使えん奴じゃの・・・金を払ったのにまったく・・・」
ゼオン「アンタが族長だろ?
少しくらい女王と話をしたらどうだい?」
セシリア「ダークエルフの族長よ!もうお止めください! 私はエルフとダークエルフの長年の対立を終わらせるために来ました! どうか話を!」
族長「ふん!何をいまさら 話じゃと そんなものは100年前から変わらぬ! 我らを蔑んできたエルフ族を根絶やしして生命の大樹を手に入れる それこそがダークエルフの悲願じゃ」
こいつはかなりの頑固ものだな・・・
根が深いって感じもするが
リエナ「セシリア殿は和平を望まれている!
これ以上無駄な血は流すな!」
族長「黙れ!人間風情が我らの間にしゃしゃり出るな!」
ゼオン「じゃあ 魔族の俺から言わせてもらうけど アンタは生命の大樹をどうするつもりだ!
100年も欲しがるってことは ただ恩恵が欲しいだけとは思えねーな!」
族長「ふはははは・・・魔族だと人間にしか見えないが」
ゼオン「そう言うアンタはダークエルフに見えないな!
過去を引きずる老害にしか見えねー!」
「・・・・・・・・」黙る族長
族長「どうやら死にたいらしいな・・・」
ダークエルフの族長は怪しく 紫色に光る杖を取り出す
ゼオンはその魔力に覚えがあった
またか!と
杖をかざすと地面に魔法陣が現れ ズズズズズと死体が湧き出る『リビングデッド』だった
ゼオン「ゾンダルと同じ魔法陣? なんでアンタが?」
族長「ふはははは・・・偉大なるゾンダル様より頂いたこの杖で不死の軍団を呼び出すことができるのだ!」
しかも現れた死体はエルフであり 生命力の強いエルフゾンビを召還する
ゼオン「ゾンダルと同じ目に合わせてやる!」
意気込み ゾンビに殴りかかる ドガガガガガガガ!
しかし普通のゾンビではなくエルフのゾンビのため効いてるように見えなかった
【ヒートアップ】して発火の状態で殴る
ゼオン「ゾンビは火に弱い!」
炎のラッシュでエルフゾンビにダメージを与える
一通り喰らわせてゾンビが倒れる
ゼオン「うっし! どんなも・・・ん・・・よ」
しかし 倒れたエルフゾンビは立ち上がり、火傷や欠損した部分が再生する
魔法陣は出てなかった こいつら自己再生するのかよ!?
セシリア「これ以上 私たちの同胞を死者を使っての横暴はお止めください!」
女王は訴えかける
族長「ふはははは・・・エルフ族だけでないわ!」
杖をまたかざすと 今度はダークエルフのゾンビを出す
ゼオン「野郎!同族まで使うとか頭おかしいだろ!」
ダークエルフのゾンビは下級魔法を使ってくる『ファイヤーボール』や『バブルボム』など・・・
「くそ!近づけねー!」
近距離タイプのゼオンには相性が悪かった
前方のエルフゾンビはしぶとくて消滅しないし
後方からダークエルフゾンビで魔法が飛んでくる
ゾンダルよりゾンビを使いこなしてやがる・・・
族長「まさに不死の軍団よ! これならイルフィシア王国も攻め落とせるわ!」
セシリア「死者を冒涜する行為 恥を知りなさい!」
女王も怒り出す
族長「ぬはははは 争い事が嫌いな綺麗事ばかり吐くお主の声など届かぬわ!」
「ゼオン!下がれ! ここは我の出番のようだ」
リエナが声をあげる
リエナ「アンデッド族を操るとは厄介だが 我とこの剣『クラウンキャリバー』には残念ながら相性が悪いな!」
リエナの使う剣 確かにあれからは神聖な力を感じる 魔族の俺も肌がピリピリする
リエナは玉座剣を使わずにエルフゾンビを切り裂くとシュワー!と浄化されるように消える
族長「な、なんだと! その剣は一体?」
リエナ「帝国の皇帝が代々受け継ぐ王冠代わりの宝剣だ! まあ 扱える者が我くらいしかあらぬが、聖なる魔力が込められた剣だ ほとんどの魔族に効くし アンデッドには弱点といえる代物だ!
それに玉座剣を組み合わせれば・・・」
しゅっ!と消え ダークエルフゾンビをすり抜ける
玉座剣の肆 『一文字斬り』!!
一閃が入り ズバッ!と斬り捨てられ ゾンビは瞬く間に成仏する
「我が前に断てぬものなし!」
族長「くっ!おのれぇ!」
不死の軍団を一掃され 悔しがる
「もうお止めください!族長!」
ダークエルフの若き戦士が叫ぶ
「我々の死んだ同胞の死体をお使いになるなどお止めください!」
もう1人の戦士も叫ぶ
族長「何を言う? 我らの悲願を邪魔するつもりか?」
「もう我々はあなたの言う悲願など どうでも良いのです!」
「セシリア女王はずっと我々に手を差し伸べてくださいました! 我々の心が変わらない限り世界は変わりませぬ!
どうかこれ以上はお止めください!」
ダークエルフの若者たちは過去のことより未来のことを考えていた
族長「愚か者どもめ 我らがエルフにどれだけ見下され 迫害され バカにされてきたか 若すぎるお前たちには分からぬであろう!」
「確かに昔はそうですが 今は違います! エルフ女王が自ら我々のところに来て下さいました! 今までなかったことです!」
「それに族長は魔の者と秘密裏に結託していました
生命の大樹を魔なる者に渡すつもりです!」
ゼオン「やっぱり ゾンダルの差し金か
それにしても 人の心が変われば世界も変わるか いい言葉だ!」
ゾンダルの杖を破壊しようと走り出すゼオン
族長は雷属性の稲妻を放つが脅威の身体能力と反射神経で素早く避ける
そのまま走った勢いでドロップキックをかます 魔法障壁を張るが 勢いのあるドロップキックに破壊され顔面に直撃して吹き飛ぶ
族長「ぶはーー!!」
派手に転がるダークエルフの族長
ゼオン「よっしゃ! 一発入れてやったぜ!」
族長「くっ!小癪な!」
杖を地面にかざし 魔法陣を張る
ゼオン「またアンデッドを召還するのか」
ズズズズズと族長の後ろに巨大な影が出てくる
枯れ木の木の巨人が現れる
「グオオオオ!」と吠える木の巨人
根を伸ばし 地面や森の木に突き刺す
すると ドク!ドク!ドク!と養分を吸い取る音が聞こえる
草は枯れて 木も萎れていく
ゼオン「周りの生命力を吸うタイプの魔物か」
木の化け物は他の木の生命力を吸い取り 枯れ木の姿から艶のある樹木に変わっていき 葉っぱまで生えてきた さらに果実も出てきた
果実には口が生え 鋭い牙があった
意志を持つように「カカカ」と笑い 木から落ちてゼオンたちに向かってくる
エルフ兵 1人の腕や脚に噛み付く
「うわーー!! 痛ぇー!!」
必死に振りほどこうとするが 取れない
ゼオンは炎の拳で果実を殴り ぐちゃ!と崩れ取る
そうしてる間にも化け物はどんどん養分を吸い取り 大きくなる
族長「ふはははは・・・この森 全てがお前の餌だ
『デッドリープラント』よ!!」
デッドリープラントという植物のアンデッドは顔が出てきた悪そうな表情でドラ◯エに出てくる人面樹みたいな顔つきだった
一通り大きくなった植物の化け物は根をゼオンたちに向けて伸ばす
リエナが剣を構えていた 次の瞬間・・・
ズバッ!ザシュ!ズババババ!と根が斬り裂かれる
斬ったのはユウマを誘拐したダークエルフの女剣士だった
リエナ「お、お前は・・・」
皆が驚く あっち側の傭兵ではなかったのかと
族長「ぬうう・・・グラディス! どういうつもりだ!
あれだけの大金をくれてやったのに 裏切るつもりか!」
怒りをあげる
グラディス「金なら返す!」
そう言うと大金の入った袋を投げる
タッタッタッと小さな足音が聞こえ 近づいてくる
「ゼオンさん! リエナ様! セシリア様!」
ユウマが駆けつける
ゼオン「無事だったか! 怪我は?」
ユウマ「大丈夫です! それよりグラディスさんは味方です!安心してください!」
リエナ「なんとなく・・・予想していたが あのグラディスという女 ショタコンだったか」
セシリア「まぁー!」
セシリア様も声をあげるがゼオンはなんのこっちゃと理解できないでいた
ゼオン「ショ・・・ショタ・・・なに?」
リエナ「年の離れた小さい男の子が好きなんだ」
セシリア「あの方は恐らく 100年は生きているかと」
年の差 100歳以上ってどんだけだよ!
グラディスは構え 「私は今日からユウマの剣・・・」
族長「くぬう・・・デッドリープラントよ
奴らを蹴散らせ!」
木の根が無数に襲いかかる
グラディスはもろともせずに根を切り裂く
さらにリエナも加勢して根を木っ端微塵にする
リエナ「今だ!」
その一声を合図にゼオンはデッドリープラントの上空に飛んでいた
身体を前方に回転くるくると2回転してその勢いで右足のかかと落としを放つ『炎月脚』!!
ドガー!!
木の化け物に直撃し 葉っぱも燃え上がる
ギャアーーー!と叫ぶデッドリープラント
族長「大地の養分を吸え!」と命令し 地面に根を突き刺すが 左右からリエナとグラディスが根を斬り刻む
ズバッ! ズバッ!と
回復できず、燃え上がる魔物
「まずい!」と思った族長 しかし背後にゼオンが近づき 顎にサマーソルトを喰らい デッドリープラントに背中をぶつける
族長「ぐは! くっ おのれ!」
ゼオンたちは追い詰める
ダークエルフの若者たちも族長が魔物を従えて森を朽ち果てるような行為に我慢できずに・・・
「もうよいです! このままでは森はこの魔物の養分となってしまいます! 私たちが暮らしていける土地ではなくなります!」と反抗する
族長「森の木など 生命の大樹があればいくらでも復活するわ!」
「それまで何十いや何百年かかると思っているのですか?」 「そうだ!そうだ!」
とダークエルフたちは声をあげる
もはや誰も族長の考えに同意するものはいなかった
魔物を使役して森を蹂躙する姿はまるで魔に堕ちた邪悪なる者にしか見えなかった・・・
逃げ場がなく 追い詰められた族長
「まだだ まだ終わらんよ」最後の足掻きのように話すと
「ふん!」と杖を自分ごとデッドリープラントに突き刺す
ザシュ!
「ふごっ!」 「ギャアーー」と両方とも苦しむ
「ふはははは・・・」と笑い 植物の魔物と融合する
黒い霧に覆われ ズズズズズと音を立てる
霧が晴れて姿を現したのはダークエルフの族長の腰から下がデッドリープラントと合体した異形の化け物だった
「ウガーーー」と叫び
根をユウマやセシリアに伸ばす
ユウマに向かった根はグラディスが斬り裂き
セシリアや兵士に向かった根をリエナとゼオンで燃やして 斬り裂く
グラディス「ユウマは私が守る」
リエナ「もはや正気を失い、人を捨て 怪物となった
ここで仕留めるぞ!!」
ゼオン「了解!」
両手の拳をガン!とぶつけ合わせ 気合いを入れる
ダークエルフ 皇帝 魔族の奇妙な3人組が並び立ち
異形の化け物に挑もうとしていた・・・
『クラウンキャリバー』
エイルラント帝国の皇帝が王冠の代わりに代々手にする宝剣
歴代の皇帝が手にするが 戦いで使われたことはほとんどない 皇族の剣技「玉座剣」と合わせると凄まじい威力を発揮する
神聖なる魔力を宿しており ほとんどの魔族に効く聖剣に近い両刃の剣
剣帝と詠われるリエナだからこそ扱える代物




